【春の小売需要2023】全国的に暖かい春で「季節商品は需要増のタイミングが例年より早い」

ウェザーニューズの流通気象チームの気象データアナリストが、過去の3~5月のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析、2023年春の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想した

石居 岳[執筆]

2023年3月7日 8:30

ウェザーニューズは製造業・小売業向けに、3~5月の「春の小売需要傾向」を予想した。

2023年春は暖かい空気に覆われやすく、アイスクリームやアイスコーヒーなどのコールド商品、日焼け止めなどの日焼け対策グッズ、虫除けスプレー、扇風機などの春夏向けの季節商品の需要が例年よりも早まりそうだという。

3~5月の気温は全国的に平年並から高い傾向を予想している。エリア別では、北日本は平年より「やや高い」から「高い」、東日本から奄美・沖縄は「平年並」から「高い」見通し。3月は一時的に寒の戻りはあるものの、3~4月は日本付近で偏西風が平年より北寄りを流れやすく、暖かい空気に覆われる見込みだ。

気温傾向
気温傾向

特に4月は平年と比べて寒気の南下がほとんどないため、全国的に平年より気温が高くなりそだ。5月は初夏の陽気が早まると予想している。

たとえば、「アイス」は気温によって需要が大きく左右され、春になると需要が伸び始める。気温の見通しに伴う小売需要の予想によると、2022年4月は2021年や平年と比べて気温が高い年で、「アイス」の検索が4月から大きく伸びた。同様の傾向はアイスコーヒーでも見られ、汗や蚊、扇風機への注目も同時期に高まっている。

2023年3~4月は平年より気温がやや高いから高いと予想され、2022年のように4月頃から需要が伸びると見込まれる。

ウェザーニュース 東京の気温と「アイス」検索の関係(2021年と2022年3〜5月)
東京の気温と「アイス」検索の関係(2021年と2022年3〜5月)

また、春は地上に降り注ぐ紫外線量が急増する季節のため、「紫外線」が注目される。例年4月は9月と同程度の紫外線が降り注ぎ、5月の紫外線量は9月を超えている。

「日焼け止め」の検索と日照時間の関係を見ると、2022年は4月になって日照時間が多くなるタイミングで検索が大きく伸びた。2021年は3月中旬頃から、日照時間の増加に呼応して検索も徐々に増加。「日傘」も同様の傾向が見られるという。

2023年春は、東日本や西日本の降水量が平年並から少ない予想で、晴れて日差しが降り注ぐ日も多くなりそう。このため、3~4月から「日焼け止め」や「日傘」など紫外線対策商品の需要が高まると予想している。

ウェザーニュース 東京の日照時間と「日焼け止め」検索の関係(2021年と2022年3〜5月)
東京の日照時間と「日焼け止め」検索の関係(2021年と2022年3〜5月)
この記事のキーワード

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「声のする方に、進化する。」会社全体最適を目標とするワークマンの「補完型EC」 が実践する「レビューマーケティング3.0」とは? 12月17日 7:00 「所有から利用へ」の潮流をAIで勝ち抜く。事例で学ぶレンタル・リユースビジネスの成功法則とEC構築術 12月16日 7:00 「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00