2024年の秋冬は暖冬傾向、秋・冬物商品の動き出しは鈍いと予測【ウェザーニューズ調査】
ウェザーニューズはこのほど、2025年2月までの天気傾向と商品需要を予想した「秋冬の小売需要傾向2024」を発表した。今秋冬は暖冬傾向となり、秋〜冬にかけて全国的に平年より気温が高い見込み。秋・冬物商品の動き出しは鈍いと予測している。
今秋の天気予想
今秋の気温(2024年10〜11月)は全国的に平年より高い傾向と予測。10月までは太平洋高気圧の張り出しが平年より強く、季節の歩みが遅くなるとみられ、11月は西日本を中心に寒気が流入し季節が一気に進む可能性があるという。
降雪量は大雪の恐れもありながら平年並だとした。降水については10月にかけて秋雨前線が停滞し、東日本を中心に降りやすい時期がありそうとのこと。10〜11月にかけての降水量は、北〜東日本で平年並か多く、西日本と沖縄・奄美は概ね平年並となると予測している。また南からの暖かく湿った空気の流れ込みや、台風による強雨や大雨に注意が必要とした。
今冬の天気予想
冬の気温(2024年12月〜2025年2月)は、北〜東日本では平年より高く、西日本と沖縄・奄美では平年並みから平年より高くなる見込みという。また、冬前半は寒気が入りやすいが、冬後半は冬型の気圧配置が長続きせず、平年より暖かくなると見ている。
12〜2月は前半ほど冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が入りそうだが後半は長続きしない傾向とみている。そのため、降雪量は全国的に平年並となる予想。ただ、北日本の日本海側を中心に強雪や大雪になるおそれ。一方、南岸低気圧の発生数はやや少ない傾向だが、寒気の南下するタイミング次第で、関東や東北太平洋側で積雪や大雪の可能性もあるとした。
今秋商品の動き出し
秋冬の衣料品や飲食物などの季節商品の需要は例年よりも動き出しが遅い傾向と見られる。一方で、11月以降の冷え込みで需要が急増する可能性も指摘している。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の見込み。初雪は北日本で平年より遅く、東・西日本は平年より早いところがありそうだという。冬後半は気温が高いことで冬物商品の需要は長くは続かず、年明けとともに低下する見通しであるともしている。
秋冬の小売需要予測
ウェザーニューズの流通気象チームの気象データアナリストが過去の9〜2月のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析。今シーズンの秋冬の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想した。
これによると9月は残暑の影響で秋物商品の動き出しが鈍い傾向が見られる。今シーズンは秋を通して季節の歩みがゆっくりで平年より気温が高いため、秋冬の季節商品の需要増シーズンは例年より遅くなりそうだと見ている。
10月に入ると朝晩は気温が下がり、毛布・羽毛布団・おでん・鍋つゆ・セーター・ダウンジャケット・ハンドクリームなどの需要が次第に増えていくと予測。11月以降の寒気流入で一気に冷え込み、需要が本格化すると見ている。こたつや毛布、おでんなどは、冬の期間(12~2月)も気温が下がるタイミングで需要が伸びる見込みですが、平年よりも気温が高い傾向が続くため、秋冬商品の需要は年明け後に段々と減少すると予測した。
また今冬の気温傾向は、2020〜2021年と類似すると予想。2020年12月〜2021年2月の東京の気象では、気温は1月半ばにかけて大きなアップダウンもありながらも段々と下降、その後上昇傾向に転じた。体感報告としては1月半ばにかけては、「寒い」が多くを占めたが、1月半ば以降は「ちょうどいい」の割合が多い日がたびたび現れ、2月に入ると、「ちょうどいい」体感の日が多くなった。
当時の冬物商品の検索需要の動向も探った。「コート」の検索数は気温低下に雇用して緩やかに伸び、その後は緩やかに減少する傾向だった。
「ダウンジャケット」は気温が下がった12月半ば頃に検索数の山が見られたが、その後は急激に減少した。
「鍋つゆ」は、1月半ばにかけては気温に呼応して増加する傾向が見られたが、1月後半からは減少トレンドとなった。
ウェザーニューズでは、アパレル・食品などのメーカーや小売業者向けに「ウェザーニュース for business」として商品との気象相関分析サービスなどを提供している。