2018年夏の消費トレンドは? 楽天が分析した「衣・食・住・遊・驚」5つのトレンド
楽天は6月5日、楽天市場の購買データやソーシャルメディアなど外部トレンド情報の分析結果をもとにした「楽天市場 夏の消費トレンド 2018」を発表した。
楽天市場トレンドハンターの清水淳氏は、5つの切り口「衣・食・住・遊・驚」で2018年の夏を象徴するキーワードとトレンドを紹介。なぜ、その商品が売れたのか、購買行動の背景にあるストーリーにも注目して解説した。
衣:消費者主導、トレンドの発信源がテレビ・雑誌からネットへ
SNSでお気に入りのアイテムやコーディネートを披露するなど、消費者がタイムライン上で流行を発信し、それを発掘して楽しむ消費傾向が広がっている。
また、フリマアプリの普及によって、1回しか着ていないアイテムをそのままアプリで売るなど、新しい消費トレンドを生み出している。
楽天市場で売れている特徴的な商品は、「バックシャンアイテム(背中に特徴がある商品)」「透明アイテム」「90年代ファッション」など。90年代のアイテムはファッションに限らず、タピオカなど当時のあらゆるトレンドが人気になりつつあり、「90年代にフォーカスすると、消費者が40代になり懐かしんでいる」という。
食:上陸グルメ・お家芸グルメ、食のボーダレス化が進む
海外から上陸したグルメ、日本のお家芸グルメの定番であるお茶漬けなどが人気を伸ばしている。海外グルメは毎年人気だが、和食への原点回帰現象も起きているという。
楽天市場で売れている特徴的な商品は、海外で人気のロールアイスが作れる「ロールアイスメーカー」のほか、「ロゼワイン」「高級お茶漬け」など。ロゼワインは、海外では夏に多く飲まれるが、日本でも徐々に夏の消費が伸びており、海外文化が移ってきているという。
住:ライフシフト消費、家で過ごす時間の質にこだわる
ライフスタイルや時間への価値観の変化から、自宅での過ごし方を見直すための消費として、高級寝具や調理器など、本格的な家具や家電の需要が高まっている。家事の時短ニーズ、家族や子供との時間を増やしたいという思いも背景にあると清水氏は分析する。
楽天市場で売れている特徴的な商品は、睡眠を快適にする「高級寝具」のほか、「低温調理器」「ワイヤレススピーカー」など。ワイヤレススピーカー・イヤホンの売れ行きには、ストリーミングサービスの普及が影響している。
遊:外中ボーダレス、ストレスフリーにレジャーを楽しむ
屋外レジャーと、天気に左右されない屋内レジャーのボーダレス化が進む。近年は、猛暑やゲリラ豪雨など、夏の気象が不安定であることから、より手軽にストレスフリーでレジャーを楽しむための商品を集めている。また、今年はお盆休みが長くなることから、親子三代で気軽に楽しい時間を過ごせる「外中ボーダレス」レジャーがさらに活発化すると予測する。
楽天市場で売れている特徴的な商品は、「ボードゲーム」「流しそうめん機」「バーベキューグッズ」など。自宅で友人たちとスポーツ観戦や映画を楽しむ「プライベートビューイング」のための、大型テレビ、ビールサーバーなども売れ始めているという。
驚:逆転消費、夏の時期に店頭では見つけられないアイテムを購入
夏でもチゲ鍋やおでん、編み物グッズなど、冬の商品が売れる「逆転消費」の動きがあるという。鍋やおでんは、夏の時短料理やスタミナフードとして、あったかグッズは冷房対策やDIYブームなどが背景にあると分析する。
楽天市場で売れている特徴的な商品は、腹巻きや夏ソックスなどの「あったかグッズ」のほか、「鍋」「おでん」「毛糸」など。編み物系は、冬の50%程度が売れているという。
最後に今年のトレンド発表では、ウェザーニュースの気象予測と楽天市場の購買データを照らし合わせた消費予測も紹介された。たとえば、気温が熱くなると、夏用ファッションの売れ行きが伸びる。特にメンズファッションは、熱くなるとすぐに売れてしまうという。今年は25度を超える日が多く、昨年を上回るペースで水着と浴衣も売れているという。