鳥栖 剛[執筆] 9/12 7:30

北海道・石狩エリアで9月11日から、車道を走行する無人自動配送ロボットと宅配便ロッカーを組み合わせた無人宅配の実証実験がスタートした。

ヤマト運輸と、車両型の無人自動配送ロボを開発する京セラコミュニケーションシステム(KCCS)、オープン型宅配ロッカー「PUDOステーション」を展開するPackcityJapanの3社が共同で実施する。

実証実験の内容は、「PUDO」を搭載した中型・中速無人自動配送ロボが公道を走行し、荷物の受け取り手の自宅から徒歩1分圏内の場所まで届けるというもの。走行中は遠隔で監視者がモニタリングし、状況に応じて無人自動配送ロボットを遠隔操縦する。車道実証のための許可として、北海道運輸局から保安基準緩和認定を受け北海道警察から道路使用許可を取得。石狩市の協力を得て実施する。

実施期間は9月11日から10月下旬まで。対象エリアは石狩市緑苑台東地区で、対象地域の「クロネコメンバーズ会員」宛の宅急便で実験する。クール宅急便、着払い、代金引換、120サイズ以上の荷物は対象外としている。

利用者は、①クロネコメンバーズのユーザーは荷物の配達予定通知が来たら受け取り場所を「宅配便ロッカーヤマト運輸緑苑台実証実験用」を選択②ヤマト従業員が無人自動配送ロボの「PUDOロッカー」に荷物を格納③無人自動配送ロボが走行し、受取ユーザーの自宅付近に接近したらユーザーに通知を発出④ユーザーは無人自動配送ロボの到達地点まで足を運び、PUDOロッカーの開錠操作を行う――この流れで荷物を受け取ることができる。

ヤマト運輸と、車両型の無人自動配送ロボを開発する京セラコミュニケーションシステム(KCCS)、オープン型宅配ロッカー「PUDOステーション」を展開するPackcityJapanの3社が共同で車道を走行する無人自動配送ロボットと宅配便ロッカーを組み合わせた無人宅配の実証実験をスタート
「クロネコメンバーズ」の受取場所指定変更や通知機能を用いて実験する

各社は地域特性に適した無人自動配送ロボの社会実装に向けた新たな配送サービスの実現をめざす。無人自動配送ロボットを活用した物流サービスの実用化に向けた実証実験を継続するとしている。

なお今回の実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募し、2022年6月にKCCSが採択された「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」の取り組みの一環。KCCSとヤマト運輸では2022年から中速・中型無人自動配送ロボットによる個人向け配送サービスの実証実験を行い、実用化に向けた検証を進めている。

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