3月はひな祭り・ホワイトデーなどネタが盛りだくさん~Twitter・Facebook・Instagramの投稿事例&アイデア【3月編】
みなさん、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。1年続いた本連載ですが、この3月編が最終回になります。
3月は、合格発表や卒業式、ホワイトデーなどで泣き笑い、人によっては花粉症で涙が止まらないシーズンですが、下旬になれば待ちに待った桜開花の便りが、日本中を癒やしてくれることでしょう。今回のテーマは、そんな浅春・3月。「ひな祭り」「ホワイトデー」のシーズンに参考にしたいSNS投稿事例とアイデアを紹介します。
その前に、今年の投稿案(1月・2月)が全然できていない! と焦り気味の方は、前回までの記事をぜひ参考にしてみてください。
- ひな祭り
- ホワイトデー
- 3月の投稿ネタ(一例)
2019年3月ならではのトレンド予測
新しい記念日にもいち早く注目を
「語呂合わせ&食べ物」の記念日は世界共通
何を投稿すべきか、企業の方針をしっかり決める
3月にSNSを彩るのは「ひな祭り」「ホワイトデー」ですね。他にも卒業シーズンや桜など、春らしさを感じさせる投稿がみなさんのタイムラインにもあふれることでしょう。
そして、3月といえば、忘れてはならない「東日本大震災」が発生した3月11日がやってきます。復興への努力が今も続いているなか、この日はSNS投稿をしない方針の企業・団体も多いかと思いますが、今回は「3月11日だからこそ投稿するケース」も紹介していきます。
Facebook
拡大して見たい! イラストで表現した「ひな祭り」
最初に紹介するのは、2018年の「ひな祭り」に、ユーモアあふれるイラストを使ってファン・フォロワーを楽しませることに成功した投稿例です。
2018年3月3日にJALがFacebookに投稿したのは、随所にJALの機材やマークが使われ、人形(?)がすべてJALの女性社員という、ユーモアあふれる七段飾りのひな人形でした。
JALでは、ほぼすべての投稿に「写真」を使っていますが、数か月に一度ほどのペースでYu Suda氏のイラストを使って投稿しています。伝統的日本画とポップなイメージが融合したイラストはファンからの評判も良く、JALのイメージアップにもつながっているようです。
普通のひな飾りかと思いきや、現場で活躍している機材が描かれていたり、1人ひとりの面白い動きが細かく描かれていたりと、手が込んだイラストに仕上がっているため、つい拡大して隅々まで見入ってしまうファンが多かったことと思います。
実際、好意的なコメントも多く寄せられています。加えて、適切に返信するSNS担当者の姿勢が、さらに好印象を与えている事例だといえるでしょう。
Instagram
「インスタ映え」より大切なこと
続いて紹介するのは、忘れてはならない3月11日(東日本大震災)の投稿例です。
2018年3月11日にJリーグの公式アカウントがInstagramに投稿したのは、2011年に発生した東日本大震災の被災地にエールを送る、サポーターたちの姿でした。試合での敵・味方という立ち位置を超えてエールを送り合う姿に、「感動した」「素晴らしい」など多くのフォロワーから好意的な反応が集まっていました。
3月11日(東日本大震災)以外にも、8月6日や8月9日など、災害や戦争、事件事故などで「多くの人が悲しい記憶を呼び起こされる日」が存在します。SNS運用担当者としては、具体的な日付だけでなく「どんな日なのか」についても理解しておきたいものです。
一番やってはならないのは「その日が何の日かを知らずに(忘れて)、『不謹慎』『無神経』と思われるような投稿をしてしまう」ことでしょう。これは最悪の場合「炎上」を引き起こしかねません。
また、これまで復興支援に関わる活動やSNS投稿をしたことがなかった企業が、突然応援メッセージを投稿するのも「不自然」です。善意だったとしても、「偽善者」と揶揄される危険性があります。
「自社のSNSアカウントは、客観的にどう見られているか?」を日頃からよく調べ、こうした「悲しい記憶をともなう日」に投稿すべきかどうか、慎重に判断しましょう。迷うようなら「その日は投稿しない」ことも英断でしょう。
Twitter
「公式」+「愛すべき人間性」=「中の人」はこうして腕を磨いていく
次の事例は、「ホワイトデー」に投稿されたTwitterらしい内容です。
#ホワイトデー に、ノザキのコンビーフをおすすめしても響かないことは重々分かっているのですが一応おすすめしておきます
— ノザキ(ノザキのコンビーフ)【公式】 (@nozaki1948) 2018年3月14日
_人人人人人人人人人人人人人_
> ホワイトデーのお返しに <
> コンビーフはいかがですか <
 ̄YYYYYYYYYYYYY ̄ pic.twitter.com/O7V6V7vkPm
2018年3月14日にノザキのコンビーフ公式がTwitterに投稿したのは、コンビーフと白いチーズをはさんだハンバーガーの写真でした。さらに約20分後には、プレゼントを「渡す際のセリフ」案も続けてツイート。
「ホワイトデーにはコンビーフを」という、強引な内容だったものの、多くのファンから共感の声や面白さを賞賛するコメントが寄せられていました。
普段からチャレンジ精神旺盛で、時々誤字などのミスもする「中の人」のキャラクターが、ファンに愛され、受け入れられていることが返信欄のやり取りからも見てとれます。一朝一夕には真似できない投稿例の1つだといえるでしょう。
シャープ、タニタ、キングジム、東急ハンズ……。もはや枚挙に暇がないほど、Twitterでの「中の人」らの人気ぶり・活躍ぶりはご存じのことと思います。
いずれの方も「企業の公式アカウント」としての節度も保ちつつファン・フォロワーとの関係構築に尽力しており、一見楽しそうに見えます。しかし実は、「トレンド把握」から「高度なテキストコミュニケーション」まで、かなり大変な業務をこなしているといえるでしょう。
いわゆる「中の人」たちの話によれば、炎上や誤爆などの失敗を経験し、それを乗り越えてきた人も多いようです。また、大切なこととして「目的意識」+「自社・自社製品・サービスへの愛」+「自分が楽しむこと」を挙げる方が多いので、彼らを目指す方はぜひご参考に。
3月の投稿ネタ(一例)
「2019年3月ならではのトレンド予測」「新しい記念日にもいち早く注目を」「『語呂合わせ&食べ物』の記念日は世界共通」
ここまで、3月の記念日などに絡めた投稿事例を紹介してきました。ここからは、その他のイベントやニュースネタをいくつか紹介します。
今回が最後ですが、「ファンを楽しませる投稿」=「ネタ」×「自社情報」(ネタと自社情報をからめる)であることを、これからも忘れないでください。
2019年3月ならではのトレンド予測
フジテレビが、開局60周年を迎えます。すでに発表されているものもありますが、開局60周年記念番組や特別企画ドラマなどが企画・放送されることでしょう。
埼玉県飯能市宮沢湖周辺にムーミン一家とその仲間たち、そして新しい発見に出会えるムーミンバレーパークがオープン予定です。こどもから大人まで、ファンの多いムーミンの世界を体験できるテーマパークとして、マスメディアでもSNSでも話題になると思われます。
岩手県の盛(さかり)駅と久慈駅を結ぶ三陸鉄道リアス線が2019年3月23日に開業予定です。現行の北リアス線と南リアス線の間にある宮古~釜石間はJRの路線(JR山田線)でしたが、東日本大震災で被災し不通になっていました。復旧後は、三陸鉄道への移管が決まっており、復興のシンボルとしても注目を集めそうです。
大規模改修工事のため現在休館中の東京都現代美術館が、3月下旬にリニューアルオープン予定です。また、2つのリニューアルオープン記念展の開催が発表されました。約3年の休館中に、新たに300点ほどの作品が収蔵されたそうで、美術ファンを中心に話題になりそうです。
新しい記念日にもいち早く注目を
日本には記念日が数多くあり、なかには長い歴史を持ちしっかり根付いている記念日もあれば、まさに「生まれたてほやほや」の記念日もあります(人知れず消えてゆく記念日も)。
2018年も、さまざまな記念日が誕生しました。SNS運用担当者のみなさんはぜひ、ファン・フォロワーよりも先に、こうした真新しい記念日を把握して、投稿ネタに活用してはいかがでしょうか。
日本労働組合総連合会が2018年に制定。すべての職場でより良い働き方を実現するために、長時間労働の是正に向けた機運をはかり、多くの人に「働き方」や「働くこと」について考えてもらうのが目的。日付は労働基準法第36条に規定されている「時間外・休日労働に関する協定」が「36(サブロク)協定」と呼ばれていることから。
2018年12月に制定されたばかりなので、2019年3月6日が記念すべき初回となります。こうした目新しさを感じさせるネタは、ファン・フォロワーに「知らなかった!」という驚きを与えるとともに、「他の人にも教えたい」という感情を持ってもらいやすいものです。
ビジネスパーソンに向けて、「仕事の効率を上げる/オフィスを快適にする/集中力強化やリラックスに効果がある」グッズなどの紹介や、「オフタイムの過ごし方提案」「自社の“働き方”改善への取り組みご紹介」など、さまざまな切り口からの投稿案を考えてみましょう。
「語呂合わせ&食べ物」の記念日は世界共通
ひな祭り、卒業式、ホワイトデー、春分の日など、イベントが多い3月には、記念日もいろいろあります。今回ピックアップした記念日を総称するなら「語呂合わせ&食べ物」記念日でしょうか。
こうした記念日の作り方は海外でも同様らしく(例:3月14日は「円周率(π)の日」)、国内の記念日だけでは物足りなくなったら、海外の記念日を調べてみるのもいいでしょう。
- さかなの日(3月7日)
さかなジャパンプロジェクト推進協議会が制定。和食の中心食材となる魚介類をもっとたくさん食べてもらい、魚介類を身近に感じてもらうのが目的。日付は、魚を食べることを提案する「3(さ)か7(な)」の2日間を合わせたもの。
- メンチカツの日(3月7日)
各種冷凍食品の製造販売を手がける「味のちぬや」が制定。関西ではメンチカツのことをミンチカツと呼ぶ地域があり、「3・7(ミンチ)」と読む語呂合わせから。受験シーズンの3月、メンチカツを食べて受験に勝ってほしいという願いも込められている。
- サバの日(3月8日)
サバを専門に取り扱う「鯖や」が制定。より多くの人にサバに興味・関心を持ってもらい、サバの普及率を高めることが目的。日付は、「3・8(サバ)」と読む語呂合わせから。
- 円周率(π)の日/数学の日(3月14日)
海外では、3月14日は「ホワイトデー」ではなく「円周率の日」だそうです。円周率の近似値の上3桁「3.14」が由来の記念日で、日本では日本数学検定協会が「数学の日」として制定。円周率=π(パイ)にからめて、パイを作ったり食べたりして祝う人も多いようです。
- キャンディーの日/マシュマロデー/さーたーあんだぎーの日など(3月14日)
3月14日は、「ホワイトデー」のギフトとしての普及・定着の願いを込めて、キャンディー、マシュマロ、さーたーあんだぎーなどお菓子類の記念日が集中しています。
毎月チェックしよう!偉人の誕生日
「偉人・有名人の誕生日」も良質な投稿ネタになります。その功績やエピソードなどをよく調べ、自社のブランド・商品・サービスなどにからめられないか頭をひねりましょう。
説明不要な、名だたる偉人たち(3月生まれ限定)を抜粋してみましたが、その多さに驚かれるのではないでしょうか。だれもが知る偉人の誕生日以外にも、「自社のマスコット・イメージキャラクターなどの誕生日」「CM出演などで関わりのある芸能人の誕生日」「漫画・アニメ・ゲームの人気キャラクターの誕生日」なども、投稿ネタとして有効です。ぜひ検討してみましょう。
- 1日:ショパン(作曲家)、芥川龍之介(小説家)
- 3日:ベル(発明家)
- 4日:ヴィヴァルディ(作曲家)
- 5日:メルカトル(地図学者)
- 6日:ミケランジェロ(芸術家)
- 8日:水木しげる(漫画家)
- 9日:ガガーリン(宇宙飛行士)
- 10日:山下清(画家)
- 12日:勝海舟(政治家)
- 13日:高村光太郎(彫刻家)
- 14日:アインシュタイン(理論物理学者)
- 17日:ダイムラー(発明家)
- 18日:ディーゼル(ディーゼルエンジン発明者)
- 21日:バッハ(作曲家)
- 22日:草間彌生(芸術家)
- 23日:黒澤明(映画監督)、北大路魯山人(陶芸家)
- 25日:樋口一葉(小説家)
- 26日:エンゲル(統計学者)
- 27日:レントゲン(物理学者)
- 30日:ゴッホ(画家)、ゴヤ(画家)
- 31日:ハイドン(作曲家)、デカルト(哲学者)
SNS運用を続けるための「コンテンツカレンダー」
2018年4月編~2019年3月編まで合計12回に渡り、Twitter・Facebook・Instagramの投稿事例&アイデアをお届けしてきました。当連載は今回で終わりますが、みなさんの企業・団体のSNSアカウント運用はまだまだ続きます。
これからは、毎月の「コンテンツカレンダー」をみなさんが自らアップデートし、ファン・フォロワーに喜んでもらえるようなSNS投稿を続けていただければと願っています。
最後に、毎月の投稿ネタ探しに役立つサイトなどをいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。もし、4月から組織変更・担当変更が予定されているという方は、SNSアカウント運用が無事に続くよう、当連載のバックナンバーを後任者への引継ぎ資料にぜひ記載されることをお勧めします。
- 自社の情報
ニュースリリース予定(新商品・新サービス・新拠点など)
創立記念日
主力商品、人気商品の誕生日(発売記念日) - 内閣府「『国民の祝日』について」
法律で定められている「国民の祝日」の日程やその目的、また「新設・変更」などの情報も確認することができます。
- Twitterモーメントカレンダー
Twitter上で盛り上がるモーメントをまとめたカレンダーがダウンロードできます。
- 一般社団法人 日本記念日協会
企業、団体、個人などによってすでに制定されている記念日、新しく制定した記念日についての認定と登録を行っている「日本記念日協会」のWebサイトです。
- なるほど統計学園「今日は何の日?」
総務省統計局が運営しているWebサイトです。読み物としても楽しめますが、SNS運用担当者にはネタの宝庫といえるでしょう。
- この日何の日カレンダー
筆者の所属会社が提供するコムニコ マーケティングスイートのライブラリ機能で提供しているカレンダーです。毎月の記念日や、過去の出来事、未来の予定をExcel形式で毎月更新しています(ツール利用者限定ですが、無料体験版でも利用できます)。
オリジナル記事はこちら:3月はひな祭り・ホワイトデーなどネタが盛りだくさん~Twitter・Facebook・Instagramの投稿事例&アイデア【3月編】(2019/01/16)
◎この記事は、姉妹サイト「Web担当者Forum」で公開された記事を転載したものです。