楽天グループ株式会社- 伝統を重んじる20代の増加など若者の「和好み(なごみ)化」が加速 -
https://insight.rakuten.co.jp/news/20260515.html 楽天インサイト株式会社(以下「楽天インサイト」)は、年に1回実施する大規模調査「アスキングビッグデータ」(各年約40万人規模)を用いて、20代の「生活意識」を2024年版~2026年版の3年間で比較し、意識変容の傾向をまとめた結果を発表しました。
今回の発表では、全国の15~79歳を対象に実施した「生活意識調査」(2024年版~2026年版、各年約40万人)を基に、20代で統計的に有意な差が見られた項目を抽出し、3つのトピックとして紹介します。あわせて、楽天インサイト シニアデータアナリスト 末永 幸三が背景を解説します。
■□ 調査結果サマリー □■トピック1: 昔からの伝統を重んじる20代が増加 - 若者の「和好み(なごみ)化」 「昔からの伝統を重んじている」と回答した人は、世代別でみると20代が最も伸びが大きく、2024年版から2026年版で4.3ポイント増加しました。近年、歴史・伝統を題材にしたコンテンツの広がりや、訪日外国人からの評価を受けて、自身のルーツやアイデンティティを見直す動きが背景にある可能性があります。
トピック2: 「株・投資」にお金をかけている20代が増加 - コスパ・タイパに続く若者の「インパ」 「お金をかけていること」で「株・投資」と回答した人は、世代別でみると20代の伸びが最も大きく、2024年版から2026年版で1.8ポイント増加しました。さらに20代で「株・投資」を挙げた人は、健康管理や知識習得など「将来に向けた自己投資」にも積極的な傾向がみられました。
トピック3: 話題のサプリメントを積極的に試す - 20代の健康商品に関する購入意識が増加 20代で「話題の健康食品やサプリメントがあると積極的に試す」と回答した人は、2024年版から2026年版で2.6ポイント増加し、「健康に良い商品やサービスなら、値段が高くても構わない」と回答した人も1.8ポイント増加しました。いずれも世代別で伸びが最も大きく、健康関連商品の「試す・続ける」意向が強まっていることがうかがえます。
■□ 調査結果 □■トピック1:昔からの伝統を重んじる20代が増加 - 若者の「和好み(なごみ)化」 「昔からの伝統を重んじている」と回答した人を世代別にみると20代が最も伸びが大きく、4.3ポイント増加しました(2024年版: 38.7%/2026年版: 43.0%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)。また、余暇意識について「その土地の歴史や文化についてよく知りたい」と回答した20代は2.3ポイント増加しており(2024年版: 46.2%/2026年版: 48.5%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)、近年の歴史や伝統を題材にした映画がヒットしたことや、訪日外国人の評価から自分たちのルーツやアイデンティティを再確認したことで、20代を中心に日本の文化や伝統への興味関心が高まっていることが考えられます。

【解説: 楽天インサイト シニアデータアナリスト 末永 幸三】現代の感性や生活文脈で再解釈・再構築される若者の「和好み化」 たとえば、歌舞伎の世界を描いた映画や大正時代を舞台にした作品など、伝統文化や歴史に触れるコンテンツが幅広い世代で視聴される機会が増えています。また、若者が深大寺(調布市)に押し寄せるなど、歴史ある神社仏閣のたたずまいに魅了されるケースもみられます。加えて、若者による古民家リノベーションを通じた「和」の体験など、伝統や価値観を再評価する動きがライフスタイル領域にも広がっています。こうした動きの背景には、グローバル化が進む中で、自分たちのルーツやアイデンティティを再確認したいという若者の意識の表れがある可能性が考えられます。大量生産・大量消費の時代を経て、手仕事の温かさや歴史に裏打ちされた「本物」の価値を見直すとともに、ストレス社会において落ち着きや癒しをもたらす要素として「和」を取り入れているのではないでしょうか。
今後は、伝統的な価値をそのまま守るだけではなく、現代の感性や生活文脈に合わせて再解釈・再構築することが重要になると考えられます。和の要素をライフスタイルやファッションに取り入れる「自己表現としての和」、あえて手触り感やアナログ性を取り入れることで体験価値を高める「デジタル×アナログの融合」、古いものを現代的に編集し直す「伝統再編集型プロダクト」など若者の「和好み化」を捉えた取り組みが、今後の商品・サービスの競争力につながる可能性があります。
トピック2: 「株・投資」にお金をかけている20代が増加 - コスパ・タイパに続く若者の「インパ」 お金をかけていることについて「株・投資」と回答した人を世代別にみると20代の伸びが最も大きく、1.8ポイント増加しました(2024年版: 15.4%/2026年版: 17.2%)。「株・投資」と回答した20代と20代全体を比較すると、自己投資に関する質問では「知識を増やし、教養を深めることに関心がある」では12.3ポイント(お金をかけていることは「株・投資」: 79.9%/20代全体: 67.6%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)、「お金をかけていること 自分自身の習い事・自己啓発」では6.5ポイント上回っていることがわかりました(お金をかけていることは「株・投資」: 13.9%/20代全体: 7.4%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)。さらに、健康意識に関する質問では、「日ごろから運動をして、健康管理に努めている」では10.9ポイント(お金をかけていること「株・投資」: 57.7%/20代全体: 46.8%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)、「健康に良い商品やサービスなら、値段が高くても構わない」では8.5ポイント上回っています(お金をかけていること「株・投資」: 49.3%/20代全体: 40.8%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)。


【解説: 楽天インサイト シニアデータアナリスト 末永 幸三】若者の消費は、投資効率を重視する「インパ(インベストパフォーマンス)」へ 生活意識データの3ヵ年比較から、若者を中心に投資意欲が高まっている傾向が確認されました。特に、投資意欲の高い人ほど、自己投資や健康への投資にも積極的である点が特徴として見られています。また、Z世代を中心に、再販価値(リセールバリュー)を重視する意識が7割を超える水準に達していることが報告されており、外部データからも同様の兆しが確認されています(注1)。
こうした結果から、若者の消費行動は従来の「安さ」を重視する選択から、将来の価値や回収可能性を意識した選択へと移行しつつあると考えられます。こうした背景をふまえると、20代を中心に行動や消費の判断様式そのものが投資マインドに近づいている可能性がうかがえます。
今後、若者の選択・判断基準として、ROI(投資に対する成果・回収)を意識した判断がより重要になっていく可能性があります。コストパフォーマンス(コスパ)やタイムパフォーマンス(タイパ)といった指標に加え、投資効率を重視する「インパ」(インベストパフォーマンス)へと関心が広がっていく可能性も考えられます。その結果、「安い」という理由だけでなく、「将来どのような価値が得られるのか」「どのように回収できるのか」を示せない商品やサービスは、購入候補に入りにくくなることも想定されます。
トピック3: 話題のサプリメントを積極的に試す - 20代の健康商品に関する購入意識が増加 20代の「話題の健康食品やサプリメントがあると積極的に試す」が2.6ポイント増加(2024年版: 28.8%/2026年版: 31.4%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)。さらに「健康に良い商品やサービスなら、値段が高くても構わない」が1.8ポイント増加となり(2024年版: 39.0%/2026年版: 40.8%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)、20代の健康商品に対する購入意識が増加傾向にあることがわかりました。
また、20代の2026年版「サプリメントや健康食品をよく利用する」(39.9%、「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)は世代別でみて最も高いことから、今後消費行動につながる可能性の高い層であることがうかがえます。

【解説: 楽天インサイト シニアデータアナリスト 末永 幸三】若者の健康関連商品への関心の高まりを支える購入判断は「投資フォーマット」に近づく兆し 生活意識データの3ヵ年比較から、若者の健康食品や健康関連商品への関心が高まっている傾向が確認されました。特に「サプリメントや健康食品をよく利用する(「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)」は39.9%と全年代で最も高いスコアとなっており、今後の消費行動につながる可能性の高い層と判断できます。
このように健康関連商品に積極的な姿勢が見られる一方で、実際に若者に支持されている商品・サービスをみると、疲労回復を促す「リカバリーウエア」、身体の状態を数値化できる「スマートデバイス」、目標に合わせてメニューを設計する「パーソナルジム」、簡便に栄養を補える「完全栄養食」などが挙げられます。これらの商品・サービスに共通する購入判断のポイントとしては、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスに加え、成果の可視化(KPI)や効果の確実性、短期ゴールの設定といった要素が共通しています。
言い換えれば、タイパ(=どれくらい早く効果を体感できるか)、コスパ(=投じたお金や手間に対する成果)、KPIの見える化(=成果が測れて納得できるか)、短期ゴール(=小さく試して継続・切り替えを判断できるか)といった判断様式そのものが、「投資フォーマット」に近づいている兆しと解釈することができます。こうした背景をふまえると、今後の若者向け健康商品においては単なる効能説明ではなく、「成果が見える」「回収が早い」「失敗しにくい」ことを前提とした投資設計(KPI設計・短期ゴール設定)がより重要になっていく可能性があると考えられます。
本レポートの経年比較では、統計学的な分析(有意水準1%検定)で有意な差があるものを変化として捉えています。調査結果の詳細レポートは、 楽天インサイトのアンケートシステム「RaQs2」へログインしてダウンロード、または、「RaQs2」アカウントがない場合は、楽天インサイトへ問い合わせをすることで指定するページから無償でダウンロードすることが可能です(注2)。これにより、企業が生活者ニーズの多様性を捉えた効果的なマーケティング活動を行うための一助となることを目指しています。
(注1)2025年8月8日/株式会社コメ兵「リユースに関する実態調査」
(注2)「RaQs2」アカウントがない場合の調査結果に関する詳細レポート問い合わせ先: research-sales@mail.rakuten.com
【調査概要】調査エリア: 全国
調査対象者: 15歳~79歳 男女
回収サンプルサイズ:
2024年版: 485,370サンプル
2025年版: 401,156サンプル
2026年版: 378,424サンプル
調査期間:
2024年版: 2023年11月28日(火)~2023年12月25日(月)
2025年版: 2024年11月28日(木)~2024年12月18日(水)
2026年版: 2025年11月26日(水)~2025年12月23日(火)
調査実施機関: 楽天インサイト株式会社
■楽天インサイト株式会社 シニアデータアナリスト 末永 幸三プロフィール前職は総合広告代理店に勤務し、ストラテジックプランニング、R&Dに所属。入社から生活者研究を中心に従事。 特にシニアビジネスに注力し、シニアターゲット攻略の研究やツール開発、シニアターゲットの商品開発、コミュニケーション開発のプランニング業務などを行う。現在は楽天インサイトで「アスキングビッグデータ」の企画開発や提案サポート、社外セミナーの講師などを担う。
【執筆】「3000万人100兆円シニア市場と絆ダイレクトマーケティング」文芸社(2018年1月)、「健康消費に最も敏感なシニアのタイプは : 60代シニアの消費の差は「価値観」の差(続編)」日経消費インサイト(2014年3月)など。
■「生活意識」に関する「アスキングビッグデータ」について「アスキングビッグデータ」は、「生活意識」「カテゴリ」「ブランド」「デジタルメディア」について収集する大規模調査結果のデータベースです。「生活意識」に関する「アスキングビッグデータ」は、生活者を網羅的に理解するために、約40万人から意識領域、行動領域、メディア接触領域に関する約240の意識項目を収集しています。調査は毎年1回実施し、ユーザーから取得した生活意識データを楽天インサイトが実施するその他調査結果などと連携することで、「どのような人が」「なぜその行動を取ったのか」などの多様なニーズを捉えることができます。
■アスキングビッグデータによる20代のプロファイリングアンケート調査結果から人物像をプロファイリングする「楽楽プロファイル」を用いて本調査データの2026年版を読み取り20代女性と20代男性のプロファイリングを生成しました。その結果、20代女性では未婚・個人年収400万円未満・趣味はライブ/コンサート・お金をかけていることは美容/化粧といった特徴がみられました。また20代男性では、未婚・個人年収400万円~800万円未満・趣味はアニメ・お金をかけていることは株/投資などの特徴がみられました。
・20代女性


・20代男性


以 上
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