生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%

Macbee Planetの調査で、生成AI活用の効果は「業務効率化」が34.6%、「マーケティングKPI」が27.3%と、施策単位の改善が先行している実態が明らかになった。一方で、売上や利益など事業成果への貢献を実感する層は約4人に1人にとどまった。

鳥栖 剛[執筆]

9:00

マーケティング支援を手がけるMacbee Planetは9月3日、企業でマーケティングや宣伝に携わり、直近12カ月に業務で生成AIを利用した担当者1037人を対象に「生成AIの事業成果への貢献調査」を実施した。生成AIの貢献として最も多かったのは「業務効率化」の34.6%で、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%で続いた。一方、売り上げや利益、LTV(顧客生涯価値)など事業成果への貢献を実感している割合は約4人に1人にとどまる。それでも今後12カ月で生成AI関連投資を増やす、または新たに始める予定の企業は約9割に達しており、企業のAI活用は「導入」から「成果の検証と事業実装」の段階へ進みつつある。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
生成AIの貢献として「業務効率化」「マーケティングKPIに貢献」

最も多い成果は「業務効率化」、事業成果への貢献は24.1%

調査では、生成AIの活用による貢献段階として「業務効率化に貢献」が34.6%で最も高く、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%で続いた。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
最も多い成果は「業務効率化」、事業成果への貢献は24.1%

一方、「短期的な事業成果に貢献」は15.5%、「中長期的な事業成果に貢献」は8.6%だった。短期的・中長期的な事業成果への貢献を合計すると24.1%となる。売り上げや利益、LTV、継続率など、企業の事業成果まで生成AIの効果が及んでいると実感する企業は約4人に1人という結果だ。

生成AI活用では、まず作業工数やコストの削減、広告効率の改善、リード獲得といった施策単位で成果が現れやすく、企業業績への波及については、まだ発展途上にあることがうかがえる。

BtoCはマーケティングKPI、BtoBは短期的な事業成果で差

BtoC企業とBtoB企業では、成果の現れ方にも違いが見られた。「マーケティングKPIに貢献」と回答した割合は、BtoC企業が30.1%で、BtoB企業の24.4%を上回った。一方、「短期的な事業成果に貢献」はBtoB企業が18.8%となり、BtoC企業の12.4%より高かった。顧客層やマーケティング・営業活動の違いが、生成AI活用による効果の現れ方にも影響している可能性がある。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
BtoCはマーケティングKPI、BtoBは短期的な事業成果で差

ROIを含む効果測定はBtoC企業が先行

効果測定の面では、BtoC企業がBtoB企業を上回った。生成AI活用の効果について、「投資額と成果をひも付け、ROIを含めて定量的に把握している」と回答した割合は、BtoC企業が21.2%、BtoB企業が11.9%だった。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
ROIを含む効果測定はBtoC企業が先行

社内への成果説明についても、「定量的な根拠をもって十分に説明できている」または「一部の成果については説明できている」と回答した割合は、BtoC企業が74.1%、BtoB企業が60.0%となった。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
社内に成果を説明できている割合はBtoC企業の方が高い結果に

一方、BtoB企業では「成果の実感はあるが、客観的な説明は難しい」とする回答が29.9%に上っている。生成AIの効果を感じながらも、それを定量化し、投資判断や社内説明につなげることに難しさを感じる企業も少なくないようだ。

活用領域は「文章・資料作成」「データ分析・顧客理解」が上位

生成AIの活用領域では、「文章・資料の作成」が45.6%で最も高く、「データ分析・顧客理解」が43.3%、「マーケティング戦略・企画立案」が38.8%で続いた。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
生成AIの活用領域は「文章・資料作成」「データ分析・顧客理解」が上位

企業属性別では、BtoC企業で「クリエイティブ生成」や「広告配信・運用の最適化」の割合が相対的に高かった。一方、BtoB企業では「文章・資料の作成」「データ分析・顧客理解」の割合が高い傾向が見られた。

生活者向けの広告やクリエイティブ施策が中心となるBtoCと、営業資料の作成や顧客分析の比重が大きいBtoBでは、生成AIの活用領域にも違いが生じている。

最大の課題は「セキュリティ・法務・運用ルール」

生成AIを事業成果につなげるうえでの課題としては、「セキュリティ・法務・運用ルールの負担」が32.9%で最も高かった。次いで、「社内のAI人材・ノウハウ不足」が32.1%、「AIの出力品質・精度が不安定」が28.8%となった。また、「KPI・効果測定の設計が不十分」とする回答も26.6%に上った。生成AIを業務で使う環境を整えるだけでなく、その効果をどのように測定し、事業成果と結び付けるかも課題になっている。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
最大の課題は「セキュリティ・法務・運用ルール」

現在、企業が整備・実施している取り組みでは、「社内ガイドライン・利用ルールの整備」が33.4%で最も多く、「社内研修・ナレッジ共有」が31.1%、「具体的なKPI・成功条件の設定」が30.3%、「専任担当・推進チームの設置」が30.0%で続いた。一方、「計測環境・データ連携」は26.6%、「経営層の推進・後押し」は23.4%にとどまった。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
ルール整備や研修が先行し計測環境や経営層の後押しは2割台にとどまる

利用ルールや人材育成、推進体制の整備が進む一方、生成AIの成果を継続的に測定する環境や、全社的な推進体制については、整備途上の企業も多いとみられる。

ROIを把握できなくても9割近くが生成AI投資を拡大

そんな中でも生成AIへの投資意欲は依然として高い。今後12カ月の生成AI関連投資について、投資を増やす予定の企業と新たに投資を始める予定の企業を合わせると88.4%に達した。投資額の増加幅では、「10%以上20%未満増加予定」が37.5%で最も多かった。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
ROIを把握できなくても9割近くが生成AI投資を拡大

ROIを十分に把握できていない層でも、88.2%が投資増加または新規投資を予定していた。一方、ROIまで把握している層では97.0%が投資拡大を予定している。

生成AIは事業にどう貢献している? 「業務効率化に貢献」が34.6%、「マーケティングKPIに貢献」が27.3%
ROIを十分に把握できていない層も9割弱が投資増加・新規投資を予定

生成AIの効果を十分に定量化できていない企業でも投資拡大を続ける一方、ROIを把握できている企業ほど次の投資にも積極的という結果になった。

調査結果からは、生成AI活用が「導入するかどうか」の段階から、「どの業務やKPIに効果があり、それを事業成果としてどう測定するか」という段階へ移行しつつある様子が見える。

EC事業者やマーケティング担当者にとっても、コンテンツ制作や業務効率化だけでなく、広告効率、CVR、LTVなど、どの指標に生成AIが寄与したのかを把握する仕組みづくりが、今後の活用を左右しそうだ。

調査概要

  • 調査名:マーケティング担当者1,037名の生成AIの事業成果への貢献調査
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2026年7月28~29日
  • 有効回答数:企業でマーケティング業務に従事する担当者1037人(BtoC企業525人/BtoB企業512人)
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