日本直販がファンコミュニティを始める理由とは? 「好き」「推し」の商品・サービスを共創へ

日本直販が、生活者の「好き」「推し」を起点にしたファンコミュニティを立ち上げた。クオンと連携し、日常の会話や共感から得た声を商品開発やサービス改善につなげる。

鳥栖 剛[執筆]

7:30

日本直販が、顧客との継続的な接点づくりに向けてファンコミュニティを立ち上げた。ファンコミュニティの構築・運営を手がけるクオンと連携し、生活者の「好き」「推し」を起点に会話や共感を生み出すオンラインコミュニティを9月3日に開設した。

日本直販がファンコミュニティを始める理由とは? 「好き」「推し」の商品・サービスを共創へ
日本直販はクオンと連携し「好き」「推し」を起点とするオンラインコミュニティを開設した

商品情報を一方的に届けるのではなく、生活者同士の自然な会話から生まれる声や気づきを、商品・サービスの改善や新たな企画、コンテンツ開発などにつなげる考えだ。

開設したのは「日本直販 これ好き!これ推し!コミュニティ」。エンタメ、食、健康、旅行などをテーマに、参加者が日常の関心ごとや推しているもの、気になっていることを投稿し、他の参加者と語り合える場として運営する。

日本直販がファンコミュニティを始める理由とは? 「好き」「推し」の商品・サービスを共創へ
「日本直販 これ好き!これ推し!コミュニティ」の画面イメージ

日本直販で販売する商品カテゴリーを起点にコミュニティを設計していないのが特長。特定の商品やブランドのファンを集めるのではなく、生活者の日常にある「好き」「推し」や関心ごとを起点に会話を生み出し、そこから新たな顧客接点を広げていく。

日本直販は、従来の総合通販企業から、「エンタメ、グローバル、DX」を軸とする総合サービス企業への転換を進めている。今回のコミュニティも、その変革を支える新たな顧客接点の1つと位置付ける。

参加者同士の会話を通じて、新しい商品やサービス、コンテンツとの出会いを生み出すとともに、そこで得られた生活者の声を今後の事業にも生かしていく考えだ。

開設の背景には、EC市場の拡大による競争環境の変化と、顧客接点の多様化がある。経済産業省の「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は前年比5.1%増の26兆1225億円。物販系分野では市場規模が15兆2194億円、EC化率は9.78%まで拡大している。

オンラインで商品を購入できる選択肢が増えるなか、企業にとっては購入時だけの接点では、継続的な関係を築きにくくなっている。

日本直販は、商品を購入する瞬間だけでなく、購入前の興味・関心や、購入後の楽しみ方も含めて生活者との関係を築く必要があると考え、コミュニティという形で日常的な接点づくりに乗り出した。

今回のコミュニティでは、近年広がる「推し活」にも着目している。野村総合研究所の推計によると、2025年3月時点の推し活市場規模は約3.8兆円、「推し活」をする人は約2600万人にのぼるという。

「好きだから話したい」「誰かと共有したい」「応援したい」といった感情は、特定の商品カテゴリーやコンテンツに限らず、生活者の消費行動にも影響を与える。日本直販は、こうした生活者の熱量そのものをコミュニティの出発点に据える。企業が商品を提示し、顧客が購入するという一方向の関係ではなく、参加者同士の会話や共感から新しいニーズや企画の種を見つけ出す狙いがある。

コミュニティの構築・運営では、企業や自治体のファンコミュニティ支援を手がけるクオンのノウハウを活用する。クオンは、生活者同士の自然な交流から生まれる声や共感を可視化し、商品開発、サービス改善、マーケティングなどに生かす支援を行っている。

日本直販は、自社が培ってきた販売ノウハウや顧客接点と、クオンのコミュニティ運営・分析の知見を組み合わせる。単なる会員数の拡大ではなく、生活者と長期的につながるための基盤づくりをめざす。

今後は、コミュニティ内に集まる投稿や反応をもとに、商品・サービスの改善、新商品・新サービスの企画、コンテンツ開発、ECサイトでの情報発信などへの活用を検討する。ファンが企画段階から参加する共創型の取り組みにもつなげていく考えだ。

将来的には、日本直販が取り組むエンタメ、商品開発、地域・スポーツ、海外IP、各種サービスなどもコミュニティと横断的につなぐ構想だ。生活者との会話から得た声を新たな企画や事業に反映し、その結果生まれた商品やサービスについて再びコミュニティで語り合う。そうした循環をつくることで、通販企業という枠を超えた新たな顧客接点の創出をめざす。

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