中小企業庁は6月1日、「中東情勢等を踏まえた中小企業・小規模事業者向け支援について」を更新した。中東・ウクライナ情勢や原油価格上昇の影響で、資金繰りやコスト上昇などの課題を抱える中小企業・小規模事業者に向け、相談窓口の設置をはじめ、金融支援、価格転嫁・取引適正化支援、設備投資支援などを実施している。中小企業庁は、まず最寄りの特別相談窓口への相談を呼びかけており、状況に応じた支援策を案内する。

特別相談窓口を設置
中小企業庁は、「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」を設置した。
設置先は、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、中小企業活性化協議会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、よろず支援拠点、中小企業基盤整備機構の各地域本部、全国商店街振興組合連合会、各地方経済産業局など。
中東情勢などの影響により経営環境が悪化している中小企業・小規模事業者を対象に、資金繰りや経営に関する相談を受け付ける。なお、中小企業活性化協議会には6月1日から新たに特別相談窓口を設置した。
金融支援は4本柱
金融支援では、「セーフティネット貸付」「セーフティネット保証5号」「事業再生支援」「官民金融機関への配慮要請」の4つを案内している。
セーフティネット貸付
日本政策金融公庫などが実施するセーフティネット貸付では、支援対象を拡大し、中東情勢の影響が今後懸念される事業者も利用できるようにした。
また、原油価格高騰をはじめとする原材料費やエネルギーコストの上昇の影響を受け、一定の要件を満たす事業者には金利引き下げを実施している。さらに4月1日からは、中東情勢による取引や生産の減少・停止などの影響を受けた事業者も金利引き下げの対象に加えた。
セーフティネット保証5号
全国的に業況が悪化している業種に属し、経営の安定に支障が生じている中小企業者に対しては、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で80%保証を実施する。
また、業況が厳しい業種を把握するための臨時調査も実施する。
事業再生支援
全国47都道府県に設置している中小企業活性化協議会では、中東情勢などの影響を受ける中小企業・小規模事業者を対象に、収益力改善や事業再生に向けた取り組みを支援する。
官民金融機関への配慮要請
中小企業庁は、中東情勢の影響を踏まえ、事業者の円滑な資金調達が重要だとして、関係省庁とともに官民金融機関などへ事業者支援の徹底を要請した。
価格転嫁・取引適正化も後押し
価格転嫁・取引適正化に向けては、関係業界団体などへの要請と、取引Gメンによる重点調査を実施する。
関係業界団体などへの要請
原材料価格やエネルギーコストの上昇により、中小企業・小規模事業者の収益悪化が懸念されるなかでも、賃上げの継続は重要な課題としている。
そのため中小企業庁は、適切な価格転嫁が進むよう、関係省庁とともに関係業界団体、各府省庁、地方公共団体へ協力を要請している。
特に発注者に対しては、原材料価格やエネルギーコストの上昇を十分考慮した価格決定など、適切な対応を求めている。
また、業界団体向け、府省庁向け、地方公共団体向けに加え、トラック運送業や内航海運業向けの価格転嫁徹底に関する要請文も公表した。
取引Gメンによる重点調査
新たな対応として、取引Gメンが中東情勢の影響に関する実態調査を重点的に実施し、価格転嫁の徹底を後押しする。
設備投資支援では補助金で優先採択
設備投資支援では、技術的革新性の高い製品・サービス開発などを支援する「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」において、中東情勢の影響克服に取り組む事業者を優先的に採択する。

