AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
ラクスルの調査によると、中小企業で業務にAIを使った経験がある人は7割を超える一方、積極活用層は31.0%にとどまった。代表・役員がAIを使っていない企業では、85.7%がAI活用の方針や推進体制を整えておらず、経営層の理解と実践が組織全体の活用度を左右している実態が浮かび上がった。
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ラクスルは7月9日、「中小企業のAI活用に関する実態調査」の結果を公表した。

調査によると、業務でAIを利用した経験がある人は73.3%にのぼる一方、「積極的に活用している」と回答した企業は31.0%にとどまった。特に、代表・役員がAIをまったく利用していない企業では、85.7%が「AI活用の方針も推進体制もない」と回答。経営層の理解や実践が、組織全体のAI活用を大きく左右している実態が浮き彫りとなった。

また、AI活用の浸透度には業種や企業規模による差も見られた。IT企業では53.0%が「積極的に活用している」と回答したのに対し、IT企業以外では20.0%にとどまり、33ポイントの開きがあった。

年商別では、年商3000万円未満の企業で積極活用層が21.5%だったのに対し、年商1億円以上では35.1%となり、企業規模による格差も明らかになった。

AIを使わない理由は「必要性を感じない」が最多
AIを「以前は使っていたが現在は利用していない」「ほとんど使っていない」「まったく使っていない」と回答した人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「必要性を感じない」(55.8%)だった。

これに「使いこなせる自信がない」(20.0%)、「使い方がわからない」(13.7%)が続き、スキル不足よりも、AIを導入する意義を感じられていないことが大きな障壁となっていることがわかった。
「必要性を感じない」と回答した人の職種では、「経営・経営企画」が45.3%で最多。次いで「総務・庶務・事務」(22.6%)、「IT・システム管理」(18.9%)、「人事・労務」(17.0%)、「経理・財務」(15.1%)となり、意思決定を担う層ほどAIの必要性を感じていない傾向が見られた。
また、「自分の業務にAIをどこまで組み込めるか想像・把握できているか」との質問では、「あまり把握できていない」が38.3%、「まったく把握できていない」が19.0%で、合計57.3%が具体的な活用イメージを持てていなかった。

経営層のAI活用が組織全体の取り組みを左右
役職別に「業務でAIを積極的に活用している」割合を見ると、「代表・役員」は27.2%で全役職中最も低かった。一方、「まったく使っていない」と回答した割合は22.8%で最も高く、経営層のAI活用の遅れが目立つ結果となった。
会社としてのAI活用方針や推進体制については、「特に方針はないが各自で活用している」が33.0%、「方針も推進体制もない」が29.7%、「方針はあるが推進体制は整っていない」が29.0%で、「明確な方針と推進体制がある」は8.3%にとどまった。多くの中小企業で、組織的なAI活用の基盤が十分に整っていないことがうかがえる。

さらに、代表・役員のAI活用状況と組織体制には強い相関が見られた。代表・役員がAIを「積極的に活用している」企業では、「方針も推進体制もない」と回答した割合は4.0%だったのに対し、「まったく使っていない」企業では85.7%に達した。

また、「方針も推進体制もない」と回答した企業に、自社のAI活用状況が世間や同業他社と比べて進んでいるかを尋ねたところ、「かなり遅れている」が36.0%、「やや遅れている」が14.6%で、合計50.6%が遅れを認識していた。一方、「わからない」と回答した企業も30.3%あり、他社の状況を把握できていない企業も少なくなかった。

小規模企業ほどAI人材と推進体制が不足
AIを業務フローの改善や自動化レベルまで活用できる人材が社内にいるかを聞くと、年商3000万円未満の企業では「いない」が55.4%、「わからない」が12.3%だった。

一方、年商1億円以上の企業では「いない」が33.3%、「わからない」が10.9%となり、企業規模が小さいほどAI人材が不足している傾向が見られた。
また、「方針も推進体制もない」と回答した割合は、年商3000万円未満の企業で49.2%、年商1億円以上では21.8%となり、財務基盤が小さい企業ほど、AI活用を支える人材や体制の整備が遅れている実態もうかがえた。
調査概要
- 調査期間:2026年5月29日〜6月1日
- 調査対象:従業員数2〜100人の中小企業の経営者・従業員300人
- 調査方法:第三者機関によるインターネット調査

