お取り寄せは自宅でぜいたく&ファンを巻き込むPR成功の商品が台頭。「ベストお取り寄せ大賞」から見る2022年の傾向
取り寄せ食品の情報サイト「おとりよせネット」を運営するアイランドは10月4日、「おとりよせネット」の約7000品のなかから、年間で最も優れた取り寄せ商品を決定する「ベストお取り寄せ大賞2022」を発表した。
上位選出の商品には、「ちょっとぜいたくな食品を自宅で味わいたい」という消費者心理が映し出された。また、クラウドファンディングの活用などファンを巻き込んだPRに成功している商品も選出されている。
総合大賞は「toroa(トロア)」の「とろ生チーズケーキ」。SNSの総フォロワー50万人超えの料理家である五十嵐ゆかり氏がレシピを開発したチーズケーキ。とろける口溶けが人気という。
なお、準大賞には「茶菓えん寿」の「フルーツ大福6個入り」が選ばれた。
「ベストお取り寄せ大賞2022」は、ユーザー投票、その上位品を対象に「おとりよせネット」編集部が上位10品、各部門賞(15部門)、特別賞(4商品)を選出した。
「ちょっとぜいたくな外食」を自宅で
アイランドは、気軽に外食ができる状況ではないなかで、人気店のおいしさが自宅で味わえるという嬉しさは、人気の理由の1つだと分析している。
3位に選出された、「京都 よしむら お取り寄せサイト」の「瞬そば・鴨汁そば麹漬けセット(鴨汁そば2食・ざるそば2食)」は、職人による打ち立てのそばを短時間で冷凍しており、まるでお店で食べるような味わいを自宅で楽しめるという。
4位に選出された、「たんや善治郎」の「牛たんが入りすぎてる牛たんシチュー」は大きくカットされた牛タンや濃厚なデミグラスソースが本格的な味わいだという。宮城県の人気店の商品だ。
また、素材そのものの味わいがしっかりと楽しめる商品にも注目が集まるようになっているようだ。5位に選ばれた「すっぱい林檎の専門店。」の「飲み比べが楽しいりんごジュース6本セット【B】」、7位に選ばれた「おいも屋さん ココット」の「しっとりとろけるシルクスイート 1kg(焼き芋)」、8位に選ばれた「奥出雲前綿屋」の「彩り天佑卵 10個」は、どれも素材そのものの味わいが楽しめる商品だ。
アイランドは、こうした素材への関心は、「その商品に使われている素材がどのような環境で作られているのか」といった、「SDGs」への意識の高まりにもつながっているのではないかと見ている。
ファンを巻き込む商品PRや商品開発がカギに
10位に選ばれた「特選黒毛和牛牝専門 焼肉U」の「ぶっかけコンビーフ」は、クラウドファンディングを活用することで約130万円の支援総額を達成し開発されたもの。ごはんのお供としてだけにとどまらず、調味料としても使いやすいという。
アイランドはこうした消費者傾向を踏まえて、ファンを巻き込んだ商品PRや、商品開発が、今後のECにおいてより大切なポイントになってくると指摘している。
「ベストお取り寄せ大賞2022」にあたり、「おとりよせネット」編集部の笹田幸利氏は以下のように総評した。
家で長い時間を過ごすなかで、ちょっとしたぜいたく品を取り寄せることで非日常やハレの気分を楽しむためにお取り寄せを上手に活用することが定着してきた。今年は人気料理家が開発した商品や、クラウドファンディングで実現した商品など、フォロワーや支援者のパワーでヒットにつながった商品が注目された。また、「SDGs」をキーワードに、人や環境にやさしいものを選ぶ人も増えてきた。(笹田氏)
アイランドは「ベストお取り寄せ大賞2022」を記念して、受賞商品を抽選で180人に贈呈する企画を2022年11月1日まで実施している。
調査概要
- 調査期間:2022年7月28日~8月18日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:「おとりよせネット」に掲載されている約7000品から年間閲覧数ランキングを作成し、投票対象となるノミネート商品を選出。全15部門158商品
- 有効投票数:5016票(「食べてみたい!」と思ったお取り寄せ品に投票)