ていねい通販の「すっぽん小町」、ユーザー数385万人突破+定期購買継続率は90%超の秘訣とは?
健康食品・化粧品の通販ブランド「ていねい通販」の生活総合サービスは、主力商品のすっぽんサプリ「すっぽん小町」の累計出荷数が2640万袋、ユーザー数が385万人を超えた。ロングセラーの要因と考えている施策は、目の前のユーザーに寄り添う姿勢を徹底してきたことだという。
事業成長の背景
生活総合サービスのECは自社ECサイトがメイン。主力の「すっぽん小町」は、すっぽんを丸ごと粉末化しカプセルにした健康食品で、2006年7月から販売してきた。
77人の従業員のうち半数がカスタマーサポート
ていねい通販は、売上目標を社員に課さず事業を展開しているのが特徴。ユーザー、生産者、スタッフに無理のない販売を行うことを重視している。
特にカスタマーサポートに注力する体制やオフィス環境を整えている。オペレーターには顧客との通話時間の制限を設けないなど、目の前のユーザーと向き合うことを最優先。ユーザーの話やニーズに耳を傾け寄り添う姿勢をとってきた。ていねい通販では、77人の従業員のうち、約半数がカスタマーサポートに従事する。
通話の内容は、商品と全く関係のない今晩の献立の相談や家族の話題、趣味に関することなどに及ぶこともあるという。生活総合サービスでは、オペレーターがこのような通話にも積極的に参加することを推奨している。
ユーザーからのアンケート収集を担当するスタッフのなかには、アンケートをきっかけに文通するなどユーザーとの対話を楽しむことが業務1つになっているという。
提起継続率90%超のワケとは?
「すっぽん小町」の定期購買継続率は90%超えている。ユーザーに寄り添った対応が商品や企業への信頼につながっているという。「すっぽん小町」は定期購買に回数制限を設けておらず、必要に応じてオペレーターから購買を一時中止する提案をすることもある。
1997年の創業以来続けている顧客との電話や手紙に加え、メール、チャット、LINEなどさまざまなコミュニケーションチャネルを充実。2020年以降は完全無料・登録不要のメッセージギフトサービスも展開している。
広告クリエイティブを制作する際には、ひとつのデザインに対してコピーのフォントや色違いで10パターン以上を制作、実際に広告として運用した結果を分析し、その後の広告出稿増減を判断する。
どの媒体に出稿する際にもテストマーケティングを繰り返し、細かな分析を経てブレーキやアクセルを踏むことを繰り返し、効率的な広告運用を行っている。
2023年2月からは「Amazon」「楽天市場」にも出店。ECモールの年間累計売上は7000万円超、出荷数は2万袋超。ECモールは、レビュー機能で利用者が感想を発信し自由に閲覧できるため、従来になかったコミュニケーションの場として可能性を感じているという。
今後は、LINEをベースとしたチャットコミュニティの活性化など、目の前のユーザーとの対話を楽しむ環境をデジタルの普及に合わせて一層強化する考え。ユーザーとのつながりの強化に努める。