A8net、ITP対応の広告効果計測の新システムを提供開始

広告主に過度な導入負担をかけることなく消費者へ情報を提供し、メディアに適切な報酬を支払うための新システム

内山 美枝子

2018年3月28日 11:30

ファンコミュニケーションズが運営するアフィリエイトサービス「A8.net(エーハチネット)」は、広告主企業向けに、Apple社のITP(Intelligent Tracking Prevention)に対応した新しい広告効果計測システムの提供を開始した。

訪問者→メディアの広告→広告配信システム
①imgタグ方式……タグ設定が必要なのはCVページのみ
②現在のjsタグ方式(クリック識別子)……LP、経由ページ、カート、CVページにタグ設置が必要
③新方式(クリック識別子、Cookie/リダイレクタ)……タグ設定が必要なのはCVページのみ
広告効果測定の方式の比較。新方式は特許出願中(2018-044411)

ITPはiOS11のSafari11のCookie機能に標準で制限をかけるもので、これにより、多くのネット広告が利用する「3rdパーティ製Cookie※1」を使った広告効果計測の仕組み(図①)で、一部、正常に効果計測できない状況が生じている。
※1「3rdパーティ製Cookie」……表示中のサイトとは異なるドメイン(第三者)のサーバーから発行されたCookie。ここでは広告事業者ドメインのCookieを指す。

これを解決するには「1stパーティ製Cookie※2」を用いて広告効果計測する方法があるが、異なるドメイン間を行き来するユーザーの遷移を正確に追跡するには、広告主側での追加設定作業が多く、導入ハードルが高かった(図②)。
※2「1stパーティ製Cookie」……表示中のサイトと同じドメインのサーバーから発行されたCookie。ここでは広告主サイトドメインのCookieを指す。

こうした背景を踏まえ、A8.netでは「1stパーティ製Cookie」を用いながら「3rdパーティ製Cookie」利用時と同等の負担に抑えられる新システムを考案・開発した(図③)。

新システムでは、広告主はDNSの設定をするだけで「1stパーティ製Cookie」で同一ブラウザー上のあらゆる遷移ケースを正確に効果計測できる。

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