尿検査で不足が判明した栄養素をサプリでお届け。ファンケル「パーソナルワン」開始
ファンケルは1月15日、1人ひとりに最適なサプリメントをワンパックにして届ける「パーソナルワン」の開始を発表した。1月27日からファンケル会員向けに先行販売を実施する(一般発売は2月20日から)。
「パーソナルワン」は尿検査と食事や生活習慣に関する45問のアンケート結果を分析し、ユーザーに最適なサプリメント「ベースサプリ」と「健康悩み対策サプリ」として提案する。自社工場で生産し、1か月に1度、30日分の製品を届ける定期サービス。
価格は基本栄養検査キット(尿検査)が5,500円(税込)。月額費用は選択するサプリの種類や数によって変わるが、おおよそ4,000円~40,000円としている。メインターゲットは健康意識の高い50代から60代の男女。
通常、栄養状態は血液検査で測るのが一般的だが、身体に負担をかけない簡単な測定にこだわり、尿検査で基本栄養素(ビタミンA、B1、B2、C、D、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、DHA)の充足度の可視化を実現。従来、尿検査で鉄と亜鉛の充足度を測定するのは困難とされてきたが、ファンケルが世界に先駆けて分析技術を確立した。
食事管理アプリの「あすけん」とサービス連携をする。「パーソナルワン」利用者は「あすけん」プレミアムサービスと同等の機能を持つ「ファンケル パーソナルワンコース」を無料で利用できる(通常の「あすけん」プレミアムサービスは月額480円〜)。
アプリ上で栄養士から食生活改善アドバイスを提供するほか、蓄積した食事記録は「パーソナルワン」と連携。より正確に算出された基本栄養素の摂取量をもとに次回の「ベースサプリ」を提案する。
26年前から思い描いていた最終目標
ファンケルの創業者で現在は名誉相談役ファウンダーを務める池森賢二氏は、次のように語った。
パーソナルサプリはサプリメントの通販を始めた1994年からの最終目標。発表できて大変うれしい。サプリメントは予防医学で重要な役割があるが、ただ自分が感じたものを飲むのではなく、その人の状況を調べた上で正しく飲む必要がある。
私は2009年に「健康院」を作り、以来11年間、健康院で処方されたサプリメントを飲んでいる。健康院では食生活の調査と血液検査を行うが、一般の方に血液検査は難しい。そのため、唾液や尿などからその方に欠けている栄養素を調べられないかとずっと研究してた。(池森氏)
事業戦略の3つ目の柱を担う新サービス
ファンケル上席執行役員で健康食品事業部長の若山和正氏によると、ファンケルの事業戦略の柱は「トライアルユーザーの獲得」「既存事業の強化」「個別化対応」の3つ。
既存事業については、中心事業のサプリメント事業で機能性表示食品制度を活用し、わかりやすく確かな機能を持ったスター商品を育成・強化。顧客層の拡大をめざし、大手食品会社とのコラボレーションなどによってトライアルユーザーの獲得を進めてきた。
3つ目の柱となるのが今回発表した「個別化対応」。
サプリメント摂取による効果を見える化し、本当に必要なサプリメントを提供することができるようになれば、サプリメントの有用性や必要性をもっと世の中に発信できると考え、その実現に向けて長年取り組んできた。その取り組みによって完成したのが今回発表したサプリメントの究極型”パーソナルワン“になります。(若山氏)