通販新聞 2014/11/10 7:00

衣料品のネット販売を手がけるCODESHARE(コードシェア)は、昨年4月に開設した女性向けファッション通販サイト「fifth(フィフス)」が好調を維持している。今秋冬シーズンからは一押しアイテムを数千枚単位で協力工場に発注する"タテ積み"型の販売にも着手したほか、11月中旬には台湾に進出して「フィフス」の台湾版をスタートする。

同社は衣料品通販サイトとしては後発ながら、初年度(2014年1月)は高品質なビジュアルでインパクトを与えることに成功。トレンドを反映したファッション商材を投入するスピード感を含め、消費者から一定の支持を得ている。

今年9月にはシステムを全面刷新。刷新後は会員登録の仕組みを変更したのに加え、クーポン配布などさまざまなキャンペーンが打てるようにしたほか、ステップメールを配信してCRMの強化につなげる。

同社では、初年度に10万人強の会員を獲得したものの、会員登録には住所などの入力が必要だった。そのため、アプローチできる会員を増やす目的で、刷新後はメールアドレスとパスワードだけで登録できるようにしたところ登録者数は毎月1万5000人以上に拡大。会員数は約15万人となり、15年1月期には20万人強を見込んでいる。

コードシェアが2013年4月に開設した女性向けファッション通販サイト「fifth(フィフス)」
コードシェアが2013年4月に開設した女性向けファッション通販サイト「fifth(フィフス)」

MD面では、今秋冬は矢野未希子さんが着用モデルを務める新ブランド「エディットシーン」を始動した。また、人気モデルの紗栄子さんを通販サイト「フィフス」のアイコンとして起用し、自社で展開する3ブランドの商品を使ったミックスコーデを提案(画像)。高いビジュアル力で顧客の囲い込みにつなげているようだ。

ただ、すぐに完売してしまう商品も多く、MD精度の改善は課題だという。また、次の成長フェーズに向けては、次から次へ新商品を展開するファストファッション型の取り組みだけでは規模拡大が図れないとし、今秋冬からは売れ筋商品を数千枚単位で在庫を抱え販売する手法にも乗り出している。

同社は、中国の協力工場を使って2週間で商品を確保できる体制を構築。そのため、二次元(商品画像)ではなく実際にモデルが商品を着用した姿を確認し、女性社員の意見を聞いてから注文ロット数を決められるのが強みで、来春には新ラインを立てて量を売るアイテムを増やしたい考え。

一方、事業拡大に向けては海外展開も推進する。第一弾として、台湾に現地法人「飛服斯(フィフス)国際貿易有限公司」を設立し、「フィフス」の台湾版サイトを11月17日にオープンする計画だ。

親日家の多い台湾では日本人モデルの人気が高いほか、中国進出をにらんだテストマーケティングの意味合いもあるようだ。基本的に台湾でも品ぞろえは日本とほぼ同じで、現地で一定量の在庫を持って消費者に届ける。価格帯は日本と同水準という。

集客面はフェイスブック内の広告などを中心に展開するほか、雑誌の台湾版「ViVi」への広告出稿なども行う考えで、主要ターゲット層は20代半ばに設定。台湾での売り上げ目標は3年後に10億円を掲げる。

全社的な売上高は初年度の約4億円に対し、15年1月期は14億円を計画しているが、目標達成の確度は高いようだ。

来春には、協力工場の拡充にも着手して商品の品質面にも力を注ぐのに加え、「中期的な規模拡大に向けて実店舗を持つかどうか、方向性を定めたい」(江島晋一社長)としている。

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