カート落ちメールでCVRが4.5倍向上の事例も。EC特化のMAツール「HIRAMEKI XD」とは
トライベックが提供するMAツール「HIRAMEKI XD(ヒラメキクロスディー)」。月額6万円から利用できるという圧倒的なコストメリットに加え、顧客属性だけでなく在庫数や購入履歴といったECに特化したデータ活用もできる。
導入企業はカート落ち対策などで成果を出している。「HIRAMEKI XD」が支持される理由を探った。
UU課金でメール配信し放題
自社開発のMAツール「HIRAMEKI XD」には、マーケティング支援を専門に手がけてきたトライベックの知見が詰まっている。販促に必要な機能を吟味して搭載しており、デジタル関連の専門知識がなくても利用しやすいのが特徴だ。300社以上に導入され、うちEC事業者が6~7割を占める。
「HIRAMEKI XD」にはEC向けのプラン「XD.COMMERCE(クロスディーコマース)」があり、リテンション施策を中心に、顧客のエンゲージメントやLTV向上を目的とした機能などECビジネスに特化した設計になっている。
「HIRAMEKI XD」が選ばれる大きな理由が価格だ。一定の会員数やデータ量を抱える企業が、MAツールを使ってユーザー分析や施策を展開すると、月額で数百万円かかるケースは少なくない。
「HIRAMEKI XD」であれば同様の運用であっても、場合によっては1/10程度まで運用コストを抑えられることもある。
メールは1配信ごとの通数課金ではなく、UU(ユニークユーザー)ごとの課金。そのため、1ユーザーあたりの配信頻度が多い場合でも、同一料金で配信し放題となる。
大規模なメール配信についても、専有サーバープランでの提供が可能なため、会員数の多い大手ショップでも固定金額での利用が可能だ。初期費用は、MAツールにメールとLINEの配信を組み合わせた標準の料金プランで、10万円以下から利用できる。
収集できる情報の範囲は、会員情報や行動履歴だけでなく、商品・在庫データや、購入履歴も対象。取得可能なデータの多さも、「HIRAMEKI XD」が導入企業から支持される理由だ。
カート落ちメールでCV率4.5倍に
導入企業で際立った成果を出している施策が、「カート落ち」への対応。カートに商品を入れたままのユーザーをセグメントし、「忘れていませんか?」などとメールで訴求、購入機会を創出できる。このカート落ちメールと、通常の一斉配信メールをコンバージョン(CV)率で比較すると、アパレルECではカート落ちメールのCV率が、約4.5倍高い。総合通販で2.5倍、化粧品で1.6倍高くなっている。一度買おうとした商品を改めて提案する取り組みが、強力な購入促進効果をあげている。
カート落ちメールとは別に成果を出しているのが、LINEの活用だ。サービスを導入する化粧品EC事業者は従来、メールとLINEそれぞれの登録会員にクーポンや新着情報を配信していた。メールの登録者数は会員全体の約6割、LINEは約2割だったため、まずメールを強化しようとカート落ちメールを配信。一定の手応えを得てから、LINE会員に対しても同様の施策を実施した。
その結果、配信したメッセージ経由で商品をクリックしたLINE会員の割合は、メール会員の9倍にのぼり、さらにCV率もメール会員に比べて5倍近く高くなった。この結果から、LINE会員の獲得にリソースを割こうという経営判断につながった。販促における最適な投資の分配が、「HIRAMEKI XD」を通じて明らかになったのだ。
「Shopify」「LINE」と連携へマーケの施策領域を拡大
「HIRAMEKI XD」は2021年2月、ECプラットフォーム「Shopify」とAPI連携を開始。「Shopify」を利用するEC事業者は、顧客情報や商品情報、購買履歴情報を毎日「HIRAMEKI XD」に自動連携できる。今後は「Shopify」アプリにも対応していく方針で、連携を充実させていく。
また、LINEが提供しているアプリプラットフォーム「LIFF(リフ)」アプリへの対応を進める。「LIFF」を使うとLINE上でユーザーIDに加えてアンケートなどで属性情報を取得し、さまざまな施策の実施が可能になる。この「LIFF」アプリに対応することで、「HIRAMEKI XD」を使ったマーケティングの幅を広げることができる。
安価でありながら、多くの強みを持つ「HIRAMEKI XD」。自社ECを手がけている企業はもちろんのこと、これから自社ECを展開していきたい企業や成長期の事業者にとってもマーケティング戦略をサポートするツールとなりそうだ。