三井不動産が設立したmitaseru JAPANは、サービス拡大に伴い厳選お取り寄せグルメサービス「mitaseru(ミタセル)」を11月20日にリニューアルした。物流体制も強化、千葉県船橋市の「三井不動産ロジスティクスパーク船橋(MFLP船橋)」内に新たな商品製造・発送拠点を着工する。
「mitaseru」は、全国の有名店や星付きレストランの本格料理を冷凍で自宅に届ける通販サービス。ラインナップは50店舗・97商品に拡大し、右肩上がりの成長を続けているという。

リニューアルで定期便・ポイント制度を導入
リニューアルでは、新商品の拡充に加え、定期便サービス「名店ごちそう便」を開始。「おまかせ定期便」と「えらべる定期便」の2種類を用意し、通常購入よりも割安でいつでも解約できる。また、ポイントサービス「mitaseru CLUB」も導入。購入金額に応じてポイントが貯まり、新商品先行発売やシークレットキャンペーンへの招待もある。決済機能も拡充し、クレジットカード決済に加え、「NP後払い」「Amazon Pay」も利用できるようにした。
新商品として、世界が認める星付きレストラン「ZURRIOLA(スリオラ)」の「海の恵みのイカ墨リゾット」など7品を新たに取り扱う。
- ZURRIOLA「海の恵みのイカ墨リゾット」2970円(税込)
- 相撲茶屋 佐賀昇「復刻・特製柚子胡椒と味わう塩ちゃんこ鍋」3996円(税込)
- 水たき玄海「伝統仕込みの白いとり鍋」6966円(税込)
- アロマフレスカ銀座(現Shin Harada)「ポルチーニ茸のクリームペンネ」1890円(税込)
- 4000 Chinese Restaurant「贅沢たまごと国産米の五目炒飯」1458円(税込)
- 日本橋ゆかり×三代目たいめいけん「2026年迎春豪華和洋 二段重おせち」2万9970円(税込)
- 焼鳥おみ乃「こり旨軟骨鶏そぼろ」2484円(税込)
「mitaseru」では、百貨店催事や高級スーパーなどオフラインでの販売も強化している。9月からは、商品の魅力を伝える個食パッケージを開発し、その第一弾として「明治屋高輪ストアー」で販売を開始した。
リニューアルでは、三井不動産と資本業務提携をしているSUPER STUDIOのAIコマースプラットフォーム「ecforce」を導入。サイト構築のほか、データ活用やマーケティング、KPIマネジメントまで支援を受けている。ECとリアル店舗を融合させた新しい仕組み作りをめざしており、拡張性を高めることで飲食業界の課題解決に貢献したいという。
「商品仕入れ販売モデル」もスタート
「mitaseru」は、専門の料理人が名店のメニューをレシピ通りに手作りで調理し販売している。指定食材の仕入れから商品の製造、販売までを一気通貫で請け負う独自の事業モデルを展開してきた。
新たに、飲食店が自ら調理・凍結した商品を店舗から完全に買い取る「商品仕入れ販売モデル」もスタートした。すでに取り寄せ商材を製造している飲食店のなかには、「販路拡大」やそれに伴う「発送業務の負担」といった課題を抱え、自店だけでは解決できないケースが少なくないという。
「mitaseru」では、飲食店が製造した冷凍商品を仕入れ、飲食店に代わってオンラインストアで販売。在庫保管・発送・顧客対応をすべて担うことで、飲食店の事業拡大をサポートする。

物流体制を強化、来夏以降2.5倍の規模へ
物流体制も強化する。2024年9月には既存の大阪製造・配送拠点のリニューアルが完了し、生産体制を拡充した。11月には「三井不動産ロジスティクスパーク船橋」内に新たな商品製造・発送拠点を着工した。
船橋の新拠点は、大阪拠点の約2.5倍の規模となり、セントラルキッチン機能や冷凍倉庫スペースを備える。商品製造から保管、配送まで一貫したサプライチェーンを構築し、首都圏への迅速な配送を実現する。2026年夏以降は、関西と関東の2拠点体制で商品製造・発送の体制強化を図る。

「mitaseru」は2023年4月にオープンし、2024年4月にmitaseru JAPANを設立した。飲食事業者の「新たな形」を創出するとし、国内販売に加えて海外販売も展開し、2030年までに事業規模50億円をめざしている。
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