ベクトル傘下で「TikTok Shop」運営支援などを展開するライブコマースは1月8日、「TikTok Shop」分析ツール「FastMoss(ファストモス)」のデータから、「TikTok Shop」日本市場レポートを公開した。
日本での「TikTok Shop」ローンチから約6か月で、月次ベースの推計流通総額は約4億円から約60億円へと拡大、6か月間累計では約155億4000万円に達した。短期間で有力な販売チャネルへと成長している。
レポートは、中国・北京有楽今天科技有限公司が提供する「TikTok Shop」コマース分析ツール「FastMoss」のデータから、販売規模の推移やカテゴリ別トレンド、価格帯、流入経路などを整理した。
「TikTok Shop」日本市場の流通総額推移
「TikTok Shop」日本市場の流通総額は、2025年7月から12月までの6か月間で約155億4000万円に達したと推計した。月次の推移は次の通り。
- 7月:約4億円
- 8月:約12億円(前月比201%増)
- 9月:約20.7億円(前月比73%増)
- 10月:約22.1億円(前月比6.8%増)
- 11月:約36.4億円(前月比68.4%増)
- 12月:約60.2億円(前月比65.4%増)
流通総額は拡大を続けており、12月度は前月比65.4%増の60億2000万円と高い成長を維持した。背景には新商品の大幅な増加に加え、プラットフォーム主導の年末セールなどの販促施策がある。販売ショート動画の投稿本数やライブコマースの実施本数も、いずれも前月比で2倍以上に増加しており、コンテンツ量の拡大が市場全体の成長を押し上げたと見られる。
12月度の販売数量
12月度の販売数量は238万3000個で、前月の約141万8000個から68.1%増加した。販売実績のある商品点数は前月比77.1%増の13万3000SKU(前月は4万8000SKU)、新商品数は同1930%増の206万5000個(前月は9万7000個)といずれも大きく伸長している。
平均販売単価は前月比1.6%減の2528.3円と、わずかに下落した。販売ショート動画数は同105.4%増の76万本(前月は37万本)、ライブコマース実施数は同100%増の2万本(前月は1万本)となり、コンテンツ供給量も急増している。
12月の売れ筋価格帯
価格帯別の販売構成比を見ると、12月は「1000〜1500円」の価格帯が20.78%で販売比率トップに。11月は「2000〜3000円」が19.4%で最多だったが、12月は低価格帯の比率が高まった。
その要因としては、クリスマス需要を背景とした「おもちゃ・ホビー」関連商品の伸長があげられる。積み木ブロックやカップケーキトイ、ディズニー系キャラクター商品など、1000〜1500円帯の商品が大きく売り上げを伸ばした。
12月のカテゴリ別の販売数量トップ5
カテゴリ別の販売数量トップ5は次の通り(カッコ内は推計販売個数と前月比)。
- 1位:美容・パーソナルケア(前月比43.5%増の40万6000個)
- 2位:おもちゃ・ホビー(前月比90.2%増の31万個)
- 3位:食品・ドリンク(前月比51.4%増の26万8000個)
- 4位:レディースファッション(前月比56.1%増の24万5000個)
- 5位:スマホ・デジタル機器(前月比65.6%増の21万2000個)
「美容・パーソナルケア」は前月に続き首位を維持した。2位の「おもちゃ・ホビー」はクリスマス需要の追い風を受け、前月比約90%増と高い成長率を記録。上位5カテゴリはいずれも前月比50%以上の成長となっており、市場全体の拡大を牽引している。6位には「メンズファッション」が入り、今後トップ5入りも視野に入る水準まで伸びているという。
12月の売れ筋商品ランキング
売れ筋商品ランキングでは、「港ダイニングしおそう」の海鮮食品(カニ、海ぶどう、つぶ貝など)が1〜3位を独占。10〜11月に2か月連続で1位だった「ふわふわブランケット(販売店舗:Cashio)」はトップ10圏外となり、季節要因による入れ替わりが見られた。
一方、4位には前月から順位を上げた「ビタミンCサプリ(販売店舗:ELLISS-エルリス-)」がランクイン。5位には「インソールシューズ(販売店舗:COSYLEE)」が新たに入った。単価200円前後の低価格インソールが約1万個販売されている。8位・9位にはクリスマス需要を背景としたおもちゃ系商品が入り、季節イベントの影響が色濃く表れた。
12月の販売流入経路
販売流入経路では、ライブ配信経由とショート動画経由で明暗がわかれた。12月の販売数量は、ライブ配信経由が前月比29.6%減の9万5000個(前月は13万5000個)と減少した一方、カゴ付きショート動画経由は同69.4%増の83万7000個(前月は49万4000個)と大幅に増加した。
商品カード経由(外部クリエイターのショーケース経由を含む)の販売も前月比84%増の145万個(前月は78万8000個)と拡大しており、自社アカウントだけでなく、提携クリエイター経由の販売が大きく伸びている。
アカウント別では、クリエイター連携アカウント経由の販売数量が前月比60%増の78万1000個(前月は48万8000個)となったのに対し、店舗自営アカウント経由は同8.7%増の16万3000個(前月は15万個)と伸びは限定的だった。「TikTok Shop」の日本市場では、クリエイター連携を通じた販売の存在感が一段と高まっている。
レポートで用いられている「FastMoss」のデータは、「TikTok Shop」の第三者分析ツールによる推計値で、「TikTok Shop」の公式データとは異なる場合がある。ライブコマースは、完全性や正確性を保証するものではない点に留意するよう呼びかけている。
「FastMoss」は、「TikTok Shop」内で「何が売れているのか」「誰が売っているのか」「どのように売っているのか」を可視化する分析ツールで、世界14か国以上で展開。累計導入ユーザーは200万人を超え、中国の越境EC事業者や米国・東南アジアの事業者を中心に導入が進んでおり、「TikTok Shop」コマースの戦略立案に活用されている。
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