アラームボックスが1万778社を対象に調査した「2025年下半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」によると、悪評・クレームの投稿が最も多い業種は通販・EC事業が含まれる「無店舗小売業」だった。不満の内容は商品に関するものが多かったほか、注文後の発送や配送に関する不満も一定数あった。
最多は「無店舗小売業」
アラームボックスは2025年下半期にSNSなどのインターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判のなかから、悪評・クレームを抽出し、取りまとめた。
悪評・クレームが多い業種は、1位から順に「無店舗小売業」「宿泊業」「通信業」「医療業」「各種商品小売業(百貨店、総合スーパーなど)」「持ち帰り・配達飲食サービス業」「飲食店」「機械器具小売業」「その他の小売業」「娯楽業」。
1社あたりのクレーム数は4年間で約3.5倍に増加
1社あたりの平均クレーム数の推移を見ると、全体平均は2022年上期の0.41件から2025年下期には1.42件へ上昇しており、4年間でおよそ3.5倍となった。「無店舗小売業」は、2022年上期から2025年下期まで、すべての調査期でクレーム数が最多となっている。
2025年下半期にクレーム数2位の「宿泊業」は調査期ごとにクレーム数の変化が大きい。医療業は2022年下期以降、継続して上位10位以内に入り、直近では4位前後で推移している。同クレーム数3位の「通信業」は2023年下期以降に上位化し、2025年下期には3位となった。
通販企業に多い不満は「商品に関するもの」
通販事業を主とする「無店舗小売業」の1社あたりの平均悪評・クレーム数は6.47件だった。
投稿内容は商品に関するものが多く、品質や状態への指摘、説明内容と実物の差異、期待していた内容との相違などがあがった。注文後の発送や配送に関する不満も一定数確認され、アラームボックスは「到着までの期間や梱包状態など、商品を注文してから届くまでの過程全体に対する評価が悪評につながっている」と推測している。
問い合わせへの対応や、返品・交換・キャンセル時の対応を巡る不満も多く、クレームでの頻出単語は「購入」「商品」「発送」「連絡」「対応」といったワードが目立っている。
アラームボックスは「ECを中心とする無店舗小売業では、取引や問い合わせ、アフターサポートまで消費者との接点の多くがオンライン上で完結するため、悪評やクレームがネット上に表出しやすい特性がある」としつつ、「近年は1社あたりの悪評・クレーム件数が減少していることから、対応体制の整備や情報提供の改善が進んでいる可能性がうかがえる」としている。
通信業に多い不満は「契約内容や料金体系に関する認識の違い」
「通信業」の1社あたりの平均悪評・クレーム数は4.75件だった。
投稿内容を見ると、契約内容や料金体系に関する認識の違いや、手続きのわかりにくさに起因する指摘が目立っている。契約変更や解約時の条件、請求内容に関する説明不足を背景とした不満が一定数確認された。
また、問い合わせ対応に関する指摘も見られることから、アラームボックスは「解決までに時間を要したことや、案内のわかりづらさが不満につながっている様子がうかがえる」と考察している。通信サービスそのものの品質というよりも、契約手続きや請求対応、サポート対応への関心や不満が集中している傾向が見られた。
小売業に多い不満は「接客対応、アフター対応」
百貨店や総合スーパーなど、衣食住にわたる各種商品を一括して販売する「各種商品小売業」の1社あたりの平均悪評・クレーム数は4.26件。投稿内容は、商品そのものよりも、店舗での接客対応、アフター対応に起因する不満が多く発生している。具体的には、店員の説明不足、対応のばらつき、問い合わせ時の態度への不満、返品・交換対応やポイント、価格表示をめぐる認識の相違など。
売り場ごとの対応品質の差や、混雑時の案内不足を指摘する声もあり、アラームボックスは「対応のばらつきがクレーム発生に影響している様子がうかがえる」と指摘している。
持ち帰り・配達飲食サービス業に多い不満は「時間管理や注文内容の正確性」
「持ち帰り・配達飲食サービス業」の1社あたりの平均悪評・クレーム数は3.41件だった。投稿内容を見ると、味や品質そのものよりも、時間管理や注文内容の正確性に関する不満が多い。近年は、注文や決済を外部プラットフォーム経由で行うケースが増えたことで、店舗対応とプラットフォーム仕様に起因する不満が混在して表出する傾向も見られた。
アラームボックスは「各工程でのオペレーションの精度や、トラブル発生時の対応主体がわかりにくい点が、クレームにつながっている」と解説している。
機械器具小売業に多い不満は「購入後の対応や説明、保証・修理対応」
家電量販店、自動車販売店、PC販売店など「機械器具小売業」の1社あたりの平均悪評・クレーム数は3.02件。投稿内容は、購入後の対応や説明、保証・修理対応をめぐる不満が目立った。販売時の説明内容と実際の使用感や対応との間に差があると感じた利用者からの不満も見られた。専門性の高い商品を扱う業態特性上、販売後を含めた情報提供不足とサポート体制の弱さがクレーム発生につながっている。
その他小売業の不満は「接客対応や販売時・購入後の対応」
書店、ホビー販売店、スポーツ用品、化粧品、インテリア用品など「その他の小売業」の1社あたりの平均悪評・クレーム数は2.97件となった。接客対応や販売時・購入後の対応に関する不満が多く見受けられた。具体的には、店員の知識不足や説明の不十分さ、問い合わせや返品・交換時の対応への不満など。在庫の有無や取り寄せ対応、価格やキャンペーン条件をめぐる認識の違いを指摘する声もあがった。
調査概要
- 調査期間:2025年7月1日〜12月31日
- 対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち1万778社
- 対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの
