ネット上で悪評・クレームが多い通販事業。アフィリエイト広告は規制強化の方向へ【ネッ担まとめ】
ネット上で悪評やクレームが多いのは無店舗小売業(=通販事業)という調査結果が出ました。配送や梱包に関するものが多かったようですが、広告に関する悪評も多くなっています。一部の業者の影響が大きいとはいえ、自社の広告品質も気にしておきたいですね。
アフィリエイト広告の悪評が高まり規制強化へ
【インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表】通販事業の配送・梱包に関するクレームやコロナ対策への不満が多数投稿 | アラームボックスのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000024095.html
具体的には、無店舗小売業での過剰な広告出稿、賃貸保証業での悪質な取り立てや電話、単価の高い商材を扱う業態での押し売りなど、顧客に対する行き過ぎた行動に関わる内容が目立ちました。昨今のデジタル社会において、不当な顧客体験はすぐにネット上に投稿、拡散されるため、その後の企業成長にも影響があり、企業が与信管理を行う上でも、取引先の評判に関わる内容を考慮に入れた上で、与信判断をする事が重要であると言えます。
「無店舗小売業での過剰な広告出稿」です。不快な思いをする広告や虚偽の内容の広告は後を絶ちませんよね。つい最近もこんな記事がありました。
「青缶に混ぜるだけでシミ消える」ネット広告で誤情報拡散 ニベア花王が注意喚起、関係企業は謝罪 | J-CAST ニュース
https://www.j-cast.com/2021/12/06426470.html
ニベア花王広報は6日、J-CASTニュースの取材に「広告はかなり前から存在していて、(生活者からの)問い合わせもたまに受けます」と話す。
以前から商品サイトなどで同様の注意喚起をしてきたものの、ここ数年は増加傾向だという。広告を配信していたグーグル社に停止依頼をしたこともあったが「おそらくいたちごっこになっていたようです」と声を落とす。
他社の商品画像を勝手に使用して、しかもそれを混ぜると効果があるとうたった広告が出ていたという内容です。何から何までおかしいのですが、出稿側の企業もこうなっていることを知らなかったのも問題です。法律の面はともかく、広告を出したつもりで自社の評判を著しく落とすことになっているので、何かしら人の目に触れるものに関してはチェックしないといけない世の中になってきています。CPAとかCVRとか売上だけを見た広告出稿は危険すぎます。
ニベアに続きパインアメ製造元が被害訴え ダイエット広告に無断使用「ひどすぎる」...対応検討 | J-CASTニュース
https://nordot.app/843400982085091328?c=113147194022725109
同様の事例も出てきています。気付いたから良いようなものの、気付かなかったら被害が大きくなっていたかもしれません。こういった時のためにもSNSでのエゴサーチはやっておきたいですね。
アフィリエイト広告規制を強化へ。商品・サービスの「供給主体性」の解釈を明確化、共同で事業活動を行う関連事業者も規制対象に | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9351
消費者庁は、「供給主体性」の解釈の明確化、周知を図り、意図的に問題ある表示を行う広告主、共同で事業活動を行う事業者も対象になりうるものとして法執行する。対象は、いわゆるASPだけでなく、プラットフォーマーに及ぶ可能性もある。
広告の規制も強化されてきています。
先ほどのニベアの事例だと健康美人研究所にも責任が及ぶということです。広告主側が広告をしっかりチェックしてから出稿するというフローにして、出稿後も広告の変更はチェックをしたいです。しかし、チェックしきれない場合もありそうなので、自分たちが管理できる範囲の出稿を心掛けたいですね。
「迷惑メール規制にオプトアウト規制を導入した時も『※未承諾広告』と記載するよう求めたら、悪質事業者から注記のついた広告がどんどん送られるようになっただけ。『広告』と表示したら悪質なアフィリエイトがなくなるかといえばなくならない。むしろ積極的に表示するだけ」(万場徹日本通信販売協会専務理事)など、慎重な対応を求める意見があった。事業者への調査でも「努力義務では表示しない者が得をする。法的義務にしてほしい」(ASP)などの声があった。
その一方で悪質業者を規制しようとしても、まっとうな業者の業務が増えるだけで何の効果もないという現象も起きています。「法人の清算・設立により、違反行為を繰り返す事業者もいる」という事実もあります。
国民生活センターの「PIO-NET」に寄せられた通販の定期購入トラブルの相談件数は、約5万件のうち相談数の多い10社で全体の約半分を占める実態が明らかになった。
ごく一部の業者の影響で冒頭の調査のように業界全体のイメージが悪くなっています。ECモールに関しては品質向上の取り組みが進んでいますが、広告に関してはなかなか進んでいません。バレないから良い、売上が取れれば良いという考えは捨てて、業界の健全化を考えていきたいですね。
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冒頭の記事と関連して。こういった規格を守って表示も気を付けたいです。
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これは面白い仕組み。ちょっとでも悩んだらほしいものが買えないこともありそう。
今週の名言
アフィリエイトが終了すると、ASPの管理画面の機能が使えなくなります。メールマガジンの送信機能も使用できなくなるので、その前に、アフィリエイターに提携してくれたこと、掲載・紹介をしてくれたことへ感謝の気持ちを伝えていただきたいのです。
広告主に、アフィリエイト終了が確定したらやってほしいこと | すずきたまよ事務所
https://tamayo.jp/386
アフィリエイトに対してネガティブな記事を取り上げましたが、良い人の方が多いのでこうした感謝を伝えておきたいですよね。
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今回はSNSなどのネット上で投稿された口コミなどから悪評・クレームだけを抽出して集計したデータの記事から紹介します。アンケートではないことと、日本では不快な思いをした時に口コミなどを投稿する傾向にあるので、結果の取り扱いに注意が必要であることは先にお伝えしておきます。
「無店舗小売業」とは主に通販事業者のことです。店舗を持たずリアルでの販売はしていないけどネットでは売っているというおなじみの形態。この業種が悪評・クレームランキングで1位となっています。
配送や梱包に関する悪評・クレームが多かったということで、これは皆さんも納得だと思いますが、指定の時間に配達されない、箱がつぶれていたというのは配送側ですから、通販業にまとめられてしまうのはちょっとかわいそうとも思ったり。
問題なのはここ以外です。