クレームが多い上位10業種、1位はECをはじめとする「無店舗小売業」。目立つ不満は「注文後に連絡が取れない」「返信が遅い」といった対応面
アラームボックスが1万1230社を対象に調査した「2025年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」によると、悪評・クレームの投稿が最も多い業種は通販・EC事業が該当する「無店舗小売業」だった。不満は「注文後に連絡が取れない」「返信が遅い」「返品・交換がスムーズに進まない」といった“対応面”に関する内容が特に多いという。
2025年上半期にSNSなどのインターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判のなかから、悪評・クレームを抽出し、取りまとめた。悪評・クレームが多い業種の順位は次の通り。
- 1位:無店舗小売業(EC)
- 2位:通信業(携帯キャリア、ネット回線サービス、プロバイダ代理販売店など)
- 3位:各種商品小売業(EC/小売)
- 4位:医療業
- 5位:飲食店
- 6位:宿泊業
- 7位:放送業
- 8位:その他の小売業(書店、ホビー販売店、スポーツ用品、化粧品、インテリア用品などのEC/小売)
- 9位:飲食料品小売業(コンビニ、健康食品販売、食品スーパーなどのEC/小売)
- 10位:持ち帰り・配達飲食サービス業
通販企業に多い不満は対応面
通販事業を主とする無店舗小売業の1社あたりの平均悪評・クレーム数は7.33件。配送の遅延、返品・交換対応の遅さ、問い合わせへの未返信など、対応面への不満が多く見られたという。「注文後に連絡が取れない」「返信が遅い」「返品・交換がスムーズに進まない」など、注文後の状況が把握できないことへの不安や不信感が、悪評・クレームとして投稿される傾向が強くなっているという。
商品に対する不満は、「傷や汚れ」「不良品」「説明と異なる素材やサイズ感」の指摘が多く、品質や表示への信頼を損ねる内容が多いとしている。

各種商品小売業で多いのは“接客対応”に関する悪評・クレーム
各種商品小売業では、1社あたりの平均悪評・クレーム数は4.63件だった。
実店舗に対しては「店員が高圧的だった」など、百貨店や総合スーパーの接客対応に関する悪評・クレーム、店員の態度や言動に対する不満が多く見られた。商品に関しては「包装が雑」「箱がつぶれていた」「思っていた品質ではなかった」といった声があがっており、特にギフト対応や百貨店ブランドに対する期待とのギャップが悪評・クレームにつながっているという。
実店舗とECの両方を運営する小売事業者も多い。ECサイトに対し「問い合わせに返答がない」「指定した配達日に届かない」といった、対応の煩雑さに関する指摘も複数確認されたという。

「その他の小売業」ではECと実店舗それぞれに特徴的なクレーム
書店、ホビー販売店、スポーツ用品、化粧品、インテリア用品などの小売店が主となる「その他の小売業」では、1社あたりの平均悪評・クレーム数は3.55件だった。ECと実店舗それぞれに特徴的なクレームが寄せられた。
ECでは「不良品が届いた」「商品の状態が記載と異なる」といった商品品質について、特に中古商品や化粧品など、商品の状態が重要となる商材に対しての不満が目立った。「梱包が簡素すぎる」「返品対応が遅い」といった、対応面への不満も確認された。
実店舗においては「説明があいまいだった」「態度が冷たい」といったスタッフの接客態度や商品知識に関する投稿が複数寄せられた。
アラームボックスは「専門店が多い業種であることから、商品への理解や丁寧な接客を期待する顧客との間にギャップが生じ、悪評・クレームにつながっている」と考察している。

飲食料品小売業では連絡・対応面への不満、接客態度に対する指摘が目立つ
飲食料品小売業1社あたりの平均悪評・クレーム数は3.45件で、ECと実店舗でクレームの内容に違いが見られた。EC系企業では「商品が写真と違う」「品質が悪い」といった商品面の不満に加え「発送連絡がない」「返品対応が遅い」といった、連絡・対応面への不満が多数寄せられた。

調査概要
- 調査期間:2025年1月1日〜6月30日
- 対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち1万1230社
- 対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの