I-ne、ヒットを再現する独自ブランドマネジメントシステム「IPTOS」にAIエージェントを実装。狙いは意思決定の質・速度アップ

I-neは8月22日、企業のAI活用支援などを手がけるフィックスターズと、マーケティング領域における先進AI活用の共同研究契約を締結したと発表した。
I-neが独自運用するブランドマネジメントシステム「IPTOS(イプトス)」に、次世代AIエージェントを統合・実装。生成AIや量子アニーリング(量子力学の原理を利用して最適化を探索する手法)を含む先端計算技術を駆使し、リサーチ・構想・仮説検証といった「IPTOS」の初期工程を再構築する。
「IPTOS」は、KPI設置、成功・失敗の体験データ蓄積、迅速なPDCAサイクルの運用などが特長。市場にブランドを展開する際のリスク抑制、ヒットの再現性アップ、需要の予測精度アップなどにつなげてきた。

共同研究では、フィックスターズはI-neに次の技術や知見などを提供する。
- ソフトウェア高速化技術
- 計算リソースに対するアルゴリズムを最適化させるパフォーマンスエンジニアリングのノウハウ
- 量子アニーリング技術の知見
- 最新のAIをローカル環境で活用するためのワークステーション「Fixstars AIStation」
共同研究にはフィックスターズの子会社であるFixstars Investmentの最高投資責任者(CIO)を務める奥田遼介氏がアドバイザーとして参画。グローバルなAI研究動向を踏まえた、技術戦略面での助言を受ける。
AIエージェントは、社内実務への段階的導入を経て、マーケティング戦略立案から商品開発初期プロセスまでを包括的に支援。人間の思考速度を凌駕(りょうが)するような意思決定の支援をめざすという。

将来的には、量子アニーリングを活用したマーケティング判断モデルの実用化を視野に入れており、実証と検証を並行して進めていく。
独自に構築してきた「IPTOS」に次世代AIエージェントを統合することで、質とスピードを兼ね備えた意思決定で、持続的な成長を実現する。AIを“共に考えるパートナー”としてマーケティングに組み込むこの共同研究は、その未来像を現実のものにする大きな一歩と考えている。(I-ne 大西社長)