スニーカーやトレーディングカードのフリマアプリ「スニーカーダンク(スニダン)」を運営するSODAは、国内店舗に訪日客向け免税返金サービスを導入する。11月に施行される新免税制度「リファンド方式」への対応を見据えたもので、単なる制度対応だけではなく、訪日客の購買体験向上や、帰国後も関係を継続する長期的なファン化施策につなげる狙いがある。
新免税制度で何が変わる? 店頭値引きから「出国後返金」へ
11月に施行される新免税制度では、従来の「購入時値引き(店頭免税)」から、「出国後返金(リファンド方式)」へと大きく転換する。これにより、訪日客にとっては手続きが複雑化し、店舗側にも新たな案内やオペレーション対応が求められる。
一方で、返金手続きが出国後まで続くことで、店舗と訪日客の接点が購入時点で終わらず、帰国後のリピート促進や越境ECへの送客といった新たな顧客接点設計が可能になる。SODAはこの変化を、単なる制度変更ではなく、インバウンド戦略を再設計する機会と捉えている。
スニダン店舗はインバウンド比率約4割、免税対応は「集客フック」
SODAによると、スニーカー・アパレルを扱う実店舗「SNKRDUNK STORE」では、インバウンド比率が約4割に達している。トレカ専門店「SNKRDUNK TRADING CARD AKIHABARA」にも、欧米、東南アジア、中華圏など世界中から顧客が訪れているという。

背景には、訪日外国人旅行者の消費拡大がある。2025年の訪日外国人旅行者の消費額は年間9.5兆円規模、うち買い物代は2兆5490億円にのぼったという。なかでもスニーカーや日本発のトレーディングカードは、訪日客の購買意欲を象徴するカテゴリーと位置付けられている。
人気店舗では1日数千人規模の訪日客が来店し、その多くが「免税適用を前提に商品を選ぶ」行動を取っているという。こうした状況から、免税対応は単なる事務処理ではなく、購買意思決定に直結する「集客フック」になっているとしている。
SODAが新免税制度へのアプローチ
SODAは新免税制度へ対応するため、Oceanが提供する国内店舗への訪日客向け免税返金サービス「Ocean Tax Refund」を導入。選定理由は、新制度対応を一過性のシステム導入で終わらせず、リピーター戦略やインバウンドマーケティング全体を長期的に進化させるパートナーと位置付けられる点だという。

具体的には、次の3点を重視している。
1. 「また来たい」を実現するリピーター体験の設計
新制度では訪日客側の手続きが大きく変わるため、初回来店時のスムーズな案内、現場スタッフが使える多言語スタートキット、再来店時にも迷わない返金フローなど、リピーター視点に立った仕組みづくりを両社で進める。
2. 店舗オペレーション負荷の最小化
リファンド方式では、返金方法の案内など新たな業務が発生する見込みだが、「Ocean Tax Refund」は既存のレジ・接客フローを変えずに導入できる設計だという。多言語対応のUIやカスタマーサポートも備え、世界中から来店する顧客への対応を支える。
3. 免税処理を超えたインバウンドマーケティングへの拡張
両社は、返金完了後の越境ECサイトへの誘導や、OTAでのプロモーション展開など、訪日後も関係を育てる施策を継続的に実装していく方針だ。
実店舗全店に導入、今後の出店に合わせて拡大
両社は、SODAが運営する実店舗全店への「Ocean Tax Refund」導入を進め、今後の店舗展開に合わせて拡大していく計画としている。
店舗ではインバウンド比率が高く、訪日客への免税対応は事業成長の重要テーマ。2026年の制度改正は、訪日客にとって手続きの流れが大きく変わる転換点であり、再来店客が多い当社にとっては「また来たい」と思ってもらえるスムーズな体験を提供できるかが鍵になる。(SODA ストア開発部署マネージャー 中山真吾氏)
SODA ストア開発部署マネージャーの中山真吾氏
スニダンを訪れる訪日客の多くは、レアアイテムや日本ならではの商品を求めて来日する、熱量の高いリピーター。これからの時代の訪日客は、「一見の旅行者」ではなく、日本のカルチャーを愛し続けるグローバルなファンコミュニティの一員として捉えている。「国境を越えたショッピング体験を、もっと自由に」というOceanのミッションのもと、購入の瞬間にとどまらず、帰国後も続く関係を、SODAと共に築いていく。(Ocean 星野遼社長)


