通販新聞[転載元] 2023/12/4 7:00

楽天グループでは、仮想モール「楽天市場」における楽天ポイントの付与条件を、12月から大幅に変更する。携帯電話サービス「楽天モバイル」利用者のポイント付与率を3~4%から一律5%に引き上げる。一方、楽天モバイルや楽天カード、さらには「5と0のつく日」など、各サービスの特典として付与されるポイントの、月間上限ポイントを大幅に引き下げる。ライトユーザーはもらえるポイントが増える一方、ヘビーユーザーは付与されるポイントが減少する可能性が高いことから、楽天市場出店店舗の販促に影響を与える可能性もある。

楽天モバイル利用者の付与率アップも


同社のポイント制度は、通常ポイントとなる1倍(税別購入額の1%)に、各サービスを利用した際の特典分が加算される仕組みだ。ポイントアッププログラム(SPU)において、これまで楽天モバイル利用者は+3倍(楽天市場のダイヤモンド会員)、もしくは+2倍(それ以外)だった。12月からはモバイル回線契約者なら一律で+4倍となる。一方で、月間の獲得上限ポイントについては、ダイヤモンド会員は7000ポイント、それ以外は6000ポイントだったものを、一律で2000ポイントに引き下げる

各サービス上限ポイント引き下げへ 5と0の日特典も変更に

こうしたポイント上限の引き下げは、他サービスの特典でも行われる。楽天市場の商品を楽天カードで購入した場合、通常分の+1倍に加え、特典として+1倍が付与されている。これまで特典分の上限ポイントは月間5000ポイントだったが、1000ポイントに下げる。年会費有料のプレミアムカードの場合は5000ポイントが上限だが、プレミアムカード特典分として加算されていた+2倍が無くなり、通常カードと同じ付与率となる。その他、「楽天銀行+楽天カード」や「楽天証券投資信託」「楽天証券米国株式」、「楽天ブックス」など、SPU特典の獲得上限ポイントは軒並み引き下げられる格好だ。

さらには5と0のつく日特典も変更される。これまでは毎月5と0のつく日に買い物をすると、特典として+2倍ポイントが付与されていた。12月からは+1倍に下げるとともに、月間の獲得上限ポイントが3000ポイントから1000ポイントに下がる。

狙いは?

楽天では、ポイント付与条件を大幅に変更した理由について「楽天モバイル関連のポイント進呈率を高めることで、より多くのユーザーに利用してもらい、楽天モバイルを中心とした楽天グループサービスのクロスユースのベネフィットを体験してもらいと考え、変更に至った」(広報グループ)と説明。5と0のつく日のポイント付与条件引き下げも同様の理由という。これにより、楽天モバイルユーザーの契約者獲得にプラスの影響を見込む。

既存ユーザーにおいても「全SPU対象ユーザーの8割以上は獲得ポイント数が増加もしくは変わらない、楽天モバイルユーザーの8割以上は獲得ポイント数が増加するという試算結果」(同)としており、大半は「楽天モバイルを中心とした楽天グループサービスを複数利用することで、大きなベネフィットを感じてもらえる変更になった」とする。

今回の変更で、例えば楽天モバイル利用者は月間5万5000円(税率10%として計算)買い物をすると、上限の2000ポイントへ達することになる。また、楽天カードの特典分は、11万円(同)で上限の1000ポイントに達する。そのため、家電製品などの購入やふるさと納税がしづらくなることも考えられる。これについては「高額の買い物をした際には上限以上に達してしまうケースもあると考えられるが、日頃の買い物においては、多くのユーザーの方にとってお得に買い物を楽しんでもらえる」(広報グループ)としている。

出店店舗への影響は?

今回の変更は出店店舗にはどんな影響があるのか。家電EC企業の担当者は「高い商品を買うとポイント上限に達するとなれば、(セール時に複数店舗で購入することでポイント倍率が上昇する)買い回りがしづらくなることも考えられる。楽天市場の流通額そのものに影響があるのではないか」と危惧する。これに対し、楽天では「楽天モバイルは楽天市場の購買額増に大きく貢献している。楽天モバイルユーザーの契約者獲得による楽天市場への新規流入および、既存ユーザーにける楽天モバイルを中心としたクロスユース促進により、楽天市場での流通拡大を目指し、出店店舗により貢献していきたい」(広報グループ)とする。

大型セール時への影響に懸念の声

「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」といった大型セール時は、5と0のつく日に集中して売れる店舗が多いため、当該日の付与ポイント減少は販促に影響が出る可能性もある。別の家電EC企業の担当者は「売り上げには影響が出ると予想している。高額の家電製品を買う消費者は、価格比較サイト『価格コム』の最安値とポイントを加味した仮想モールの最安値をてんびんにかけることが多い。5と0のつく日でもポイントがあまりつかないとなれば、価格コムを経由して仮想モール以外で購入する消費者が増えるかもしれない」とみる。

あるコンサルタントは「12月はスーパーセールも開催されることもあり、一番売れる時期にこうした変更をすることに驚いた。楽天市場は、買い回りという仕組みでポイント付与率が向上するため、高額商品が売れる仮想モールだ。獲得上限が軒並み下がったことで、高額商品が売れにくくなる可能性がある。また、プレミアムカード保有者は相当のヘビーユーザーなので、特典が無くなったことも大きいのではないか」と話す。

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