鳥栖 剛[執筆] 8/28 8:00

Eストアーは8月27日、ECサイト構築プラットフォーム「Eストアーショップサーブ」を利用するEC事業者を対象とした「商品の値上げ」についてのアンケート調査の結果を発表した。これによると8割のEC事業者が2023年以降に商品値上げを実施していることがわかった。

トアーは、ECサイト構築プラットフォーム「Eストアーショップサーブ」を利用するEC事業者を対象とした「商品の値上げ」についてのアンケート調査を実施
2023年以降に値上げ実施したEC事業者は80%

「EC事業者の商品の値上げに関する調査」は8月5日~16日の間にインターネット調査を行った。対象は「Eストアーショップサーブ」を利用しているEC事業者。646件の有効回答を得た。

2023年以降に商品の値上げを実施したかを聞いた質問では、80%が値上げを実施したと回答。値上げ理由は「仕入れ価格・原材料費の高騰」が98%、「人件費など、事業運営に係る費用の上昇」が35%となった。事業環境の変化に対応するための価格転嫁が広がっていると分析している。

その他の値上げ理由には「円安の影響」「メーカー希望小売価格の改定」「メーカーからの価格改定要請」「配送料の値上げ」「光熱費の高騰」「最低賃金の引き上げ」などがあがった。

値上げ幅についても聞いた。値上げ実施事業者のうち90%が、元の価格から20%以内の値上げ幅で値上げを実施。そのうち、10%以下の値上げが半数以上を占めた。21%以上の値上げを実施した事業は1割以下にとどまった。

トアーは、ECサイト構築プラットフォーム「Eストアーショップサーブ」を利用するEC事業者を対象とした「商品の値上げ」についてのアンケート調査を実施
値上げ幅は20%以内との回答が9割を占めた

値上げによる販売数への影響について聞いたところ、値上げした商品の販売個数について「影響はない。(値上げ前と変わらない)」との回答が半数超を占めた。「減少した」は42%。販売減となったと回答した事業者の46%は「他の商品をおすすめすることで一人あたりの単価向上を図る」など、減少分を補う取り組みを実施していると回答した。そのほか、「ポイントの設定の変更」や「クーポンの発行」などにより販売減少を補う取り組みを実施していることもわかった。

トアーは、ECサイト構築プラットフォーム「Eストアーショップサーブ」を利用するEC事業者を対象とした「商品の値上げ」についてのアンケート調査を実施
半数以上は値上げによる販売減などの影響はないと回答

2023年以降に値上げを実施していない事業者には、その理由などを聞いた。値上げ未実施の理由は「値上げをすると売れなくなると思うから」が28%でトップ。次いで「値上げをすると、お客様から反発があると思うから」(12%)となった。

トアーは、ECサイト構築プラットフォーム「Eストアーショップサーブ」を利用するEC事業者を対象とした「商品の値上げ」についてのアンケート調査を実施
値上げしない理由のトップは「売れなくなると思うから」

調査では今後の値上げ実施意向についても聞いた。2023年以降に値上げを実行した事業者の85%は「今後も必要に応じて値上げする」と回答。2023年以降に値上げ未実施の事業者では38%が「今後商品の値上げを行う可能性は、大いにある」と回答した。

すでに値上げを実施した事業者は、今後も必要に応じた再値上げ実施に積極姿勢だが、値上げ未実施事業者は引き続き慎重な様子がうかがえた。値上げ未実施の事業者のうち67%は「原材料、仕入れ価格の上昇があれば値上げが必要」と回答している。

トアーは、ECサイト構築プラットフォーム「Eストアーショップサーブ」を利用するEC事業者を対象とした「商品の値上げ」についてのアンケート調査を実施
値上げ実施した事業者は、今後も必要に応じて再値上げ実施にも積極姿勢

Eストアーでは本調査を総括し「現在もさまざまな領域でコスト増が進んでおり、商品の価格見直しを検討せざるを得ない機会は増える可能性がある。必要な値上げを必要な時にスムーズに実施するため、値上げした商品の販売個数の減少や既存顧客の反応などについて事前に想定し対応を検討しておくことが有効なのではないか」とコメントしている。

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