松原 沙甫[執筆] 8/28 7:30

厚生労働省の中央最低賃金審議会が2024年度の地域別最低賃金額改定の目安額を前年度から50円の引き上げを答申したことについて、東京商工リサーチは最低賃金引き上げに関するアンケート踏査を実施、その結果を発表した。

目安通りに各都道府県で引き上げが行われた場合、給与設定を変更するかを聞いたところ、最も多かったのは「引き上げ後の最低賃金額より低い時給での雇用はなく、給与は変更しない」が59.6%。約6割の企業が給与を変更しないと回答した。

一方、40.3%の企業は最低賃金の上昇に伴い、何らかの形で給与を引き上げると答えた。その内訳は、「引き上げ後の最低賃金より低い時給での雇用はないが、給与を引き上げる」が21.1%、「現在の時給は引き上げ後の最低賃金額を下回っており、最低賃金額と同額まで給与を引き上げる」が11.7%、「現在の時給は引き上げ後の最低賃金を下回っており、最低賃金額を超える水準まで給与を引き上げる」が7.5%。

厚生労働省の中央最低賃金審議会が2024年度の地域別最低賃金額改定の目安額を前年度から50円の引き上げを答申したことについて、東京商工リサーチは最低賃金引き上げに関するアンケート踏査を実施
給与設定の変更について

来年度(2025年度)の最低賃金で許容できる引上額を聞いたところ、最多は「50円以上60円未満」の33.1%だった。2025年度も「50円以上」の最低賃金の上昇を許容できる企業の合計は64.6%。2023年8月に実施したアンケートで、2024年度に「50円以上」の最低賃金上昇を許容できるとした企業の50.6%からは14.0ポイント増えた。また、これ以上の最低賃金上昇は「許容できない」と回答した企業の割合は17.1%で、前年度比1.2ポイント上昇した。

厚生労働省の中央最低賃金審議会が2024年度の地域別最低賃金額改定の目安額を前年度から50円の引き上げを答申したことについて、東京商工リサーチは最低賃金引き上げに関するアンケート踏査を実施
許容できる引上額について

最低賃金上昇の対策を聞いたところ、最多は「商品やサービスの価格に転嫁する」の48.5%。「設備投資を実施して生産性を向上させる」が26.7%、「雇用人数を抑制する」が16.7%、「従業員の雇用形態を変更する」の14.6%が続いた。「できる対策はない」は18.3%だった。

厚生労働省の中央最低賃金審議会が2024年度の地域別最低賃金額改定の目安額を前年度から50円の引き上げを答申したことについて、東京商工リサーチは最低賃金引き上げに関するアンケート踏査を実施
最低賃金上昇の対策について

調査は2024年8月1日~13日、インターネットによるアンケートを実施。有効回答5506社を集計・分析した。

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