バイヤー介さずネットから商品卸登録できる「Amazonベンダーエクスプレス」を開始
地方の事業者や小規模な事業者でもAmazonの仕入先として簡単に登録することが可能

アマゾンは2月1日、オンラインからAmazonの仕入先として登録できる新サービス「Amazonベンダーエクスプレス」の提供を開始した。
これまでAmazonの仕入先となるには、アマゾンのバイヤーを通して契約を結び、商談で価格などを決めて商品を卸販売する必要があった。「Amazonベンダーエクスプレス」は無料で登録できるため、地方や小規模な企業でも簡単にAmazonを通じて、商品を販売することができるようになる。
アマゾンはバイヤーを介さずにオンライン上でサプライヤーが登録できるようにすることで、取扱商品の拡大につなげていく。
「Amazonベンダーエクスプレス」は、指定のフォームから、商品情報、「Amazon.co.jp」で消費者に販売するための販売推奨価格、アマゾンへの卸売価格などを入力。その後、販売したい商品のサンプルをアマゾンに発送(1商品の価格が500~6000円の場合1商品当たり3個、6001~9000円の場合2個、9001円以上の場合1個)する。
卸売価格がアマゾンの想定内の価格であれば、提案した価格が承諾される。アマゾンが想定した卸売価格よりも高ければ、その商品に合わせて低い卸売価格がオンライン上でサプライヤーに提案される仕組み。
卸売価格はAmazon上の類似商品の価格などのビッグデータを活用することで決定する。
サプライヤーとアマゾンで価格の了承が行われた後、アマゾンのフルフィルメントセンターに商品を送付すると、Amazon.co.jpで販売が開始される。Amazonのフルフィルメントセンターへの商品の送付は着払いでも可能。
「Amazonベンダーエクスプレス」はアメリカで2014年6月から始まっており、ドイツ、イギリスに続き日本では4か国目となるという。
「Amazonベンダーエクスプレス」TOPページ
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「Amazonベンダーエクスプレス」はEC事業者にとって便利に活用できそうだ。
まず在庫処理。自社で売れなくてもアマゾンでは売れるケースがあるため、在庫商品の処理として「Amazonベンダーエクスプレス」を活用できるのではないか。
また、アマゾンにマーチャントとして参加していない企業にとって、自社の商品がアマゾンで売れるのかテストすることができる。実際、卸売りで好調な売れ行きであった場合、自社出品に切り替えて販売することで、販売リスクを軽減することができる。
すでにアマゾンに出品しているEC企業にとっては、アマゾンの倉庫に商品を預けた場合(FBAを利用した場合)、どれほど売れるかをテストすることもできる。FBAを利用するとアマゾンの商品と同様に送料無料が適用され、「お急ぎ便」にも対応できるので売り上げが高まる。
ただ、商品ではどれほど売れるかがわからないため、FBA利用に踏み出せないというEC事業者も少なくない。「Amazonベンダーエクスプレス」を使うことは、FBAを利用した場合のテストを行うことができるので、活用する事業者が増えてきそうだ。