千代田区に1万2,000人の猫好きが集合! ちよだ猫まつり&ニャンダフルマーケット
「猫の日」の前後は全国各地で猫にちなんださまざまなイベントが開催されました。中でも千代田区役所で開催された「ちよだ猫まつり」は1万2,000人を動員し、大いに盛り上がりました。物販コーナー「ニャンダフルマーケット」で、ネット通販をやっている人にも直撃インタビューしてきました。
こんなに猫関連イベントが多い年があったでしょうか? いや、ない。
2月22日は2のぞろ目で「猫の日」ということで、全国各地で猫にちなんださまざまなイベントが開催されました。
- ちよだ猫まつり2016
- 第2回 ねこまつりat湯島
- 猫の世界 in WACCA 2016(池袋)
- 東京キャットガーディアン 猫の日祭り(大塚)
- アートな切手展 Vol.5 ~2月22日はネコの日(代々木)
- Cat’s ISSUE POP-UP STORE(新宿伊勢丹)
- 渋谷ShinQs「ネコフェス」
- ニャンともマーケット(大丸心斎橋店)
規模も趣旨もさまざまですが、ざっと並べてみただけでもこれだけのイベントが開催されたのです。
この他にもカルディーコーヒーファームでは「ネコの日バッグ」が販売され、ドーナツ店「イクミママのどうぶつドーナツ」では「10類の猫ドーナツ」を販売……なんてリリースもありました。
猫関連ニュースは昔から常にチェックしている研究員ですが、今年は例年になく猫の話題が多いような。まさに猫ブーム! と肌で感じます。
この中で、当ネコノミクス研究所では「ちよだ猫まつり 2016」に密着いたしました。2月20日(土曜日)と21日(日曜日)の2日間、主催は一般社団法人ちよだニャンとなる会、共催が千代田区というイベントで、千代田区役所内で開催されました。
出演者も登壇者もスタッフも、すべて無償のチャリティーイベント
千代田区では、ちよだニャンとなる会を中心に、千代田区の保健所と協力して飼い主のいない猫の保護活動を行っています。その甲斐あって、この5年は猫の殺処分ゼロを継続中。行政と民間がタッグを組んで猫のために動いている、全国的にも珍しい区なのです。
そんな千代田区で行われた「ちよだ猫まつり」。イベントステージでは獣医師によるセミナーやプロの音楽家によるミニコンサートが行われ、ワークショップ会場ではニャンドル「はっちゃん」の 写真家・八二一氏による写真教室が行われるなど、盛りだくさんな内容。しかも、運営スタッフはもちろん、イベント出演者やセミナー登壇者もすべてノーギャラという、猫への愛がなければ成立しないイベントでした。
今回が初めての開催とあって、運営陣は文字通り寝ないで準備することに。でも、その甲斐あって当日はたくさんの来場者が訪れました。
「ニャンダフルマーケット」も大盛況!
同時開催された「ニャンダフルマーケット」には、40ほどの出店者が集まり、猫のためのグッズや猫モチーフのグッズなどが販売されました。
雑貨以外にもタロット占いや、猫のためのリフォームを提案する会社、そして猫好きにはもはやおなじみの「猫本専門 神保町にゃんこ堂」さんも出店。大いに賑わいを見せていました。
ここならネットショップを運営している方にもお会いできるかも! と思ったら、やっぱりいらっしゃいました。
1人目「G-boy」さん
愛猫をモチーフにした樹脂製のアクセサリーを作って、「minne」や「creema」で販売している「G-boy」さん。
ネットでの販売の他に、月に1回は各地のマーケットに出店し、販売を行っているそうです。
イベントによって出店料はさまざまですが、今回のニャンダフルマーケットの出店料は2日間で2万円。「売上の〇%をいただきます」といったことはありませんが、数千円で出店できるイベントもあるので比較的高めです。
「出店料がちょっと高いしどうかなーと思ったんですが、猫が好きなので出店しました。そしたらすごく人が来て、びっくりしました(笑)」
いつものイベントの1.5倍くらい売れたそうです。
2人目「ネコソダテ」さん
「ネコソダテ」さんは姉妹で運営している首輪と迷子札のお店。東京に住む満間さんが材料の調達やサイトの運営を担当し、京都に住む妹さんが製造を担当しています。
「場所が区役所と聞いてホントに人が来るのかなと思いましたが、来場者が多くてびっくりしています。客単価も高かったです」
みなさん。財布の紐がゆるんでいたんですね、わかります。
3人目「よもぎや」さん
「よもぎや」さんは革製のポーチやキーケース、ペンケースなどのお店です。キョトンとした表情がたまりません。
写真では伝わりませんが、手触りがものすごく柔らかいのです!
もともとご自身も猫のボランティア活動をしているので、今回の出店の目的はチャリティー。
「儲ける気はなかったんですが、結果的に儲かってしまいました。利益は飼い主のいない猫のために使 わせていただきます」
3人目「free stitch」さん
最後は自社サイトでデザイン性の高いケージや食器、キャリーバッグやフードなどを販売している「free stitch」さん。
「今回は販売ではなくプロモーションなので、出店の成果は正直わかりませんが、千代田区はすごいなあと思いました。他の区も頑張って欲しいと思います」
集客の鍵は多彩な催し
両日とも人気を集めたのは「リアル猫ヘッドアートプロジェクト」。リアル猫ヘッドとは日本羊毛アート学園の講師であり、猫人形作家の佐藤法雪さんのプロジェクトで、体験すればたちまち猫の気持ちになれると話題のアートです。
このリアル猫ヘッドで記念写真を撮るための整理券は500円で100枚限定。あっと言う間に完売でした。
展示されていた生徒さんの作品もスゴかった〜。
私が知っているフエルトの人形とは別物でした。まるで生きているかのようなリアリティー。スゴすぎです!
次に行列ができていたのは、靖国神社の近くに店舗を構える和菓子の宝来屋さん。創業明治元年の老舗で、おしゃれな喫茶室もある素敵なお店です。そんな宝来屋さんがこのイベントのために作ったのが、猫をモチーフにした「ねりきり」と「肉球まんじゅう」、そして焼き印入りのどら焼きです。
2日目には妖怪ウォッチの「ジバニャン」までやって来ました。えっ、ジバニャンって地縛霊じゃなかったっけ……。「猫を外に出しては危険ですよ」というメッセージか? ……そんなことは関係なく、お子さんたちは大喜び。
2日目には猫の譲渡会も行われました。
譲渡会は一時は2時間待ちの行列ができるほどの人気。命は買うものではなく巡り会うもの、そんな風に考える人が増えれば、寄る辺のない猫たちもきっと幸せになれます。この日も多くの猫が新しい家族と巡り会えました。よかったねぇ!
センターステージの音楽にゆったりと身を任せる人、真剣な表情で首輪を選ぶ人、熱々の肉まんを嬉しそうに運ぶ小さな兄妹……会場を見渡すと、たくさんの幸せな表情に出会えました。
今回のイベントで寄付されたお金は猫の保護活動と医療費に使われます。素敵なマーケットや出店で楽しくお金と時間をつかい、それが猫のためになるのなら、猫好きにとっては万々歳。「ネコノミクス」はこういう循環であってほしいなあ! と思う研究員でした。