渡部 和章 2019/12/13 12:00

洋菓子の製造販売を手がけるプレジィールは12月11日、ECサイト「グラマシーニューヨークオンラインショップ」を利用した顧客3312人分のクレジットカード情報が流出した可能性があると発表した。

ECサイトのシステム委託先に対して不正アクセスが発生。第三者がECサイトのカード入力フォームを改ざんし、顧客が入力したカード情報を不正に取得したという。一部のカード情報が不正利用された可能性もあるとしている。

情報漏えいの対象は、2018年10月31日~2019年6月14日に「グラマシーニューヨークオンラインショップ」にクレジットカード情報を入力した顧客。カードの名義人名、カード番号、有効期限、セキュリティーコードが流出した可能性がある。商品を購入した顧客だけでなく、購入をキャンセルした顧客も含まれる。

「グラマシーニューヨークオンラインショップ」のシステムは外部ベンダーに委託していたという。委託先のシステムの一部に脆弱(ぜいじゃく)性があり、第三者が不正にアクセスした。プレジィールは、クレジットカード情報を社内に保有していないとしている。

12月11日時点で「グラマシーニューヨークオンラインショップ」の運営を休止している。再発防止策を講じたうえで再開する予定。

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

2018年6月1日に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律(改正割賦販売法)」では、クレジットカードを取り扱うEC事業者などに対して、「クレジットカード情報の適切な管理」と「不正使用防止対策の実施」が義務付けられている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

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