「ECサイトを見たが未購入」の会員の2割以上が来店購入したヒマラヤのO2O施策とは?
スポーツ用品の専門店を106店舗展開するヒマラヤが、オンラインショップの会員の行動データを活用して実店舗の集客を促進するO2O施策に取り組んでいる。
オンラインショップを閲覧して購入に至らなかった会員について、嗜好性やデモグラフィック情報を踏まえて8つのセグメントに分類。実店舗のキャンペーンを告知するハガキDMを発送した結果、実店舗に来店して購入した割合(来店購入率)は平均21.9%、セグメントによっては最大37.0%に達するなど一定の成果を上げた。
1万9000人にキャンペーン案内のハガキDMを送付
ヒマラヤは2019年4月19日から5月19日にかけて実施した大型セール「総額10億円値引き!ヒマラヤメンバーズセール」において、実店舗への来店促進を図るため、公式ECサイト「ヒマラヤオンラインショップ」の会員データを活用してO2O施策に取り組んだ。
「ヒマラヤオンラインショップ」を閲覧したものの商品の購入には至らなかった会員を8つのセグメントに分類。「店内商品20%割引」というキャンペーンを案内するハガキDMを1万9148通送った。不達を除いた有効通数は1万8506通だった。
8つのセグメント
- ゴルフカテゴリをよく閲覧かつ未購入
- アウトドアカテゴリをよく閲覧かつ未購入
- ランニングシューズカテゴリをよく閲覧かつ未購入
- 某有名アウトドアブランドをよく閲覧かつ未購入
- 某有名スポーツブランドをよく閲覧かつ未購入
- LINEやメールの配信不可×若年(20~30代)かつ未購入
- LINEやメールの配信不可×中年(40~50代)かつ未購入
- LINEやメールの配信不可×シニア(60代以上)かつ未購入
来店購入率は最大37.0%、DM対象者はECサイトの購入単価が高い結果に
有効通数1万8506通のうち、来店購入率は平均21.9%だった。特に「某有名アウトドアブランドをよく閲覧かつ未購入」の会員の来店購入率は37.0%、「某有名スポーツブランドをよく閲覧かつ未購入のユーザー」は30.5%と他のセグメントより高かった。
一方、「LINEやメールの配信不可」としている各年代の会員の反応率は、5.8%~10.9%と低かったという。
また、実店舗で購入した顧客の平均購入額(Arppu)について、DM対象者とDM非対象者を比較したところ、DM対象者は1.09%とやや上回った。実店舗と同時に開催したオンラインショップでのセールでは、DM対象者がDM非対象者に対して600.0%の平均購入額だった。
今回の施策に取り組んだ理由について、「購入意思が高いと想定される未購入者をセグメントすことにより、ハガキDMの効果を高めることが狙い」(ヒマラヤの経営企画室)と説明。施策の結果を踏まえ、ユーザーデータを活用した販促の取り組みを今後も検討していくという。
ヒマラヤが実施したハガキDMを活用したO2O施策は、顧客体験プラットフォーム「KARTE(カルテ)」と印刷APIサービス「Codenberg(コーデンベルク)」を活用した。会員情報を「KARTE」と連携し、サイトの閲覧行動と紐付けた上で、配信対象者を抽出。8つのセグメントにハガキDMを送った。