日本生活協同組合連合会(日本生協連)は1月20日、全国の地域生協における事業概況と今後の活動方針を発表した。2025年4~11月度の宅配事業は、利用人数が前年同期を下回ったものの、値上げによる単価上昇で客単価が増加し、供給高(売上高)全体では前年実績を上回った。店舗事業も単価増を背景に供給高が前年を上回り、日本生協連全体の総供給高もプラス成長となった。
宅配事業
2025年4〜11月の宅配事業は、利用人数が前年を下回る一方、値上げによる単価上昇で客単価が伸び、供給高全体では前年同期を上回った。受注高は前年同期比0.5%増、利用単価は同3.1%増、利用人数は同2.3%減、利用点数は同3.1%減だった。
物価高騰に伴う単価上昇が供給高を押し上げる一方、主力の加入経路である戸別訪問の減少、夏季一斉休業以降の利用人数の低下(98%台)など、利用人数の確保が課題となっている。
宅配事業では、生産性向上と加入促進の両面で施策を展開している。業務標準化による生産性向上を目的とした「宅配センター標準化スクール」を実施(2025年度は全国から12会員生協が参加)。組合員加入促進に向けて、優良事例やノウハウの全国共有・実践、デジタルツールの活用、営業専門部署の設置など、新たな加入経路の開拓と体制強化を進めている。
店舗事業
2025年4〜11月の店舗事業の供給高は、主要48会員の累計で前年同期比2.9%増。米価高騰といった食品価格の上昇により、単価が伸びたことが主な要因だ。
利用単価は同2.7%増、利用人数が同0.2%増、利用点数は同1.6%減。実質的な「買い上げ点数」は前年割れが続いており、組合員の節約志向が強いと見られる。
店舗網については、建築コストの上昇や好立地の確保難を背景に、新規出店は4店舗にとどまった。一方で、既存店のスクラップ&ビルドや改装(リニューアル)を重点的に推進。生鮮売場の拡大、簡便需要に対応した総菜・冷凍食品売場の拡充・品ぞろえ強化、セルフレジ(フル/セミ)や自動発注システムの導入を進めた。
また、既存店への宅配ステーション設置も進め、組合員の利便性向上や来店動機の創出につなげている。
日本生協連の総供給高は3415億円
日本生協連全体の2025年4〜12月の総供給高は、前年比0.6%増の3415億円。内訳は、コープ商品事業供給高が同1.6%増の2763億円、キャロット事業(NB中心の日用品・消耗品)が同3.8%減の243億円、カタログ事業(衣料品など)が同3.2%減の379億円、ギフト事業が同0.8%減の29億円。
コープ商品事業が堅調に推移する一方、NB商品中心のキャロット事業やカタログ事業は前年割れとなっており、価格高騰下での消費行動の変化やチャネルシフトの影響が見て取れる。
2026年度は3大施策を柱に
日本生協連は2026年度、以下の3施策を柱に、組合員のくらしを支える取り組みを強化する。
100か月CO・OP
日本生協連とコープ共済連は、2月21日から新コンセプト「100か月CO・OP」を掲げた共同施策を全国で開始する。こども家庭庁が推進する「はじめの100か月の育ちビジョン」に賛同し、妊娠期から子どもが8歳頃までの「はじめの100か月」を支える離乳食、宅配サービス、共済(保障)などの商品・サービスを特設サイトで発信する。子育て世帯の負担軽減を図るとともに、妊娠から100か月の間、くらしに寄り添い続ける生協の価値を訴求し、利用拡大と組合員拡大をめざす。
くらし応援全国キャンペーン
コープ商品を特別価格で提供する「くらし応援全国キャンペーン」を強化する。これまで年1回だった実施を、2026年度からは春・秋の年2回に拡大。対象商品数も230品から300品に増やす。過去のキャンペーンでは、冷凍食品や日配品などが好調に推移しており、今後も食卓の主役となる商品や節約ニーズの高い商品を中心に、価格と品質の訴求を強化し、家計防衛を後押しする。
生協の日「推しコープ」
7月30日の「消費生活協同組合の日(生協の日)」に向け、「推しコープ」企画を展開し、商品の価値訴求を強化する。CO・OP商品、通販、キャロットの3部門が連動し、日本生協連創立75周年を記念した「75周年感謝価格」「75周年特別商品」を展開する。また、職員や組合員から「推し商品」を募る人気投票を実施。寄せられた声を次期主力商品の育成などに活用し、双方向のコミュニケーションを通じて商品の魅力を広げるプロモーションを行う。