経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(BCG)は5月27日、企業経営者110人と消費者1000人を対象に実施した、中東情勢の不安定化に伴う商品・サービス価格やコスト上昇への影響に関する調査の結果を公表した。影響があると回答した企業の約9割が価格転嫁を実施済みまたは検討している一方、約5割はコスト上昇分の半分以下しか価格転嫁できないと見込んでいることがわかった。
企業調査では、中東情勢の影響が会社・事業にあると回答した経営者のうち、約7割が今後3~6か月以内に追加の価格改定を行う可能性が高いと回答した。
価格転嫁を進める一方で、主な障壁としては「顧客の価格抵抗・反発」(44%)、「競合他社との価格競争」(42%)、「需要減少への懸念」(40%)が上位にあがった。顧客関係の悪化や価格競争力の低下による取引減少を懸念し、十分な価格転嫁に踏み切れない企業の実態が浮かび上がった。
消費者調査では、中東情勢の不安定化が今後の日本の物価に影響すると考える人が9割超にのぼった。影響が出ると考える項目は、ガソリン代や電気・ガス代が86%で最も高く、日用品価格が75%、食品価格が70%で続いた。
今後1年以内の商品・サービスの値上げについては、約6割の消費者が「5%程度までならやむを得ない」と認識している。価格感度が高いとされる日用品や食品でも、その割合は6割に達した。企業側は値上げによる顧客離反を懸念している一方で、消費者側には一定程度の値上げを受け入れる余地があることがうかがえる。
また、約5割の消費者は、値上げ理由について明確な説明があれば受け入れやすくなると回答した。受け入れやすい値上げ理由としては、「原材料高騰への対応」を挙げた人が約4割だった。BCGでは、消費者の納得感を得るには、適切な値上げ幅を見極めたうえで、フェアだと感じられる理由を伝えることが重要だと指摘している。
調査概要
中東情勢の影響に関する経営者調査
- 対象:年商100億円以上・従業員数300人以上の企業経営者(創業者・オーナー経営者など)および会社役員(取締役・執行役員などの経営層)
- 調査方法:オンライン調査
- 実施時期:2026年4月10~13日
- 回答者数:110人
消費者調査
- 対象:全国の18歳以上の男女
- 調査方法:オンライン調査
- 実施時期:2026年4月14日
- 回答者数:1000人

