これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言

ecbeingは「ecbeing FORUM 2026」で、BtoC、BtoB、AI、オムニチャネルを横断しながら、これからのECの将来像を提示した。ECを単なる販売チャネルではなく、顧客体験と業務全体をつなぐ基盤として再定義している。

鳥栖 剛[執筆]

10:00

ecbeingは5月22日に実施他「ecbeing FORUM 2026」で、これからのECが向かうべき方向性を示した。BtoC、BtoB、AI、オムニチャネルを横断しながら、ECを単なる販売チャネルではなく、顧客体験と業務全体をつなぐ基盤として再定義。AI時代におけるECの進化と企業が取り組むべき課題について提言した。

これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言
ecbeingは5月22日に「ecbeing FORUM 2026」を実施

ecbeingが描くECの将来像、「オムニ3.0」の先へ

フォーラムでは、顧客1人ひとりに最適化された商品提案や、レビュー・画像・動画といったUGCを活用したマーケティング、AIによる接客や検索体験の高度化などが重要テーマとして取り上げた。

また、店舗・EC・アプリ・CRM・店舗スタッフによる接客などを連携させるオムニチャネルや、AIデータマーケティングによる顧客理解の深化についても言及。ECを中心とした企業のデジタル戦略の方向性を示した。

そのなかでecbeingは、オムニチャネルの進化を5段階で整理した。

これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言
ecbeingが整理したオムニチャネルの進化の推移
  • 【1.0:マルチチャネル】
    ・チャネル数を増やす段階
    ・実店舗、EC、カタログが独立運営
    ・2000年代
  • 【2.0:チャネル統合/OMO】
    ・チャネルの壁をなくす段階
    ・在庫、顧客ID、ポイントを統合管理
    ・2010年代
  • 【3.0:ユニファイドコマース】
    ・顧客ごとに最適化する段階
    ・CDP×AI×リアルタイムデータを活用
    ・2020年代前半
  • 【4.0:コネクテッドコマース】
    ・売り場そのものがメディア化
    ・リテールメディアや購買データを活用
    ・2020年代後半
  • 【5.0:エージェンティックコマース】
    ・AIが購買行動を代行
    ・AIエージェントが比較・選択・購入まで担う
    ・2030年以降

ecbeingによると、ECは「売る場所を増やす」段階から、「顧客ごとに最適化する」段階へ、さらに「売り場そのものが情報や体験を提供するメディアになる」段階へと進化しているという。

今後はチャネル統合だけでは差別化が難しくなり、AIとデータを活用した顧客体験の個別最適化が競争力の源泉になるとの考えを示した。

顧客体験は4象限で考える時代に

ecbeingは顧客体験(CX)のあり方について、「4つのオムニチャネル戦略モデル」として整理。縦軸を「外部・社会との連携」と「自社単独の囲い込み」、横軸を「機能的・経済的価値」と「パーパス・長期ロイヤルティ価値」とし、顧客との関係性を4つの類型に分類した。

これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言
ecbeingが整理したオムニチャネル戦略モデル
  • 【A:パーパス・ドリブン型】
    企業の理念や価値観を顧客と共有し、共感を軸に関係を構築するモデル。
  • 【B:経済圏連携型】
    グループ企業や提携先との連携によって経済圏を形成し、顧客接点を広げるモデル。
  • 【C:購入・利用促進型】
    ポイントや会員特典などを活用し、継続的な購買や利用を促進するモデル。
  • 【D:カスタマーサポート型】
    購入後のサポートや接客体験を通じて長期的な信頼関係を築くモデル。

ecbeingは、オムニチャネルの本質は店舗とECをつなぐことではなく、「どの価値で顧客との関係を構築するか」を設計することにあると説明。単なる在庫連携やポイント統合にとどまらず、顧客との関係をどの軸で深めるかまで含めた戦略設計が重要だとした。

BtoB-ECは「受注のデジタル化」の先へ

BtoB領域についても、ecbeingは将来像を提示した。現在のBtoB取引では、次のような課題がある。

  • FAX、電話、メールによる受発注が残る
  • 営業担当者による個別対応が中心
  • 受注や見積業務が分断されている
  • 仕入先との連携が煩雑
  • 保守や問い合わせ対応が別運用

これに対し、将来的にはBtoBデジタルプラットフォームを中心に、AI-OCRやカスタマーポータル、営業・カスタマーサポート連携、サプライヤー連携、AI活用を組み合わせることで、以下のような姿をめざす。

  • FAXをAI-OCRでデータ化
  • 営業、カスタマーサポート、仕入先が同じ基盤上で連携
  • 受注から請求、保守までを一元管理
  • 継続的な顧客接点を構築
  • AIが見積作成や運用業務を支援

期待される効果としては、「業務効率化」「属人化の解消」「売上拡大」をあげた。 ecbeingは、BtoB-ECを単なる受発注システムではなく、営業、サポート、仕入先連携、保守まで含めた企業間取引全体を支えるプラットフォームと位置付けている。

これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言
BtoB-ECは「受注のデジタル化」の先へ

また、販売店、取次店、サプライヤー、営業担当者など、多様なステークホルダーが関わる複雑な商流にも対応し、商流全体のデジタル化を実現する考えを示した。

FAXや営業担当者を介した取引が残る現実を前提に、それらを排除するのではなく、デジタル基盤へ取り込むことで全体最適を図るという発想だ。

これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言
BtoB-ECにより商流全体のデジタル化の実現へ

AI時代のEC運営をどう変えるか

フォーラムではこのほか、海外ECの最新動向、セキュリティ対策、UGC・レビュー・動画を活用したマーケティング、AIデータマーケティング、店舗とECのデータ統合などについても紹介した。

AI活用をテーマにしたセッションでは、AIエージェントによる分析やレポート作成、CRM活用、検索体験の進化に加え、AI時代に求められる接客やレコメンド、パーソナライズのあり方について解説。EC事業者が今後取り組むべきテーマを具体的に示した。

フォーラム終盤には、ecbeingの林雅也社長も登壇。EC業界を取り巻く大きな変化を踏まえ、AI時代における顧客体験の創出や、BtoC・BtoB・オムニチャネルを横断した支援の重要性について説明した。あわせて、ecbeingが提供する技術、サービス、人材を組み合わせた総合支援体制について紹介した。

これからのECの将来像は? BtoC、BtoB、AI、オムニチャネル――AIが顧客体験の質を左右する時代のECのこれからをecbeingが提言
講演するecbeingの林雅也社長

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