【おせち商戦スタート】シニア向け通販「ハルメク」のおせち戦略、差別化は「顧客と作る」
ハルメクの2024年用おせちは、「新しい和食(新和食)の会席おせち」をコンセプトに展開する。昨年よりも予約開始時期を早めて9月から受け付けるほか、早期限定おせちの販売強化にも取り組むことなどで、販売目標は昨年実績の3万5900台に対して今年は4万台をめざす。
おせち開発は読者との“共創”
ハルメクの通販は“顧客理解”を重視しているが、おせちの開発も同様に読者と一緒に作り続けていることが強みだ。
たとえば今年は、1月におせちの購入者アンケートを一つひとつ目を通し、不満点、改善点をチェック。3月にはアンケートの意見をもとにメーカーと協議を重ね、4月に試作品を開発チームで試食、検討し、5月にオンラインとリアルで試食会を実施した。
6月に読者試食モニター200人の協力を得てアンケートを実施。7月に読者試食会の意見を反映させてハルメクおせちを完成させた。
おせちは編集部が全品素材を厳選し、人前ごとにきちんと食べられる数を入れているほか、ダシの旨みで薄味仕立てに仕上げている。また、主原料に中国産のものは省き、合成の着色料・保存料は使用していないという。
2024年用のおせちについては、伝統的な縁起・ぜいたく食材を3世代が楽しめる“新和食”に仕立て、前菜から甘味までの会席フルコースが楽しめる。
高級素材をふんだんに使用。価格は最大5万円超
主力はプレミアムとスタンダードの2商品で、プレミアムおせち「福寿」(1~6人前、税込1万700円~5万3400円)は、職人の技と工夫を凝らし、高級食材を使用したワンランク上のおせちで、伊勢エビや栗きんとん、昆布巻など伝統の基本メニューに、寒サワラ西京焼き、アワビ旨煮など厳選の上質素材メニューを加えた。
スタンダードおせち「彩」(2~6人前、同1万2000円~3万3600円)は基本のメニューと彩り料理のバラエティおせちとなる。ブリ焼きや黒豆、伊達巻きなどの伝統基本メニューに、真ダイの塩こうじ漬け焼きトマトソース、イチジク入りクリームチーズなどの彩り料理を添えた。
加えて、早期限定おせちとして、2商品を展開。「七福神」(3人前、同3万5400円)は希少な国産素材の厳選おせちで、黒豆、昆布巻、田作りなどの伝統基本メニューに、北海道産数の子、九州産車エビなどの国産高級素材を合わせた。
「さくら」(2人前、同2万3600円)は高級食材が少量ずつの最多品目で、和のお重にはカニ爪の甘酢漬、ブリのアオサ焼きなどを、洋のお重にはアワビのエスカルゴバター焼、ホタテ貝柱ボッタルガ焼などが入る。
サイドメニューも充実
また、ハルメクおせちのサイドメニューとして、「HATAKEAOYAMA監修 野菜を味わう洋風オードブル」(税込1万1000円)や、「生ずわい蟹のしゃぶしゃぶ」(同7800円)、「北海旬鮮便6種」(同6500円)なども提案する。
予約販売は9月から。前年よりも早めスタート
今回、予約販売時期を従来よりも早めて9月から受け付ける。「ハルメク」の雑誌読者には9月におせちの冊子を同封。本格展開を始める10月以降は通販カタログでも大々的に取り上げるほか、11月には新聞広告を活用して新規ユーザーを開拓する計画だ。
早期限定おせちの「七福神」と「さくら」については、昨年まではVIP会員だけに提案していたが、今年から全国通販などグループ全体で販売することになり、ハルメクでも広く注文を受ける。
完成披露試食会を都内で初開催
また、今年は初の取り組みとして7月27日におせちの完成披露試食会を都内で開催。ハルメクおせちの購入経験者やモニター参加者、ハルメク365の会員、VIP会員など約25人が参加した。当日は試食だけでなく、「ハルメク」で人気連載を執筆する料理研究家、横山タカ子さんのトークショーなども行った。
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