通販新聞[転載元] 1/25 7:00

ジャパネットグループが展開する豪華客船で各地を巡るクルーズ旅行の販売が順調に伸びている。コロナ禍の影響から2020年以来、催行を休止しており、2023年は久々の販売再開となったが顧客の利便性に配慮したサービスやわかりやすい料金設定などが奏功。年間13回催行したクルーズ旅行はどれも盛況で合計参加者は同社では過去最高となる4万人を超えた。ジャパネットグループでクルーズを含む旅行事業を手掛けるジャパネットツーリズムの茨木智設社長にジャパネットクルーズの特徴や好調要因、今後の方向性について聞いた。

ジャパネットツーリズム 茨木智設社長
ジャパネットツーリズム 茨木智設社長

クルーズ好調の理由とは?

コロナ禍19年比で2倍の顧客が利用

――クルーズの販売が好調だ。

2023年は5月から11月にかけて13回の就航を実施して、4万人以上のお客さまに参加頂くことができた。コロナ禍の影響で催行自体、しばらく休止していたがコロナ前の2019年の参加者数は年間2万人程度だったため、2023年はその倍以上のお客さまに参加頂けた

――一般社団法人日本外航客船協会が主催する旅行業界の健全な発展に寄与したクルーズ商品を表彰する「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2023」のグランプリ(国土交通大臣賞)をジャパネットグループのクルーズ旅行企画が受賞した。

2018年にも優秀賞を頂いたがグランプリは初めてで大変、ありがたい。当社がクルーズの販売を開始した当初は一部では警戒されていたが、改めて業界の仲間に受け入れて頂いたように思う。本当に嬉しい。

12月22日開催の「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2023」の表彰式の様子(左から日本外航客船協会の遠藤弘之会長、國場幸之助国土交通副大臣、茨木社長、ジャパネットツーリズムのクルージング企画戦略部・藏座美菜子氏)
12月22日開催の「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2023」の表彰式の様子(左から日本外航客船協会の遠藤弘之会長、國場幸之助国土交通副大臣、茨木社長、ジャパネットツーリズムのクルージング企画戦略部・藏座美菜子氏)

 

新規顧客の利用ハードルを下げる

――顧客から支持を得られている要因は。

クルーズ旅行はリピート率が高く、同じ方が何度も参加することで成り立っている市場だ。つまり、一度参加すれば繰り返し、再び参加してみたくなる非常に満足度の高い優れた商品だが、「最初の参加」のハードルが高いために新規の参加者が増えにくく、市場拡大のネックとなっていたように思う。

当社が販売するクルーズでは全船をチャーターすることでお客さまにとって過ごしやすい環境を整え、そうしたハードルの高さをなくす取り組みを行ってきた。

――ハードルの高さをなくす取り組みとは。

わかりにくさや不便さの解消だ。たとえば、当社のクルーズは外国船を使用しており、通常、船内の案内や船員とのコミュニケーションは英語となるが、船内の案内を日本語に変えたり、当社のスタッフを乗船させたりなどして日本語が通じるようにした

また、外国船のため、日本の宿泊施設では当たり前のように備えてある歯ブラシやひげそりなどのアメニティがないが、当社で用意するなどの工夫も行っている。

一般的にクルーズではアルコール飲料などは別料金となっていることが多かったり、チップ代が別途必要だったりするが、こうしたものを含めてすべて込みの価格として、追加の料金が発生しないようにするなど工夫した。

テレビショッピングでの訴求が奏功

外国船に乗ったことがない日本の方からするとやはり不安や不満になってしまうことがある。我々としてはなるべくそうした不安や不満をお客さまが感じなくてもよいよう最大限の工夫を施した。豪華で快適な旅であることに加えて、初心者でもハードルはそれほど高くないことなどをグループ会社であるBS放送局「BSJapanext」の旅行番組や我々の強みであるテレビショッピングでしっかりと丁寧にお客さまにお伝えできたことなどが多くのクルーズ未経験層に参加頂けた一因になったと思う。

課題は客船大型化に伴うオーバーツーリズム

――現状の課題は。

お客さまの船内での楽しみを追求するためにクルーズで使用される客船はどんどんと大型化してきている。顧客満足度のためにはよいことだが一方でそれだけの乗客を受け入れるためのキャパシティには限界も出てきている。寄港地について観光する際にバスが足りないとか、寄港地の食事処も人であふれてしまうなどいわゆるオーバーツーリズムの問題だ。その部分のケアが課題と言える。

対策としては敢えて乗客は定員を下回る数に抑えるなどの取り組みを行っている。もちろん、売り上げを考えれば定員いっぱいまで販売すべきだろうが、それではお客さまにストレスがかかってしまうためだ。そうしたことはお客さまにはお伝えしていないが、極力お客さまに楽しんで頂けるような施策は今後もやっていく。

2024年はリピーター向け施策を加速

――今期(2024年12月期)のクルーズ事業の目標は。

初心者の方に安心してクルーズを楽しんでもらうための工夫を行っていくというのは引き続き継続して改善を重ねていくがもう1つ、2024年からリピーター向けの施策を強化していきたい。

より高級なクルーズを楽しみたい方向けのラグジュアリーな客船で行うクルーズや日本一周ではなく、沖縄など特定の場所にクルーズで行くツアー海外まで飛行機で行き、そこから客船に乗り込んで各地を巡るものであったりと一度、当社のクルーズ旅行に参加した方々がもう一度、参加してみたいと思えるような内容の異なる企画を行っていきたい。

売上高見込みは100億円超。堅調な推移を想定

――売上高の目標は。

2024年の春の催行分はほぼ売り切れてる状態で非常に順調に販売が進んでいる。円安など為替の問題もあるため、目標の売り上げは不透明な部分もあるが、2023年の売上高(約100億円)を上回る水準になるだろうと思っている。

とはいえ、あまり売り上げの拡大は意識していない。まだまだ新規顧客の開拓の余地はあり、加えてリピーター向けの企画もこれから。あわてず着実に行っていくことで引き続き順調に伸びていくと思っている。

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