通販新聞[転載元] 6/6 7:00

メガネブランド「Zoff」を展開するインターメスティックでは事業拡大に向けて取り組みを加速している。今年を「第2章」と位置付け、新たな価値を創出していくという上野博史社長に今後の「Zoff」の成長戦略などについて聞いた。

インターメスティック 上野博史社長
インターメスティック 上野博史社長

“ファッションアイテム”としてのイメージ転換で需要喚起

市場は5400億円規模

――メガネ業界の景況感については。

市場規模は2001年頃に6000億円程度だったが、現状はやや縮小して5400億円規模とされている。理由の一つは単価の下落がある。そもそも、生活必需品としてのニーズを基盤とした市場なので、この傾向が続く限り大きな変動はないだろう。しかし、我々はそこを変えていきたいと考えている。

――具体的な構想は。

感覚値にはなるが、標準的な商業施設に来店する顧客のなかで「Zoff」で購入する顧客は約1%程度となっている。つまり、99%にはリーチできていない状況にある。実際、ファッションとしてのメガネ利用率は全体の10%程度だろう。メガネという商材を必需品(ニーズ)ベースから欲求(ウォンツ)ベースに変えるイメージ転換が必要だ。

一例としてファッションアイテムとしての訴求強化やコラボコレクション品としての需要喚起など、間口を広げる取り組みを進めている。また、季節に合わせて年2回メガネを買い替えるという文化を創出すべく、商品ラインナップを拡充している。

春夏はサングラスの訴求強化

――注力商材は。

春夏は新作アイウェアやサングラス15シリーズ206種を展開する。注力アイテムはサングラスだ。4月4~5日に5年ぶりに開催したリアル展示会でもサングラスを全面的に訴求し、パーソナルカラー診断でおすすめのカラーレンズをセレクトする体験なども提供して好評を得た。

目標はEC化率30%

――自社通販サイトの現状と展望は。

EC限定商品の売れ行きが好調で、大型コラボ商品を年3回ほど打ち出している。将来的にはECの売上構成比を30%程度まで伸ばしていきたい。

バーチャルフィッティング利用者の購買率は4倍

――通販サイトに試着機能を導入した。

2021年にローンチした「バーチャルフィッティング」を今年3月末に大幅にアップデートした。ライブカメラを用いてリアルな着用イメージが手軽に確認できるサービスになる。同サービスを利用した場合の購買率が通常と比較して4倍になるなど一定の成果を上げている。

LINE連携によるコミュニケーション強化も重視している。昨年末には会員数が500万人を達成するなど順調。通知機能などを通して顧客とつながりが形成でき、商品理解促進にも役立つと考えている。

度付きメガネはOMOで対応

――外部モールでの販売状況は。

外部モールのなかでは度なしフレームが売れ筋ではあるが、一部モールで度付きメガネの販売は伸びている。ただ、ECで度付きメガネを販売する際の障壁は、顧客が自身の度数を把握していないという点にある。戦略としてECではフレームとチケットだけを購入してもらい、店舗でレンズを入れるなどOMOが基本となる。

顧客層ごとに戦略を分けて訴求

――広告投資は。

昨年はメジャーリーガーのラーズ・ヌートバー選手を起用したテレビCMを中心に展開したが、今年は配分を変えてSNS広告と車内メディアを軸に投資する。顧客層ごとに戦略を分けて細かくリーチしていく。

ラーズ・ヌートバー選手を起用したテレビCM
ラーズ・ヌートバー選手を起用したテレビCM

――課題点は。

人的リソース不足が大きい。商品企画や販促面でもまだやれることはある。たとえば約150人在籍するスタッフインフルエンサーについても、現在は個々の感性や嗜好にマッチした商品PRが主だが、今後は個々のKPIを設定し、商品プロデュースや販促まで一気通貫で実施していく。

アフターコロナの市況でサングラスは追い風

――業績面の評価は。

コロナ禍では営業停止期間などもあり苦戦した部分もあるが、現在は2019年頃の水準に戻ってきている。今年はようやく外出や旅行の機運も高まり、サングラス商材の追い風だと捉えている。

――現在の店舗数は。

国内店舗は299店舗、海外は21店舗。経済環境などを考慮して2023年末までに上海市の全店舗を閉鎖した。今後は若年層が多く近視人口も増加傾向のASEAN地域でプレゼンスを高めていく

独自性のある施策を予定

――今後の展望は。

社長就任4年目となる今年を第2章のスタートと位置付け、新しい価値を創出していく。その一環として、メガネ業界という枠にとらわれず、広い視点で社会に訴求・発信する方法を外部のクリエイターの方々と構築している。「Zoff」らしい独自性ある施策を仕掛けていくつもりだ。

コロナ禍によるデジタルシフトの加速を受け、特に子どもの近視化が世界的な問題となっている。目の健康を啓蒙する出張授業なども開催しており、社会的なイシューにも積極的に参画していく。

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