通販新聞[転載元] 6/7 7:00

オイシックス・ラ・大地は4月18日、冷蔵総菜の新事業「デリOisix」を開始し中食市場に参入した。これまでは食材をネット販売し新規市場を開拓し成長してきた。一方で、中食市場は定期購入を中心に参入企業が多く競争は激化している。サービス開発本部サービス進化室Readytoeatチームマネージャーの荒川桃子氏に、今後の戦略を聞いた。

オイシックス・ラ・大地 荒川桃子氏
オイシックス・ラ・大地 荒川桃子氏

「デリOisix」は目標1000万食

サブスクで差別化

――目標とする1000万食の達成の見込みは。

ターゲットとなる共働き世帯1200万世帯のうち0.5%を獲得すれば達成できる。そのためのPRプランを今練っている。

――競合となるサービスは。

競合は顧客の「自炊」だと考える。ミールキットで家族が満足するメニューを提案してきたノウハウがある。1日分のデリをミールキットや牛乳、パンなどと一緒に購入することが可能で、幅広い食のニーズに対応できる

「デリOisix」で届いた冷蔵総菜の利用の仕方
「デリOisix」で届いた冷蔵総菜の利用の仕方

――競争が激しいなか食市場でどう差別化するか。

顧客にはまず体験してもらいたい。デリだけを販売する他のサービスとは異なり、デリ以外の品ぞろえがあることが強みになるだろう。

デリは1日分から、牛乳やパン、ミールキットなどと一緒に購入可能で、食品宅配サービス全体で顧客の幅広い食のニーズに対応できる。多様な品ぞろえがあることを、顧客がサブスクを利用する際の意思決定のポイントにしたい。

顧客の食のニーズに広く対応する
顧客の食のニーズに広く対応する

将来的な位置づけは中核商品

――なぜこのタイミングだったのか。

市場調査と、製造やインフラの整備を行い準備した。100時間以上にわたる顧客インタビューや配送テストなどを経て、事業を立ち上げた。

――「デリOisix」で新規顧客を獲得する。

最初は自社顧客向けに提案し、続いて新規顧客層に向けてメニューを提案する。これだけしか買えないサービスにするつもりはないが、デリを中核的な商品と位置付けたい。今後は、5食分もニーズがあれば展開したいが、消費期限をコントロールする工夫が必要。

――中食市場は参入企業が多い。勝算は。

食品宅配「Oisix」はミールキットをフックにトライアルから定期購入に引き上げ、定期購入者数は38万以上に拡大している。ノウハウを持ったメンバーと一緒にPRプランを検討している。

「割引」「ゲーム性」など複数パターンで訴求

――サブスクは割引訴求するWebマーケが主流だ。

割引訴求を含めて検討している。ただ、1回ごとの割引率は低いが4週間体験のほうが良いのかは、実験していかないとわからない。複数パターンをテストしていくことになるだろう。

――ゲームを用いたWebマーケティングが得意だ。

ゲーム性のあるマーケティングの施策も検討していく。勝ちの形であればそこにはめるやり方もある。割引せずに需要があれば割引せずに訴求するかもしれない。いろいろな道筋を踏まえてパターン実験をしたい

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