オイシックス・ラ・大地は今後、事業をどのように成長させる? 消費の多様化への対応、BtoB強化などの戦略
オイシックス・ラ・大地は2030年3月期、「Oisix」などで構成するBtoCサブスク、給食や社食高齢者施設向けなど法人向けBtoBサブスクの合計売上高を現在の約2倍弱となる3000億円まで拡大させる。2025年3月期の決算説明のなかで中長期目標を掲げた。
BtoCサブスクリプション
BtoC事業の中長期目標は、2030年3月期の「Oisix」会員数を2025年3月期比で69.5%増の60万人に拡大、年成長率は11.1%をめざす。目標達成に向けて商品開発やプロモーションの強化を進める。
商品開発では、「プレミアム」ニーズ、「時短」ニーズの双方を満たす「プレミアム時短」を踏まえた商品・サービスを提供する。
「プレミアム」では有名ブランド・著名人とのコラボなどでオイシックス・ラ・大地でしか手に入らない商品を開発。「時短」では10分で仕上がる「超ラクKit」、レンジで5分の冷蔵手作りおかずの「デリOisix」などの商品開発を強化する。また、5万人以上の定期会員をめざす新サービスの開発、展開を加速する。
そのほか、フルーツ、菓子、日配品、惣菜、米などの既存商品強化やホーム&キッチンなどの新規商品を開発。グループ会社と連携した新商品開発にも取り組んでいく。
プロモーション面では、SNSやテレビなどのメディア活用、コラボ企画などの施策により、ブランド・サービスに対する認知度と利用意向を高める。首都圏を除くエリアで依然として低い傾向にあるブランド認知度の向上を図る。大手スーパーやイベントなどのオフラインチャネルや、ネットスーパーなどのオンラインチャネルに商品を展開し、認知拡大を進める。
BtoBサブスクリプション
BtoB事業の中長期目標は、2030年3月期の契約施設数を2025年3月期比で63.5%増となる3000施設まで拡大、年成長率は10.3%をめざす。商品開発、営業力の強化、収益性の改善を進める。
商品開発
業務用ミールキットや調理済み食品の活用により少人数での運営を実現する「タイパ給食モデル」をさらに進化。保育園に加え、社食・高齢者施設セグメントへの横展開を進める。
そのほか、「Oisix」で人気のコラボKitなど、グループの強みであるメニュー開発力やイベント企画力を活用した商品・サービスを展開。また「Oisix」基準の安心・安全で美味しい野菜を活用したサラダバーや、給食メニューの展開による満足度の向上を図る。
営業力の強化
複数媒体を活用した採用活動強化・待遇改善による離職率改善で、新規案件獲得のボトルネックとなっていた慢性的な人員不足を解消。また営業資料のクリエイティブや試食会運営を改善していく。
収益性の改善
店舗別・契約形態別の収益構造の見える化を徹底し、赤字・低収益契約を解消していく。シフト管理・食材管理を含む店舗運営の標準化を図り、全店舗での導入を徹底する。
そのほかオイシックスとの共同調達・加工を通じた食材費の低減やタイパ給食モデルの展開による省人化を通じ、さらなる労務費上昇環境においても、トータルでの労務費の低減を実現させる。
2025年3月期売上高は前期比72.5%増の2560億円
オイシックス・ラ・大地の2025年3月期(連結)における売上高は前期比72.5%増の2560億900万円、営業利益は同33.9%増の68億5400万円、経常利益は48.4%増の65億6100万円、当期純利益は同11.4%減の36億3800万円だった。
そのうちBtoCサブスクの売上高は同2%減の971億5200万円、内訳は「Oisix」が同4%減の596億6200万円、大地を守る会が同5%減の107億5300万円、らでぃっしゅぼーやが同0.3%増の166億4200万円、Purple Carrotが同11%増の100億9300万円だった。BtoBサブスクは同306%増の607億8400万円だった。
2026年3月期の連結業績予測は、売上高が前期比5%増の2700億円、営業利益は同17%増の80億円そのうちBtoCサブスクの売上高は同1%増の984億円、内訳はOisixが同4%増の623億円、大地を守る会が同2%増の110億円、らでぃっしゅぼーやが同6%増の176億円、Purple Carrotが同26%減の75億円。BtoBサブスクは同3%増の627億円としている。
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