通販新聞[転載元] 6/10 7:00

電子ギフトサービスなどを手がけるギフティでは、個人向けの電子ギフトサービスが従来からある定番の贈答シーンだけには捉われない、日常でも使えるカジュアルギフトとして利用が拡大している。近年は“推し活”をキーワードとした利用も増えており、SNSでの打ち出し方などを強めている。

「勤労感謝の日」にデジタルギフト――。新たな商機をつかんだギフティの成功事例

同社では豊富なラインアップのなかから、好きな商品を自由にえらべる選択型のギフト商品メニューとして「giftee Box シリーズ」を展開。同シリーズはさまざまなギフトシーンや季節行事といったテーマごとにマッチする商品を同社で選りすぐって集めたギフト企画となっている。

商品選びに悩まない設計が強み

なかでも、昨年に個人向けで売れ筋商品となったのが11月23日の「勤労感謝の日」に合わせて展開したもの。もともと勤労感謝の日は広く知られているものの、クリスマスや中元、歳暮のようにギフトを贈るようなイベントとしてはあまり浸透していなかった。

また、他の記念日のように母の日であればカーネーション、バレンタインデーであればチョコレートといった形でそれぞれ定番のギフト商材がイメージしやすいが、勤労感謝の日に関してはそうした前提があるわけではなかった。

そこで、贈り手が商品選びに悩まないように、同社がラインアップを提案している同シリーズとの親和性が高いと判断。仕事の疲れを癒やせるような立て付けで商品を取りそろえていき、バスグッズをはじめ外でレジャーを楽しむような体験ギフト、ごほうびとして食べたい高価なスイーツなどを提案していった。

勤労感謝の日向けの「giftee Box​​​​」の利用イメージ
勤労感謝の日向けの「giftee Box​​​​」の利用イメージ

販促に当たっては、普段一緒に働いている上司や同僚などに改めて感謝の思いを伝えるギフトイベントとして演出することを検討。「職場の人に『ありがとう』と伝える機会が意外にも少なかったため、日ごろの感謝を伝えるきっかけの日として、大規模なキャンペーンを実施していった」(第一事業本部C向けの竹内綾子副本部長)とする。

売れ行き堅調、「母の日」に迫る流通額

具体的には、11月の初旬ごろから公式SNSにおいてキャンペーン内容などを告知。あわせて、先着での割引特典も行い、また、相手の住所などを知らなくても「X(旧ツイッター)」のコミュニティ上などから贈ることができるという利便性を強調していった。

Xアカウントでも「勤労感謝の日」企画を訴求
Xアカウントでも「勤労感謝の日」企画を訴求

最初はトライアルからはじまった企画ではあったものの、当初の想定を超える売り上げを記録。特に500円前後の手軽な価格帯の商品が販売をけん引し、結果的には母の日や父の日向けのgiftee Boxに迫るほどの流通額になったという。

「(勤労感謝のギフト選びという)ハードルをいかにして超えるかということで、ボックスにしたことが商品として選びやすかったのではないか。購入途中での離脱も少なく、多くの人に企画に賛同してもらえたと思う」(竹内副本部長)と成功の理由を振り返る。

“推し活”が追い風に

贈り先としても、仕事関係だけにとどまらず、X上だけでつながっている、自身が日々応援して支えとなっている「ユーチューバー」や「ブイチューバー」を相手とした“推し活”に関する利用も少なくなかった。2024年以降についてはレギュラー企画として、前年以上に積極的に展開していく考え

“推し”をフックとしたギフトEC活性化

SNS上で贈れる手軽さに強み

今後の同社の戦略としては引き続き“推し活”が一つの鍵になると見ている。もともと、SNS上からでもギフトを贈れるというサービス設計が強みであったため、ここでの広がりとの相性を重視していく。

近年は大手菓子メーカーなどでもバレンタインデー“推しチョコ”といったキーワードを採用しており、ギフトと推しを紐づけた企画が市場全体で増えていることも追い風になっている。

“話題が広がるギフト”もポイント

また、推しのなかにはSNS上で活動している存在も多く、受け取り手のユーチューバーなどが「面白いギフトをもらった」と、配信中などに紹介するケースも考えられるとする。そうした機会が発生することもファンである贈り手にとっては魅力になると見ている。

「1対1に閉じた場面で贈るギフトだけではない。もらったものをSNS上で面白く報告できて多くの人たちの間で共有できるような“ネタ”になる商品を探している観点もある」(同)と説明。贈答後も含めて話題の広がりが期待できるようなギフトが鍵になっていくようだ。

加えて、SNS上のコミュニティのなかには実際に会ったことがなくても、投稿内容を通じて多くの人がつながっている場所もある。「実際に会える人がそこまで増えなくても、オンライン上でつながれるとなれば本当に無限にコミュニケーション機会が発生していくと思う。そうしたすべてのところにギフトで寄り添うことができるのではないか」(同)とした。

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