化粧品ブランド「フェヴリナ」などのフォーシーズHD、ビットコインなど暗号資産への投資事業をはじめとした金融サービスに参入

化粧品ブランド「フェヴリナ」などを展開するフォーシーズHDは7月11日、新事業としてWeb3.0を活用したシステム・金融事業に参入すると発表した。ビットコインなど暗号資産への投資事業などを手がけるとしている。
フォーシーズHDは、Web3.0はブロックチェーン技術や分散型ネットワーク、AI、IoTなどを融合させ、より個人のデータ所有権やプライバシー保護を重視した新しいインターネットの形態として、新たなサービスや事業の創出につながると認識していると説明。その上で、フォーシーズHDグループが展開する事業でも、Web3.0技術の活用は多くの可能性があるとしている。
具体的には、Web3.0の分散型プラットフォームを活用することで、美容健康分野で、よりパーソナライズされた製品提案やサービスを提供できる説明。美容健康関連分野の各検査サービスや商品とのシナジーは高いという。
また、ブロックチェーン技術で製品の原料調達や製造過程、成分情報の透明性を担保できると説明。消費者の信頼を獲得し、ブランド価値を高めることができるとした。
再生可能エネルギー事業への活用ではAIを含めたWeb3.0の技術を活用することで、効率的な仕入れ物件の取得や運営が期待できるとした。
こうしたなか、フォーシーズHDは新規事業として次のようなことに取り組んでいくという。
再生可能エネルギー事業における負担金の予測を目的としたシステムの共同開発・運用
2024年5月に再生可能エネルギー事業に参入。再生可能エネルギー事業では、固定価格買取制度(FIT)やその他の制度に基づいて、電力会社や事業者が負担金を支払う。これらの負担金は、電力料金や制度の変更で変動するため、将来の負担額を予測するシステムの開発が求められているという。
そのような環境下で、AIを含めたWeb3.0を活用することで、土地取得に関する精緻な見積もりの設計や効率的かつ計画的な運営につなげる考え。
金融サービス事業
資産運用の可能性を高めることを企業価値向上の手段の1つであると考え、暗号資産への投資事業を手がける。事業成長に伴う資産運用の一環として仮想通貨を保有、財務健全性の向上につなげる。
投資対象はビットコインで、事業拡大に伴う資産運用の一環として財務基盤の強化をめざす。運用方針として、適切なリスク管理体制の下、専門的知見を有する外部アドバイザーと連携しながら、慎重かつ戦略的に投資を判断する。
金融サービス事業は、松野博彦副社長を中心に浦太介CFOと経営企画室の3人で運営。今後、投資運用を段階的に手がけていくタイミングで、専門チームを組成していく方針という。
フォーシーズHDは6月、新株発行と新株予約権の割り当てで計約15億4000万円(差引手取概算額)の資金を調達すると発表している。調達資金の使途は、計13億2000万円を太陽光発電や系統用蓄電池の事業に関する開発資金などに充当するとしていた。なお新株予約権の割り当て先には実業家の堀江貴文氏、「青汁王子」こと三崎優太氏が名を連ねていた。
EC業界では暗号資産投資事業への参入が相次いでいる。直近ではアパレルのANAPホールディングスや、漫画のECサイトを展開するTORICOが暗号資産投資事業に進出している。