Amazon、自社出荷商品もプライムマーク表示を可能にする「マケプレプライム」を開始
プライム会員への訴求力が高まるほか、カートボックス獲得率なども向上し、売り上げ拡大に貢献
アマゾンは7月から、EC事業者が自社発送する商品をAmazonプライム対象商品として販売することができるサービス「マケプレプライム」の提供を開始した。
従来、Amazonプライム対象商品はアマゾンが提供する物流サービス「フルフィルメントby Amazon(FBA)」を利用する必要があった。「マケプレプライム」に参加すると自社倉庫から発送する商品もAmazonプライム対象商品と表示することができるようになり、売り上げ拡大が見込める。
「マケプレプライム」への参加はFBAと同様、商品ごとに設定が可能。Amazonの出品管理画面「セラーセントラル」から設定する。
参加商品はAmazonプライムのロゴマークが商品検索結果や商品ページで表示されるようになり、プライム会員に対して訴求力を高めることができる。
検索結果の上位に表示されるようになるほか、商品ページでは最も目立つ場所に表示(ショッピングカートボックスの獲得)される確率が大幅に高まる。
参加条件はヤマト運輸、日本郵便の配送サービス利用に加え、対象商品の北海道・本州・九州・四国への「お急ぎ便」の提供が必須。
また、Amazonプライム会員からの注文に対してはお急ぎ便・通常配送ともに配送料無料で提供する必要がある。プライム会員以外には通常配送の無料設定が必須。お急ぎ便は出品者が設定した配送料金で提供可能としている。
加えて、過去30日間の注文に対して、以下の配送品質基準を満たしていることが要件となる。
- 期日内配送率(予定日までの配送完了率):96%以上
- 追跡可能率(有効なお問い合わせ番号/伝票番号の入力率):94%以上
- 出荷前キャンセル率:1.0%未満
なお、現在の自社の配送品質については「セラーセントラル」から確認できる。
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「マケプレプライム」に参加することでプライムマークの表示や、カートボックスの獲得率の向上により、対象商品の売り上げが拡大することは確実と考えられる。
ただ、対価として通常なら購入者に請求できていた送料を回収することができなくなり、アマゾンからその分の補填もない。つまり、送料分を広告費と見て設計する必要がありそうだ。
商品などによってはFBAを利用したほうが安上がりになるケースも多くありそうだが、FBAで対応していない温度管理の必要な商品(冷凍食品など)や、FBAの利用がコスト的に難しい低回転の大型商品(家具や家電など)は利用価値がありそうだ。