セブン&アイのEC売上は10%増の976億円。オムニ戦略はLTV重視に転換

今後のオムニ戦略は2200万人の顧客基盤を生かし「顧客生涯価値」に重点を置く

渡部 和章

2017年4月10日 7:00

セブン&アイ・ホールディングスの2017年2月期におけるEC売上高は、前期比10.8%増の976億6000万円だった。ネットスーパーやセブンネットショッピング、食品宅配などが売り上げを伸ばした。

EC売上高はグループを横断したECサイト「omni7(オムニセブン)」に参加しているブランドの販売金額の合計。

ブランド別の売上高はイトーヨーカドーの「ネットスーパー事業(配達型)」が同3.0%増の447億3500万円、食品宅配の「セブンミール」は同15.5%増の266億7800万円、「セブンネットショッピング」は同62.9%増の141億400万円だった。主要ブランドでは唯一「赤ちゃん本舗」が同14.7%減の56億1700万円と売り上げを落とした。

2016年11月に完全子会社化したニッセンホールディングス傘下の「ニッセン」の売上高はEC売上高に含まれていない。

セブン&アイ・ホールディングスの2017年2月期におけるEC売上高は、前期比10.8%増の976億6000万円

オムニ戦略は「顧客生涯価値」を重視

セブン&アイは2016年10月、ECを中心に不特定多数の顧客にアプローチする従来のオムニチャネル戦略を転換した。「顧客ごとにグループ各社の利用状況を繋げ、全チャネルを通じてサービスの質を追求していくこと」を目標に掲げ、国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人に上る顧客の「顧客生涯価値(Life Time Value)」の向上をめざしている。

2017年2月期は「omni7(オムニ7)」における商品力の強化を図ったほか、各社共通のポイントプログラムやパーソナル販売などを可能とするスマートフォン用アプリの開発にも着手した。リリースは2018年春を予定している。

今後、リアルとITを融合させ、全ての購買データを補足するCRM戦略の仕組みを構築していく。

2018年春にリリースを予定しているCRM戦略の肝となるアプリ

開発を進めているアプリのイメージ(画像は中期経営計画から編集部がキャプチャ)

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