セブン&アイのオムニ戦略の今後は? 3Qのオムニ売上は2ケタ増の719億円
セブン&アイ・ホールディングスの2016年3-11月期(第3四半期)連結業績によると、通販サイト「omni(オムニ)7」を通じたオムニ売上は前年同期比14.2%増の719億2500万円だった。
本やコミックなどの「セブンネットショッピング」が全体の拡大をけん引。伸び率は同58.2%増で、売上高は100億8400万円だった。
セブン&アイはこれまで、「オムニ7」に代表されるオムニチャネル戦略の売り上げを“オムニ売上”として設定。オムニ売上は「EC売上」と「Webルーミング売上」(ネットで情報調べて実店舗で商品を購入する消費行動による売り上げ)の合算数値で、2016年2月期は1418億円を計上していた(2016年2月期は「Webルーミング売上」を除いている)。
だが、2016年9月からオムニ売上の算出方法を変更。「オムニ7」を通じた売り上げのみを決算資料に記載している。
そのため、2016年11月に完全子会社化したニッセンホールディングス傘下のニッセンのEC売上は計上されていない。現在までニッセンは「オムニ7」に参加していないためだ。
セブン&アイは期初段階で、2016年度(2017年2月期)にオムニ売上4000億円を計画していたが、オムニ戦略を大幅転換。新たに社長に就いた井阪隆一社長は2016年10月、「100日プラン」として、2018年2月期からの中期経営計画を公表した。
井阪社長は「オムニチャネルは当初計画と乖離(かいり)した状況になっている」と現状を説明。今後はグループ各社に共通IDを導入し、購買情報を一元管理することでグループ全体の客数を増やす戦略に変える方針を掲げた。
具体的には、グループ各社のスマートフォン用アプリ「セブンアプリ(仮称)」を開発。アプリをダウンロード、さらにグループ各社共通のポイントプログラムに入会してもらうことで、個々の消費者の趣味・好みにあった提案を可能にする、といった手法を考えているとした。
こうしたことを踏まえ、セブン&アイは専用アプリの開発に着手したことも明らかにした。
国内1日あたり約2200万人の来店客数とお客様のニーズに応える様々な業態を有する当社グループの強みを活かし、質の高いサービスを提供すべく、各社共通のポイントプログラムなどが利用可能なスマートフォン用アプリケーションの開発に着手いたしました。(2016年3-11月期決算短信より)