円安で越境ECにチャンス到来?海外への販路拡大で5割が市場調査中、課題は「言語」「契約」「施策がわからない」
東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォームを展開するShopee(ショッピー)の日本法人ショッピージャパンは、海外販路開拓に関する意識調査を実施した。回答者はECサイトを運営する卸売・小売業の中小企業経営者・役員101人。
海外販路拡大・開拓の成功のために行っていることを聞いた質問では、「海外市場調査」という回答が約5割を占めた。海外販路拡大・開拓を進める上で、課題に感じていることを聞いた質問では、「言語のハードル」「契約が難しい」「自社に合う施策がわからない」という回答が目立った。
海外販路の開拓意向に関する質問では、「事業規模の拡大のため」が63.4%、「景気の停滞・人口減などで日本の市場が縮小するため」が44.6%、「海外事業の足がかりのため」が30.7%。
回答者に「海外での販路開拓をしていきたい」と思う理由を自由記述で聞いたところ、「円安なので日本製が売れやすいから」などがあがった。
海外販路拡大・開拓の成功のために現在行っていることを聞いた質問では、「海外市場調査」が50.5%、「販売代理店・パートナー探し」が44.6%、「海外展示会出展」が36.6%。自由記述で他の取り組みを聞いたところ、「情報収集と商品開発」「日本国内で拡販している海外業者との接触」などがあがった。
海外販路拡大・開拓を進める上で3つの選択肢の中で最も注力していることを聞いた質問では、「『流通チャネル』の確保」が21.8%、「『販売チャネル』の確保」が50.5%。
「販売チャネル」の確保として具体的に検討していることは、「販売代理店を活用」が56.9%、「自社での越境ECの実施」が39.2%、「海外ECモールの出品代行を依頼」が25.5%だった。
海外販路拡大・開拓を進める上で、課題に感じていることは、「言語のハードルを感じる」が42.6%、「契約が難しい」が30.7%、「自社に合う施策がわからない」が29.7%。自由回答では、「適切な人材の採用と教育」や「進出地域の文化、風習等」などがあがっている。
海外への販路開拓のためにすでに「市場調査」を実施する中小企業が多く、「販売代理店の活用」を販売チャネルとして検討する企業が多いことが今回の調査で判明。ショッピージャパンは、言語のハードルや契約、信頼できる人材の確保、コロナ禍などハードルが多いことから、越境ECの実施を検討する経営者も増えてきていると見ている。
調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2022年5月25日
- 有効回答:ECサイトを持つ、卸売・小売業の中小企業経営者・役員101人