音響機器・映像機器メーカーのオーディオテクニカはこのほど、クローズド型のオーディオ製品の卸売商品向けEC「Audio-Technica Order System(ATOS)」を開設した。電話・FAX・メールを中心としていた一部販売店向けの受注業務をオンライン化し、BtoB取引における受注業務の効率化と精度向上につなげる。
アナログ受注からの脱却が急務に
オーディオテクニカは全社的なDX推進の一環として、業務プロセスの見直しとデジタル基盤の強化を進めている。そのなかで、アナログ業務が残っていた一部販売店向けの受注業務が課題にあがっていた。
従来は、営業担当者や営業事務が電話・FAX・メールで注文を受け付け、基幹システムへ手入力する運用が中心。FAX注文も多く、記載内容の確認や入力ミス対応に時間を要するなど、業務負荷が大きい状況が続いていたという。その結果、営業担当者が提案活動や顧客フォローに十分な時間を割けないこと、対応履歴が個人に依存する業務の属人化も問題になっていた。
こうした課題を背景に、オーディオテクニカはクローズド型の法人向けECサイト「ATOS」を構築。受注業務の効率化と精度向上を図り、営業担当者がより付加価値の高い提案型営業に注力できる体制作りを進める。
標準化・効率化、受注精度の向上と業務負荷の軽減を実現
「ATOS」は、得意先からの見積依頼に対し、在庫状況を確認・承認した上で正式受注へ進むプロセスをシステム上で完結。出荷可能な案件のみを確実に受け付ける仕組みとし、従来は担当者ごとに行っていた確認作業を標準化・効率化、受注精度の向上と業務負荷の軽減を実現した。
在庫や物流状況に応じた「分納」にも対応し、明細単位で出荷実績をシステムと連携。得意先は最新の出荷状況をリアルタイムで確認できるようになった。これにより、納期や出荷状況に関する問い合わせを削減し、取引先とのコミュニケーションの円滑化につなげる。
今後は、送料や支払い方法、サイト利用方法などの問い合わせに対応する生成AIチャットボットの導入を予定している。営業時間外でも即時対応が可能となり、得意先の利便性向上と、営業・事務担当者の問い合わせ対応負荷軽減を見込んでいる。
国内受発注の多くはEDIで運用しているが、残る手入力業務の標準化・平準化・効率化が課題だった。記述漏れや転記ミスの抑止、処理の一元化を目的に、手作業による入力対応が必要な取引先向けのBtoB ECサイト構築を検討した。結果として、取引先にも自社にも使いやすいサイトを実現することができた。(オーディオテクニカ担当者)
サイト構築基盤には「ecbeing BtoB」を採用
「ATOS」の構築には、ecbeingの法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」を採用。BtoB取引特有の商習慣に対応できる柔軟性とカスタマイズ性を生かし、受注から出荷までのプロセスをデジタル化した。これにより、業務効率化、正確性の向上、情報の可視化を実現している。
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