BEENOSが海外ユーザーを対象に実施した「越境ECと関税に関する意識調査」によると、税制改正によって越境ECの利用を控えている海外消費者は48.7%にのぼることがわかった。越境ECの利用頻度は「月に1回」が最も多い37.4%で、1回あたりの平均的な購入金額の最多は「5000円以上1万円未満」で20.9%だった。
調査対象は、アンケート開始日より1年以内に、BEENOSのグループ会社が運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」で商品を購入したユーザーのうち、表示言語を「英語」に設定している185人。調査時期は2026年1月14日~21日。
| なお、本調査の有効回答数は185件で、市場全体の統計的な母集団を網羅する規模ではない。越境EC購入者の解像度を高めることを目的に、調査結果を本記事にまとめている。 |
自国の関税や税制改正を74%が認識
自国の税制改正を認識しているか否かは、「はい」(認識している)が74.0%、「いいえ」(認識していない)が26.0%だった。
越境ECで日本から商品を購入する際、関税のかからない品目かどうか認識しているかを聞いたところ、「はい」が44.6%、「いいえ」が55.4%だった。関税がかからないかどうかを4割以上が気にしている。
関税の許容範囲は、「〜5%」が31.9%、「5%〜10%」が31.3%、「11%〜15%」が20.3%で、合計すると83.5%が「15%まで」を許容範囲としている。BEENOSは「2025年に実施された米国の相互関税は日本、EU、韓国など主要な同盟国で15%と設定されていたため回答が集中した」と考察。一方で、許容範囲が「16%以上」でも越境ECを利用する意思が感じられる回答も合計で16.5%見られた(関税の許容範囲「16~20%」と回答した割合は9.4%、「20%~」は7.1%)。
お得な購入を「強く意識」は33%
税制改正によるクーポンやキャンペーンの利用意向の変化を聞いたところ、最も多かったのは「もともと意識的に利用していたがより強く意識するようになった」で33.9%、続いて「もともと意識的に利用していたので変化はない」が21.3%、「もともと意識的に利用していなかったが意識的に利用するようになった」が17.5%、「もともと意識しておらずルール改正後もあまり意識していない」が27.3%だった。
安く商品を購入するための情報収集の方法は、最多が「1つの商品を複数のECサイトで価格比較」で79.3%、続いて「送料・手数料など商品価格以外を比較」が25.7%、「為替レートのモニタリング」が17.9%だった。
越境ECの利用状況の変化は、「一時的に利用を控え、現在も状況を注視」が最多で48.7%、続いて「ルール改正後の影響はあまりなく、利用状況にも変化はない」が20.2%、「ルール改正後の影響はあまりないが、状況を注視している」が16.9%だった。
越境ECの購入頻度は「1か月に1回」が最多
越境ECで商品を購入する頻度は、「1か月に1回程度」が最多で37.4%、続いて「3か月に1回程度」が32.6%、「半年に1回程度」が13.6%だった。「1年に1回程度」は8.2%、「1週間に2回以上」は3.8%、「1週間に1回程度」が4.4%で、合計45.6%が「月1回以上」と回答した。2024年11月時点での同調査で得られた「月1回以上」の回答は46.2%だったといい、前回調査から大きな変化はなかったという。
越境ECの買い物における1回あたりの平均的な購入金額を聞いたところ、最も多かったのは「5000円以上1万円未満」20.9%、続いて「2万円以上3万円未満」が18.7%、「1万円以上1.5万円未満」が17.0%だった。
支払い方法は「DDP」(商品購入時払い)が多い傾向
関税の支払い方法は大きく分けて「DDP」(Delivered Duty Paid、商品購入時払い)と、「DDU」(Delivered Duty Unpaid、商品到着時払い)がある。各利用状況について、最も多かったのは「主にDDPを利用している」で53.9%、続いて「DDPとDDUを併用している」が33.5%、「主にDDUを利用している」が12.6%だった。
DDPまたはDDUを利用する理由について、最も多かったのは「DDPは通関の手間がかからないから」で49.4%、続いて「DDPは事前に関税額が確定して安心だから」が46.1%、「DDUの方が安くなる場合があるから」が19.7%だった。
通関トラブルは約4割が「なし」と回答
通関について困った経験の有無は、「困ったことはない」が最多で38.8%、続いて「通関に時間がかかり荷物が届くのが遅れた」が36.1%、「商品到着時の支払いが想定より高額だった」が32.8%だった。「資料提出などの面倒な手続きがあった」「玄関先で関税や手数料を支払った」はどちらも14.2%となっている。
2025年に越境ECで商品を購入した際に関税の支払いがなかった商品分野について聞いたところ、最も多かったのは「関税は必ず発生した」で36.5%、「ホビー・玩具分野(トレカなど)」が32.9%、「書籍・印刷物(マンガなど)」が21.9%だった。
関税があっても購入したいモノは「アニメグッズ」「書籍」「音楽作品」など
関税やVAT(消費税)を支払ってでも日本から越境ECで商品を購入したい分野は、最多が「アニメグッズ(フィギュア・アクスタ・缶バッジなど)」が46.4%、続いて「書籍(マンガ・写真集・文庫本など)」が38.7%、「音楽作品(CD・レコードなど)」が32.0%だった。
購入したい理由は、「自国で購入できないから」が最多で76.1%、続いて「日本限定商品だから」が70.7%、「廃盤品だから」が60.3%だった。
調査概要
- 調査時期:2026年1月14日~21日
- 調査対象:アンケート開始日より1年以内に「Buyee」で商品を購入したユーザーのうち、表示言語を「英語」に設定している185人。回答者の居住地は米国53.1%、英国16.2%、シンガポール4.3%、その他の国が26.4%
- 調査対象国:米国、EU、英国、シンガポール、ブラジル、トルコ、タイ、ベトナム(2020年以降に関税やVATの免税措置が廃止、縮小した国)
- 調査方法:オンラインアンケート
- 調査主体:BEENOSグループ
