高野 真維 2023/3/1 9:00

I-neの2022年12月期(通期)連結決算は、売上高が前期比24.2%増の352億6900万円、営業利益は同38.5%増の32億3500万円だった。主力ブランドの配荷店舗数の伸長などが増収に寄与、増収効果やコストコントロールが営業増益につながった。

経常利益は同48.9%増の34億6900万円、当期純利益は前期比54.8%増の19億2700万円だった。

既存の主要ブランドや「YOLU」が売上増をけん引

ノンシリコンのアミノ酸シャンプーなどを展開する主力ブランド「BOTANIST(ボタニスト)」の売上高は前期比6.8%増。既存商品に加え、2022年8月に発売したエイジングケアラインの「ROOTH(ルース)」や、泡タイプのボディソープが順調に配荷店舗数を伸ばした。

美容家電ブランドの「SALONIA(サロニア)」は、主力商品のヘアアイロンとヘアドライヤーの好調な売れ行きが続いた。洗顔ブラシやEMSリフトブラシなどの高価格帯商品も堅調に推移。

「ボタニスト」や「サロニア」といった主力ブランドをはじめ売り上げが堅調に推移した(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
「ボタニスト」や「サロニア」といった主力ブランドをはじめ売り上げが堅調に推移した(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

ドラッグストア市場でシリーズ別売上シェア国内1位を獲得した()という、睡眠中の髪のダメージケアに着目したシャンプーなどを展開するブランド「YOLU(ヨル)」は、2022年4月に発売した新ライン「リラックスナイトリペアシリーズ」の引き合いが順調に継続した。

※ドラッグストア市場のシャンプー・リンスカテゴリーにおける商品シリーズ別の2022年10月、11月、12月単月の販売金額(I-ne調べ)

2022年6月末に買収したスキンケアブランド「WrinkFade(リンクフェード)」は、2022年12月期の第4四半期(2022年10-12月期)からI-neの連結業績に含まれている。「リンクフェード」は定期販売モデルで、単月の新規獲得顧客数は1万件超。顧客の維持や継続ができており、好調な滑り出しとなっている。

主力ブランドも育成中のブランドも堅調な増収を続けている(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
主力ブランドも育成中のブランドも堅調な増収を続けている(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

営業利益率は3年で2.7ポイント改善

売上高に占める営業利益率は、2020年と比較すると2.7ポイント改善し9.2%となった(前期比では0.8ポイント改善)。営業利益率改善の理由は、商品やチャネルミックスによる売上原価率の改善、物流拠点の集約化などによる物流費の削減――といった取り組みが奏功したため。物流費の改善は特に営業利益率の向上に寄与したという。

円安や原材料価格高騰といった社会情勢のなか、売上原価率は、共通資材化、プロダクトやチャネルのミックス、OEM先との密な連携強化などによりコントロールを徹底。改善につなげた。

こうした取り組みによって、2020年からの3か年で、売上原価率は3.9ポイント、物流費は2.9ポイント改善。それを広告費などに再投資し、営業利益率の改善に取り組んできた。2022年12月期は、広告費および販売促進費は前期よりも16億円増額し、マーケティング投資にあてた。

売上原価の改善に成功(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
売上原価の改善に成功(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

2023年12月期は10%超の増収を計画

2023年の通期業績は、売上高400億円(前期比13.4%増)、営業利益40億円(同23.6%増)、経常利益40億5000万円(同16.7%増)、純利益23億円(同19.3%増)を見込む。

売上高は前期比10.0%以上の増加をめざす。営業利益は一定の再投資を継続する一方、継続的な増益をめざす方針だ。

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