薬機法の広告表現を自動チェック&リライト提案する「機械良文」とは? “危ない”表現を改善するツールを薬事法広告研究所が開発
DCアーキテクトは3月1日、薬機法(旧薬事法)の広告表現に関する文章をAIで自動チェックするサービス「機械良文」β版の提供を始めた。薬機法に抵触する恐れがあるリスクワードを検出し、リスク回避に向けたリライト表現を新たに提案する。
DCアーキテクトが設立した、通販・EC企業向けに化粧品や健康食品の表示方法に関するコンサルティングを行う「薬事法広告研究所」を通じて提供する。
薬事法広告研究所がこれまでに実際に提案してきたデータに基づいてリライト案を提示。サービスを通じて、導入企業や利用者の広告表現のチェックと書き換えにかかる時間を削減する。
“危ない”広告表現をチェックし、リライト案まで一気通貫に提供
たとえば、化粧品のランディングページで「シミを改善」「肌の奥に浸透」といった表示がある場合、該当の表示を含むテキストを「機械良文」に入力すると、「くすみをケア」「肌の奥(※角層まで)に浸透」といったリライト案を提案する。単語のほか、前後のワード(文脈)から判断して問題のあるワードも検出する。
「機械良文」に搭載しているAI(人工知能)が、「シミを改善」「肌の奥に浸透」の表示が問題になる可能性があると判断する仕組みを搭載している。
薬事法広告研究所は大手の化粧品事業者など264社(2023年1月時点)との取引実績があり、年間の依頼件数は1万158件にのぼるという(2021年実績)。AIはこの実績に基づく広告表現の知見をベースとしている。
現在は化粧品に関連する広告表現のチェック、リライトの提案に対応。広告表現によるリスク低減のほか、「機械良文」によってチェックを行うスタッフの負担軽減にも役立つ。将来的には健康食品にもツールの対応領域を拡大していく。
「機械良文」の使い方は?
「機械良文」を利用した広告表現チェックの手順は次の通り。
- サービスの画面中、左側のボックスにチェックしたいテキストを入力
- ボックス下部の「実行」をクリック
- 右側のボックスに、表現にリスクがあるワードが赤字で検出される。赤字部分のプルダウンを開き、AIの提案による、問題のない表現を選択。
配信中の“無料版”は利用回数制限なし
薬事法広告研究所が公開した「機械良文」β版は無料で配信。一度に200文字のテキストをチェックすることができる。利用回数制限はない。
有料版は2023年5月から配信を予定している。有料版は月額1480円(税込)の定額制で、一度に最大5000文字までのチェックが可能になる予定だ。初期費用はない。
元・天真堂の取締役社長で、「機械良文」の開発に携わったDCアーキテクト執行役員の松﨑淳氏は、次のように話している。
「機械良文」は、「薬事チェックを行う時間を大幅に削減し、よりクリエイティブな活動に時間を使っていただきたい」という思いを込めて開発した。メーカーや広告代理店など、法人として化粧品広告に関わる方々はもちろん、それを支えるライター、インフルエンサー、アフィリエイター、クリエイターといった方々にもぜひ活用してほしい。(松﨑氏)