獲得コスト増、Cookie規制下の顧客データ取得の難化に悩む担当者必見。新規獲得などに役立つ「SmartNews Ads」活用とは
サードパーティCookie規制、リスティング広告の単価高騰など新規顧客の獲得がますます難しくなっているなか、注目が集まっているのがニュースアプリ「SmartNews」上で同社が展開する広告事業だ。ここ最近のトレンドとして、新たなユーザーにリーチしたい地域密着企業やEC企業による利用が増えているという。そしてこの6~7月、位置情報を活用した広告出稿や、企業自ら広告を運用できる機能を実装、「SmartNews」ユーザーへアプローチしやすくする環境整備を進めている。スマートニュース Ads Product 広告プロダクト GTM 責任者 部長の甲賀雄介氏、広告代理店第二事業部 事業本部長 今治和也氏に詳細を聞いた。

中堅・中小企業が利用しやすい広告メニューを強化
スマートニュースの広告事業「SmartNews Ads」では近年、中堅・中小企業(SMB)からの広告出稿が増加。2024年1-3月期(第1四半期)の出稿金額は前年同期比で44.7%増、アカウント数は同40.5%増と大きく伸びた。出稿企業は地域密着型の事業者、EC専売の事業者など業種を問わずさまざまだ。
サードパーティCookie規制の流れや、リスティング広告のクリック単価高騰といった市況から、事業者は新規顧客獲得に向けたコストが増加しやすい市況が続いている。こうした状況下で、「SmartNews Ads」に広告を出稿する事業者が増えているという。
スマートニュースとマクロミルが2025年4月に共同で実施した調査(対象は20~60代男女、回答数624人)でメディアごとの専念視聴(ほかの行動をせず、専念して観る)度合いを比較した結果、「SmartNews」の専念視聴は79%と、テレビや主要なデジタルメディアと比較して高い結果となり、最も専念視聴しているメディアだと推定されることがわかったという。
「SmartNews」ならではのアプリユーザーにアプローチできる点、ニュースコンテンツに隣接して表示されるため、不適切コンテンツに広告が隣り合わず、ブランドを毀損(きそん)しにくいことなどが広告主のメリットとなっている。
広告主によるユーザーへのリーチ拡大にも積極的。2024年4月には、従来の「SmartNews」に加えて、NTTドコモが運営するドコモユーザー向けのニュースアプリ「SmartNews for docomo」(旧「マイマガジン」)の両方のアプリへ広告を自動配信する仕様にアップデートした。
SMBの販路拡大やマーケティング支援にさらに貢献するため、「SmartNews Ads」で「セルフサーブ型広告」と「地点半径ターゲティング」の提供を始めた。
「セルフサーブ型広告」と「地点半径ターゲティング」は、「SmartNews」に出稿する 広告配信の利便性と精度を向上させる2つの新機能。「セルフサーブ型広告」は広告主自らが広告出稿・配信を管理できる機能で、「地点半径ターゲティング」は位置情報に基づいた高精度なターゲティングで「SmartNews」ユーザーにアプローチできるようにサポートする機能だ。
「SmartNews」は近年、地域密着型の企業や専門ECなど、中堅・中小企業(SMB)による広告出稿が拡大しており、これらは、SMBを中心としたEC事業者などの新規顧客獲得をサポートするという。

「セルフサーブ型広告」でより柔軟な運用
「セルフサーブ型広告」は、広告主がオンライン上でアカウント開設から配信設定、予算管理、決済までを一貫して行える。
広告は審査から最短1日で掲載。クリエイティブの変更もスピーディーに対応でき、広告主はタイミングや目的に応じた柔軟な運用ができる。最低出稿金額は設けておらず、少額からの出稿も受け付けるため、「SmartNews Ads」を初めて利用する事業者から大手広告主、広告代理店まで、幅広い層にとって使いやすい仕組みだ。
「地点半径ターゲティング」で特定エリアのユーザーにリーチ
「地点半径ターゲティング」は、管理画面の地図上で市区町村単位や任意の地点を中心に半径を指定し、広告配信エリアを柔軟に設定できる。配信エリアとして指定できる範囲は、半径500メートルから50キロメートルまで。高精度の位置情報を活用し、指定エリアを訪問したことのあるユーザーや、その地域を生活拠点としていると推定されるユーザーをターゲティングし、広告を配信できる。
商圏内の認知拡大や来店促進に有効な手段として、特に地域密着型ビジネスを展開するSMB広告主にとって効果的な広告配信となる。
「セルフサーブ型広告」の機能にも対応。広告主は配信設定や、「地点半径ターゲティング」を適用する範囲に応じた予算を即座に調整できる。

スマートニュースは、これまでもSMB領域に特化した専任チームの設置や広告配信システムの刷新、パートナーランク制度の導入など、SMB広告主の支援体制を強化してきた。これらの取り組みにより、SMB領域の事業者による広告出稿や、広告効果の実績は近年、着実に拡大しているという。
たとえば、福島県の老舗和菓子店「柏屋」は、若年層への認知拡大や季節商品の販促に「SmartNews Ads」を活用し、初回出稿でクリック率は5.1%、クリック単価は従前(他媒体)までの広告出稿と比較して25%圧縮となった。
スマートニュースは今後もこうした国内のSMB広告主のために、広告プラットフォームとしての機能強化と支援体制のさらなる進化に取り組んでいく方針としている。
「ブランドの信頼感醸成」「出稿しやすさ」「高精度の配信」に強み
ここからは今治氏、甲賀氏への一問一答から、新広告サービスの具体的な運用イメージと今後の展望を聞く。
「SmartNews」ユーザーならではの潜在顧客にリーチ
――「セルフサービス型広告」の特長を教えてほしい。
今治氏:小額から広告出稿しやすく、信頼性の高いニュース記事と同一面に掲載されるため、ブランドの信頼感につなげやすい一面があります。アカウント開設から配信設定・予算管理・決済まではすべてオンラインで完結。クリエイティブの変更にも即座に対応し、反映します。

今治氏:「SmartNews」の特色の1つに、ユーザーの約4割はSNSを日常的に利用していないという点があります。裏を返せば、SNS広告では届きにくい潜在顧客層にもリーチしやすいと言えます。この点も強みです。

――出稿の効果を検証する機能や、今後の検討事項は。
今治氏:広告配信のレポート機能で、広告主が自社のKPIに照らし合わせて広告効果を検証することが可能です。
将来的には広告主同士が情報交換し、広告効果や活用方法を高め合えるようなコミュニティの形成も構想しています。
精度の高い広告配信を実現
――「地点半径ターゲティング」の活用例を教えてほしい。
甲賀氏:既存の「SmartNews Ads」におけるターゲティング機能と併用することができ、「小売店の新商品・セールの告知」「新店舗オープン情報やキャンペーン」「不動産のマンションモデルルーム来場予約獲得」といったケースで使われています。

甲賀氏:たとえば、女性向けの商品であれば、「地点半径ターゲティング」と、広告配信の対象範囲になる女性のデモグラフィック情報――たとえば、年代などを掛け合わせることで、より精度の高い広告配信が可能になります。
――想定される利用企業は。
甲賀氏:小売、不動産、飲食、人材、教育サービスなど、地域性や店舗商圏を持つような業態で幅広くご活用いただけると考えています。
――「地点半径ターゲティング」での利用で多く想定される利用ケースは。
甲賀氏:地理上の適用範囲は、半径2~3キロメートル前後が最も多く利用されると想定しています。これは、利用料金が従量課金であることからも、一般的に徒歩圏内とされる1キロメートル前後からスタートし、ボリュームや効果を見ながら広げていくといった活用が想定されるためです。
利用企業は飲食店やアパレル企業が多いと見込まれますが、不動産、コンビニ、ショッピングモールなどの商業施設もターゲットになり得ると考えています。
――「地点半径ターゲティング」の適用対象の人がオフライン店舗に来店した場合の計測は可能か。
甲賀氏:「地点半径ターゲティング」経由でオフラインの店舗に来店した消費者の計測機能は、現在開発中です。
現時点では、ユーザーによる来店予約といった、“オフライン店舗に来店する前”のコンバージョン計測はできています。実際に店舗を訪れた際の計測は年内中の開発をめざしております。
これにより、“「地点半径ターゲティング」の配信ターゲットとしているユーザーが、広告主が運営している店舗に実際に来店したか”どうかを把握できるようになる見通しです。ECと店舗のOMOを推進している事業者さまはますます利用しやすくなります。