鳥栖 剛[執筆] 9:00

Criteoが、一般消費者と企業でデジタル広告業務に関与するビジネスパーソンを含む500人以上を対象に実施した「消費者とマーケターから見たAIエージェント:認知・活用意向に関する調査」によると、一般消費者の情報収集におけるAIの活用率は1割強にとどまったものの、AI活用への興味は6割を超えている。 現状のAIでは実現が難しい「AIとの対話のなかで商品の比較検討が完結する」環境がAIエージェントの普及によって実現した場合、すでに6割を超える商品購入時のAIの利用意向がさらに高まる可能性が示唆されたという。

一方、マーケターでは9割が業務にAIを活用。消費者の変化を捉えるための「市場調査」フェーズにおけるAI活用は9割弱と高い水準に達した。また、AIエージェントの活用意向も93%と高かった。

一般消費者向け調査

購買行動におけるAI活用について、情報収集のファーストアクションにおいて「AIアシスタントや生成AIに尋ねる」は1割強(11.1%)で、2位の「SNS検索」(12.0%)に迫った。「検索エンジンで検索」が最も高く7割に達している。

購買に至るまでの過程における情報収集の手段は「インターネットの比較・まとめサイト」が41%、「インターネットの記事」が40%、「友人・知人からの情報」が39%、「商品公式ページ」が38%、「家族や親戚からの情報」「テレビ」が35%、「SNS投稿」が30%で続いた。AIで情報収集をすると回答したユーザーは2割で、AI活用のトレンドの高まりを示唆した。

AIを利用し情報収集する消費者のなかで活用機会が多い商品やサービスは、家電が最も多く(38%)、次いで生活用品(33%)、旅行(31%)、書籍・コミック(28%)、食品・飲料(26%)だった。比較検討する上で商品数や情報量が多い商品やサービスを中心にAI検索の利用が進んでいる。

AIからの提案を受けた後、約9割が何らかの行動を起こしており、約7割が公式サイトやECサイトに遷移し、情報収集している。提案を受け入れていない理由は「最終的な判断は人間が行う方が良い」「特定の商品・サービスばかり優先して提案されている」「偏った情報や基準が不明瞭」といったAI提案の精度の低さに対する不信感などがあがった。

AI活用に対する消費者の期待は「商品の比較」「パーソナライズ」。AI活用に興味がある消費者は約6割で、初期段階では「検索エンジン」が担う「調べ物」での活用が74%で最も高かった。

AIエージェントの認知率は52%。AIを活用したことのあるユーザーのなかでは68%とさらに高い認知率だった。

マーケター向け調査

86%が消費者の購買行動の変化を実感している。マーケターは、消費者購買行動の変化として「ニーズの細分化」(58%)、「情報源の多様化」(51%)など、マーケティングの上流工程での変化を強く感じているようだ。

その上流工程において、顧客理解を目的にマーケターはAIを活用している。企業規模が大きいほどAI活用率が高く、業務効率化だけでなく、戦略立案や意思決定支援にも貢献。今後AIエージェントの普及がマーケティング業務の推進に役立つとしている。

AIエージェントが普及した場合のマーケティング活動の変化では、「AIエージェントを活用した広告活動の増加」がトップで44%、「購買後のサポート」(39%)、「AIが比較評価しやすいような要素に重点をおく」(37%)が続いた

AIの目覚ましい進歩とデータに基づくインサイトを活用することで、消費者行動を的確に予測し、小売りやeコマースにおける顧客体験を最適化し、あらゆるタッチポイントでのインタラクションをパーソナライズすることで、購買行動そのものを向上させることができる。AIエージェントは、消費者の意思決定を支援するだけでなく、企業のマーケティング活動の在り方を根本から変革する可能性を秘めている。(Criteo ディアミド・ギルCTO)

調査概要

  • 調査期間:2025年9月5日~8日
  • 調査対象: 0~59歳の男女 かつ 下記条件に該当する人(一般消費者:2~3ヶ月に1回以上オンラインショッピングを利用する人/ マーケター:勤め先が、従業員500人以上&直近1年以内に広告出稿&広告業務委託状況把握済みの人)
  • 有効回答者数:517人
  • 調査方法:インターネット
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